ツール・ド・ブルックリン2012

サイクリングの翌週末、ツール・ド・ブルックリンというファンライドに参加

もともと妻と参加する予定であったが、昨年一緒に走って完走出来なかった苦い経験から直前になって断られてしまう。これで妻に自転車を好きになってもらう目標がまた一つ後退した

しかし、香港人の友達、Kさんが参加するので、彼と一緒に走ることに

Kさんとはこれまでブルックリンの海岸ライド等、何回か一緒に走ったことがある。

彼の自転車自体は、日本の大規模スーパーで買えるような安いマウンテンバイク風自転車であるが、本人的にはロードバイクにも興味があるみたいである。





今回は自転車こそ前と同じものだが、そのとき以降、自転車用のジャージ(ちゃんと背中にポケットがついているもの)とレーパンを新調して今回着てきた。脈有りとみた。

ということで、Kさんと一緒にライドするのも彼に興味をもっと持ってもらうという点で重要である。


■スタート地点へ

まずはスタート地点まで自走。

プロスペクトパークを突っ切って北上し、マンハッタンブリッジの近くにあるスタート地点の公園に到着。





Kさんと合流して、まだ時間があったのでマクドナルドへ。ダブルチーズバーガーが2つで約240円。ビッグマックは2つで約320円。



軽く朝食を済ませてスタート地点に戻る。



その道すがら、KさんにTrek Madone 6.9 Proを試し乗りしてもらってロードバイクの良さを味わってもらう。(ところがポジションがレース仕様になっていたため、いきなりではきつかったらしく微妙な感触…)



ふと横道を見ると、



このイベントの交通封鎖のためにニューヨーク市警が集結している。



しばらくスタート地点で待機。



けっこう待たされる。



参加者は2000人ということですごい人である。



待ってる間にKさんの同僚家族とも合流。

ベトナム系アメリカ人男性と黒人女性の夫婦なのだが、お嬢さんは外見的には黒人。

そういえばオバマ大統領は母親が白人なので、厳密には(厳密でなくても)黒人と白人のハーフなのだが、「アメリカ史上初の黒人大統領」として黒人になってしまっているのは有名な話しであるし、テキサスレンジャーズのダルビッシュ有も「son of an Iranian father(イラン人の息子)」として紹介されている記事を読んだことがある。

とまあそんな「人種的アイデンティティーとはなにか」といった高尚なことを考えながらボーっと待つ

ちなみに同僚の男性のフロントは1速。ちゃんと落下防止のチェーンガイドがしてあった。



いざスタートして走り出す。



初夏のブルックリンを気持ちよく走る。



真っ黄色なロードバイクなど、人の自転車を眺めるのも面白い。



赤信号でも関係なく走行。



行く先々で先回りして交通封鎖してくれているニューヨーク市警がグッジョブである。



自転車が道路を席巻しているこの瞬間は感慨深いものがある。



ベネズエラのジャージを着て走ってる人も。間違いなくベネズエラ出身であろう。



いつもレースのトレーニングばかりしていると忘れそうになるが、老若男女、いろんな人たちがいろんな自転車に乗っていろんな楽しみ方があるから自転車は面白い



ひたすらブルックリン西部を南下。



ところが前が詰まりだし、毎年恒例のストップ&ゴー状態に。



前がつっかえて大渋滞状態になり、炎天下の下をひたすら待つことになる。



ふと後ろを見るとすごい人の数で最後尾が見えない



さらに前を見てもすごい人の数で最前列が見えない



その圧倒的な光景に、歩道では近所の人々が手に携帯を持って写真を撮っている。

さすがは自転車行政の圧力団体、Transportation Alternativesのイベントである。

警察も行政も巻き込んで、こんな大規模な地域住民によるチャリ集団を組織すれば地域への一大アピールである。

やっと動き出してブルックリンの海岸線を南下。



なんとか心地よい速度で進んでいく。







ところがまたストップ。

あまりのストップと陽射しで木陰に行って休む。



10分ほど待ってやっとスタート。



ときおり歩きながら、Verrazano Narrows Bridge付近に。



と、街頭の声援とは違い、白髪の老人が敬礼をしてくる

なんか変わった人がいるなぁーと思って、ルートを進んで行くと…。



ま、まさか…。

フォートハミルトンに突入…だと…?!


