ダイエットハック:KINDバーというまやかし

アメリカのスーパーなどで幅広く売られているバーのひとつに、KINDバーというブランドがある。

日本では(商標関連で競合があったのか)BE-KINDバー(ビーカインドバー)として販売されているようだが、アメリカではスーパーだけでなくドラッグストア等にもコーナーができているほどで、種類も豊富、かつ自然食品を謳った販売戦略で人気を博している。



とりあえず主要なフレーバーを購入。




2020年8月31日追記:2年経って「内容量が同じになのにラベル上30kcal減った」という自体に遭遇したので、BE-KINDバーのカロリーについてご興味のある方はこちらもご参考ください→ Be KINDナッツバーのカロリー変更の裏側

2021年9月16日追記:KINDバーと後発商品のKIND THINSバーは全く別物ですのでKINDバーを選択されることをお勧めします

Caramel Almond & Sea Salt


まずはレビューの評価も高い筆頭候補のCaramel Almond & Sea Salt。



カロリーは1本40グラム中200kcalで、プロテインは6グラムと、決してプロテイン割合が高いとはいえない。というかむしろ低い。



前回のプロテインバーで苦言を呈した「そもそも袋の上から割れない」のとは違い、ちゃんと割れる。

開けてみるとそのままのナッツがギッシリ。



まさに塩キャラメルのような味で、ハッキリ言って美味い。



これを基準として他のフレーバーも確かめていきたい。

Maple Glazed Pecan & Sea Salt


お次はMaple Glazed Pecan & Sea Salt。



カロリーは1本210kcalで、プロテインは5グラムと、高評価のCaramel Almond & Sea Saltよりさらにプロテイン割合が低くなる。



Pecan自体がそもそもアーモンドより歯ごたえがよくないのと、メープルの味が微かすぎて、決して不味くはないのだがCaramel Almond & Sea Saltを基準にすると見劣りする感は否めない。



Madagascar Vanilla Almond


次はMadagascar Vanilla Almond。



マダガスカルバニラと普通のバニラの違いはわからないが、栄養素的にはCaramel Almond & Sea Saltとほぼ同様。



ナッツのゴロゴロ感は健在で歯ごたえはよし。



が、先のメープルと同様、バニラの風味が薄く名前負けしているとしか思えない。



こちらもわざわざこれを選ぶならCaramel Almond & Sea Saltでいいじゃんという結論。

Dark Chocolate Nuts & Sea Salt


次はDark Chocolate Nuts & Sea Salt。



こちらもカロリー1本200kcal、プロテイン6グラム。



ナッツはギッシリで、それなりにチョコの味はするがSo what?な感じ。



ダークチョコ好きでもない限り、わざわざこれを選ぶならCaramel Almond & Sea Saltでいいじゃんという結論。

PROTEINバーシリーズ


これまで見てきたものは、どれもプロテイン割合が低いものばかりだったが、KINDバーもそれを認識しているのか、プロテイン含有量を高めたPROTEINシリーズを出している。



言わば上掲のKINDバーが、プロテインバーというよりナッツバーなのに対し、明確に「プロテインバー」として売り出しているシリーズ。

その中の一つ、PROTEIN Toasted Caramel Nut。



カロリーは1本50グラム中250kcalで、プロテインは12グラム。カロリーも増えたがそれ以上にプロテインも増えている。



ゴロゴロのナッツ食感が健在なのはうれしい。



チョココーティングも美味だが、Toasted Caramel Nutというだけあって、上記Caramel Almond & Sea Saltと味はかぶり、良く言えばCaramel Almond & Sea Saltのプロテイン高い版だが、悪く言えばCaramel Almond & Sea Saltの劣化版。



もう一つ、PROTEIN Crunchy Peanut Butter。



栄養素はPROTEIN Toasted Caramel Nutとほぼ同じ。



クランチーというだけあってピーナッツのボリボリ食感。



ピーナツバターの味もちゃんと出ているのでピーナツバター好きの人にはいいかもしれないが、ピーナツバター味のプロテインバーは巷に溢れているので、やはりCaramel Almond & Sea Saltの方が上。



最後はPROTEIN Double Dark Chocolate Nut。



こちらも栄養素は他のプロテインバーシリーズとほぼ一緒。



どこらへんがダブルなのかはよーわからんが、チョコレート味はちゃんと出ているので、チョコレート好きには良いが、ピーナツバターと同じくチョコレート味のプロテインバーは巷に溢れているので、やはりCaramel Almond & Sea Saltの方が上。



KINDバーの本質


ということで、買うならCaramel Almond & Sea Saltなのだが、ここでふと客観的に評価してみたい。

KINDバーの売りとは、自然で体にKINDな(優しい)食品を提供すること。

曰く、「みなさんが知っていて、発音できる材料を使ってます」ということで、加工をできるだけせずに、自然な材料を使うことを訴求ポイントにしている

Craft Snacks Made With Real Food
We believe food shouldn’t be overly processed to attain an arbitrary nutrient profile or manipulated to the point that it loses its soul. Instead we obsess over creating recipes, using real food, that taste delicious and let the nutrition take care of itself. As we grow and evolve, we’ll continue to stay true to our mission: real food, wholesome ingredients, and sound nutrition.

Treat everyone and everything, including our ingredients, with iontegrity and kindness
We celebrate food by making snacks with ingredients that you can recognize, pronounce and enjoy. We aspire for maximum transparency and always strive to think long term, holistically and empathically as we evaluate all decisions on behalf of our KIND consumers and our community.

KIND Promise our health and nutrition guiding principles

が、ここでKINDバーのメインテクスチャー(食感)となっているアーモンドとピーナツの栄養素を見てみたい。

KINDバーの40グラムと同量の場合、アーモンドは239kcalでプロテイン7.44グラム、ピーナツは225kcalでプロテイン10.16グラム。

カロリー中に占めるタンパク質割合(=タンパク質グラム x 4kcal ÷ 総カロリー)では、アーモンド12.5%、ピーナツ18.1%。

一方でKINDバーの場合、「Caramel Almond & Sea Salt」を含む大半は12%、「Maple Glazed Pecan & Sea Salt」は9.5%

プロテインバーを謳っているPROTEINシリーズでも19.2%でピーナツより少し高い程度。

つまり、通常のKINDバーは、「自然のナッツにチョコ等をコーティングした代償として栄養価を劣化させた商品」と言える。

KINDバーの理念が「自然食品を加工せずにそのままの形で」なのであれば、皮肉なことにピーナツをそのまま食べた方がよっぽど栄養価が高いのである。

これらを比較表示したのがこちらの表。



PFCバランスをグラフにするとピーナツやアーモンドと大差ないどころか、炭水化物の低さではむしろピーナツやアーモンドの方がケトっていることがわかる(※「ケトっている」=ケトジェニックダイエット向き)。



結局、自然やヘルシーを標榜したいならナッツをそのまま食べるのが一番で、自然食品としてはナッツに劣り、プロテインバーとしては他のプロテインバーに劣るというどっちつかずのナッツバーというのがKINDバーに対する評価である。

とはいえ、Caramel Almond & Sea Saltは美味いので、間食用のお菓子と割り切って買い置きをキープしておくのはアリだと思う。


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