欧州遠征記11日目:駆け巡れ!ルクセンブルク、聖霊城塞サイクリング

いきなりだが、今回ベルギー、ドイツ、ルクセンブルクとサイクリングした中で、はっきりいって一番走っていてわくわくしたのはルクセンブルクであった

日本やニューヨークにいるときは、ルクセンブルクに対する事前知識は皆無に等しく、「シュレク兄弟の出身国」くらいにしか考えていなかった。

なにはともあれ、惹き付けられたのはその特異な都市構造である。

普通、首都レベルの大都市であれば、町の中心にいくほど栄え、離れていくほど過疎化して長閑(のどか)になっていく。東京しかり、ニューヨークしかりである。つまりは、水平面に伸びているわけである。

ところが、ルクセンブルクは渓谷の下と上とでも分かれており、崖の上の騒がしい光景からひとたび崖下に行くと、上の喧騒が届かないほどの別世界になったりする。ルクセンブルクは水平面に加え、垂直でも世界が分かれる、3Dな城郭要塞都市なのである。

ボックの砲台の中と同じく、町全体が迷路のような秘密基地になっている感がある。


■ルクセンブルクの地図

まず、これがルクセンブルク市の中心部である。

上側にあるUewerstad(ルクセンブルク語。Upper townという意味)が旧市街の中心部であり、周りをアルゼット川とペトリュス渓谷(緑色の部分、グルント地区と呼ばれる)に囲まれているのがわかると思う。

そしてペトリュス渓谷に架かるPont Adolpheというのがアドルフ橋。橋の南側を道沿っていくと、一番下に駅のマークがあるルクセンブルク駅に突き当たるようになっている。


View Larger Map


■ルクセンブルクサイクリング

自分が宿泊したのはルクセンブルク駅近くのホテル。

まずは朝、ホテルから歩いて数分の立体駐車場へ向かう。夕方にはホームレスがたむろしていた場所である。



繁華街らしく怪しい店が並ぶ。



駐車チケットがドアの鍵を兼ねているので立体駐車場の中へ入る。



ロードバイクを車のトランクから出して出発。



空は少し明るくなってきた。



まずはアドルフ橋へ向かって新市街の大通りを北上。



朝ということもあって人もまばらで走りやすい。



アドルフ橋の新市街側。



アドルフ橋を渡って憲法広場の隣に到着。写真は憲法広場の横から撮ったアドルフ橋。



こちらは憲法広場。



昨日歩いたルートと同じようにノートルダム寺院の前を通る。



こちらは裁判所らしい。



色とりどりの甕が綺麗である。



昨日歩いたときとは違い、自転車なので縦横無尽に旧市街を走ってみる。







自転車向けの標識もそれなりに役に立つ。



ノートルダム寺院の裏側。



ルクセンブルクの紋章。



ボックの砲台方面へ向かう。



ボックの砲台近く。



徒歩では行かなかった坂を下りる。



石畳の坂で走りにくい。



高圧の細いタイヤでは振動がきつい。自転車は多いがロードバイクが少ないわけが分かった気がする。



また崖の上の旧市街へ戻る。



アドルフ橋の横に、ペトリュス渓谷にあるグルント地区へ降りる道を見つける。



というわけで谷底へ降りてみる。



一気に緑が多くなって喧噪が遠ざかっていく。



橋の下。まだまだ渓谷の谷底にはほど遠いが、ここでも既に別世界に入った感じがある。



緑の中をサイクリング。



旧市街の南東の崖には、旧市街がまだ要塞だった頃に建設された聖霊城塞(Holy Ghost Citadel)がある。こちらは聖霊城塞の城壁。



城壁に囲まれた道を進む。



城塞といっても今は穏やかな自然が広がる谷間になっている。



こちらは谷底。まさしく渓谷に聳える天然の要塞がルクセンブルクの本来の姿なのだろう。



グルントからアドルフ橋を撮る。崖の上には光があたっているが、グルント地区に入ると一気に暗くなっているのがわかる。



ところが階段を通り過ぎて、自転車でいけそうな谷底への道を探すが見つからない。



そのまま城塞の端に出てしまう。



だんだんと道が細くなっていき、ついには階段が。



そして舗装路ではなくなる…。



気付けば他に人は誰もいない…。



遂には崖の縁にまで来てしまう。



これで行き止まりで引き返しかと思ったら、まだ進める。



シクロクロスの様相を呈してきて、階段のたびに担ぎながら城壁の縁を進んでいく。



城の入口を探して歩くルパンのような感覚に…。



もうこの道で合ってるのかどうかわからず誰もいない裏道を進んでいく。



と、ついに突き当たりに城壁の上に上がる階段らしき道が。



門が開いている…。助かったーと思って進むと。



やっと城壁の上に。



聖霊城塞の壁に芝生の空間…。デジャブが起きる。



いつか、どこかで、同じようなものを見た…。と、過去の脳内記憶を辿る…。



そうだ!「アルゴスの戦士 はちゃめちゃ大進撃」である。下の動画の4分18秒をご参照いただきたい。



聖霊城塞を出て、



坂を上ると、



そこは裁判所であった。



迷ったせいでタイムオーバー。そのままホテルへ向かう。



途中でルクセンブルクのパトカーをみかける。



紋章がヨーロッパっぽい。



ふとサイクルショップを見つける。あいにく閉まっていたが、店のディスプレイにはレオパルド・トレックのチームジャージが。



よく見ると、シュレク兄弟のサインがされている。さすがはルクセンブルクである。



そんなこんなでまだ全然ルクセンブルクの町を堪能できていなかったのだが、残念ながらタイムリミットでホテルに戻ったのであった。




2 件のコメント :

  1. 何だかゴーストタウンみたいですね。
    人の気配がしない。
    でも美しい街ですね。行って見たい。

    返信削除
  2. 初心者ロードレーサー2012年2月2日 2:44

    朝ということもあったのでしょうが、グルント地区は本当に人影もまばらで不安になってました。
    ただ見方を変えれば静かで綺麗な世界が広がってるのでぜひ行かれる機会があれば。

    返信削除