■Fort Hamilton

ニューヨーク市周辺にはFort(要塞)と付く地名がちらほらとある。

マンハッタンの北部にあるフォート・ワシントン・パークという公園、そしてジョージワシントンブリッジのニュージャージー側にあるフォート・リーという町。

どちらも独立戦争時に、ジョージ・ワシントン将軍とチャールズ・リー将軍の要塞となったことに由来している。

が、そんな昔の話ではなく、現在でもニューヨーク市でアメリカ陸軍に使われている現役の要塞がある

それがFort Hamilton、ハミルトン要塞である。入口には「アメリカ陸軍駐屯地 ハミルトン要塞」の文字が。



Fort Hamiltonは地名にも、通りの名前にもなっているが、その元はこの場所にある要塞そのものである。

もちろん普段は軍関係者以外立ち入り禁止なのだが、今回のルートでは当たり前のように要塞の中に突入している。



まさか、米軍の軍事施設内をライドできるとは思わなんだ…



おそらく実物ではなくオブジェであろうが、大砲がある。



しかも至る所に。



丘の上にも砲台が、向かいの湾に向けて設置されている



そう、このハミルトン要塞の位置は、ちょうどブルックリンとスタテンアイランドの間が最も狭くなる場所である。つまり、ローワー湾からマンハッタンに侵入する海上ルートで最も陸上から攻撃しやすい場所に位置している


大きな地図で見る

さらに駐屯地となっているので軍人家族用のアパートや教会まである。

いわばひとつの町になっていて、郵便局やスーパーまで、日常生活の全てが要塞内で事足りるようになっている。おまけにミュージシャンの訪問の案内も出ていた。まさに至れり尽くせりである。というか、給料から大量に差し引かれる税金はこういうところに行ってるんだなぁと改めて実感



さらにはVerrazano Narrows Bridgeを眺めるベストポジションと言っても過言ではないほどのスポットが。



こんな眺めの良い場所を独占してるなんて、さすがは軍施設。




■復路へ

フォート・ハミルトンを抜けたところでエイドステーション。



人混みの中を5分ほど並んでトイレを済ます。



オレンジとバナナへ殺到。



人混みをかき分けて空腹を満たす。



水も補給。



リカンベントを発見。



そして復路をスタート。



復路はストップが2箇所ほどあったが、往路ほど滞ることもなく進む。



が、全然混んでいないところなのに、路肩の端ギリギリを走ってる女性が路駐している車に接触して転倒。まあ自己責任。



さらにビアンキの綺麗なピストに乗ってる黒人のおっちゃんが。見るからにかなりできそうな男だ。



しかしこのおっちゃんも地面の段差にタイヤを取られて転倒

復路の大半はOcean Parkwayを北上。



片側4車線はある大通りなので快適に進む。



さらにそのままBQE(Brooklyn-Queens Expressway)という高速道路に入る



たった5ドルの参加費でエイドステーションまであって、軍施設に加えて高速道路まで走らせてくれるなんて有難いなぁーと思っていると、100メートルほどで高速道路から出る。



そしてプロスペクトパークへ。



これまで何百周も走っているプロスペクトパークを通過。



ちなみにプロスペクトパークでは、自転車レーンの中でも、遅い自転車用と、ロードバイク等の速い自転車用で車線が分けられている



プロスペクトパークにも少しだが坂があるので大変そう。



坂を上り切って、



プロスペクトパーク北端のGrand Army Plazaを通過。



家族連れのファミリーライドを微笑ましく見ながら、



ほどなくしてスタート地点に戻ってきてゴール。



ゴール地点の公園ではイベントが行われており、来月から始まるシェアサイクルの試乗をしている人も。



子どもたちへの自転車教室もある。



さらにはニューヨーク市交通局主催の無料ヘルメット配布。



約32kmの距離を4時間かけて、平均時速7.7km/hで走った。まあ完璧なファミリーライドであったが、フォートハミルトンを見学できたのは面白かった。



こういった圧力団体主催のイベントによって道路行政に対して自転車のアピールをしていくことは重要であるし、来月から始まるシェアサイクルシステムもこういった地道な活動の成果なのかもしれない。

ファミリーライドに加えて普段走れないルートを走り、自転車行政への一助にもなる。これで5ドルならありだろうと思ったイベントであった。




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