NEM流出事件を追う人々
すでに報道でご存知の方もいる通り、仮想通貨のひとつNEMがコインチェックという日本の取引所からほぼ全額盗難された。
仮想通貨取引所大手のコインチェック（東京・渋谷）は26日、利用者から預かっている約580億円分の仮想通貨が外部からの不正アクセスにより流出したと発表した。2014年に日本のビットコイン取引所だった「マウントゴックス」が約470億円分を消失させて以来、過去最大の仮想通貨の流出となる。
26日午前３時前に仮想通貨の一種である「ＮＥＭ（ネム）」のほぼ全額が不正に外部に送金された。同日午前11時過ぎに社内で異常を検知し、全通貨の出金を中止した。ＮＥＭ以外の仮想通貨の売買も中止している。
コインチェックの仮想通貨不正流出、過去最大580億円
NEMもブロックチェーンの仮想通貨で台帳が公開されているので盗難取引自体は追うことができ、コインチェックのNEMアドレス（NC3BI3DNMR2PGEOOMP2NKXQGSAKMS7GYRKVA5CSZ）から犯人のNEMアドレス（NC4C6PSUW5CLTDT5SXAGJDQJGZNESKFK5MCN77OG）に1億XEM単位で数回に分けて送金されている（XEMはNEMの通貨単位）。
が、さらにそこから多数のアカウントへ送信されており、仮想通貨界隈では犯人のアドレス追跡が盛り上がりを見せている。
なお、NEMの価格は100円を超えて推移していたのが盗難発覚を受けて急落、70円の底値を付けたあと少し盛り返している。
ビットコインへの影響
今日の午後、アメリカの大手経済チャンネルのCNBCでも報道された。
曰く、これまでで最大の流出事件だ。
曰く、ビットコインは安全なのか？
通貨が違えばビットコインへの影響がないと考えるのは早計で、「仮想通貨」として同じセクターとして扱われているので他仮想通貨への不安は免れない。
コインチェックはNEMだけでなく他の仮想通貨も出金を停止させたので実際にビットコインへの影響も出ている。
この点、仮想「通貨」と名乗る以上、既存の法定通貨と比べるとすれば、銀行に預けている預金が引き出しできなくなるようなものであり、法定通貨に比べて仮想通貨の脆さがよくわかる。
世界的な影響は・・・
一方でこういう考え方をしている人もいる。
「日本の１取引所で起きた事件に過ぎない。世界全体で見れば影響はない。」
ちなみに世界における日本のGDPシェアは年々減っていて2017年2月の世界銀行の発表ではたったの5.91%。
が、ビットコインの場合、世界の取引残高の31.4%をJPY（日本円）が占める。
そう、仮想通貨では日本の影響力は全世界の3割以上と大きいのである。
産経新聞で先物取引市場の落日が報じられたばかりだが、もはや素人をカモにする舞台は仮想通貨に移ったといっていいだろう。
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