ホワイトフェイス山ヒルクライム大会:最終回 総括

ということで長く続いてしまったホワイトフェイス山ヒルクライム大会のエントリであったが、今回のレース含めたイベント全体を振り返りたいと思う。


■経緯と位置付け

昨年シーズン後からのトレーニング期間を経て万全で臨んだ今年のレースシーズン。

ところが春の開幕戦ともいえるスプリングシリーズで相次いでクラッシュに巻き込まれ、右手親指の第3関節がずれたまま戻らないという半後遺症のような状況になり、ライドライフバランスを保つためには通常のマスドスタート形式のロードレースに出続けるのは難しくなる

その結果、レースについてはヒルクライムを中心としたものに参加するよう舵を切っていった

その最初のレースがニュージャージー州最高峰のHigh PointでのヒルクライムTT

そして風邪をひきながら参加したグランフォンドニューヨークを挟み、2回目のヒルクライム大会がこのWhiteface Mountainのヒルクライムレースであった。

いわば、今回のレースは、今後ヒルクライム中心の戦場で戦っていくかの試金石であったと言える。


■ライドライフバランス

これまでライドライフバランスを保つ最大の問題点が、プライベートと趣味との両立であった。

過去のエントリでも触れたことがあるが、基本的にロードレースは観戦に向いたスポーツではない。

特に自分が罪悪感というか申し訳ない気持ちを感じてしまっているのが、ベルギーでのレースであった。

家族旅行も兼ねて遠くベルギーまで行っての約100kmのレース、スタート・ゴール地点で妻には待っていてもらったものの、数時間待って通り過ぎる瞬間は1分にも満たない…

まさしく「家族をほったらかしてレースに没頭する」状況であった。

週末は家族サービスの時間というライフスタイルが多いアメリカにあって、レースのみならず、普段の練習でも土日に長い時間家を空けるのは良い気持ちをされないようで、他のチームメイトと話しても、家族からロードバイクの趣味を批判的に思われている家庭の方が多い。

そのような中で、今回のWhiterface Mountainは、理想のライドライフバランスの在り方を見せてくれた


■レース時間

この点、ヒルクライム大会ということもあり、レース時間は1時間強

これであれば例え全く応援できなかったとしても同行している家族に対してそれほど迷惑をかけることにはならない。

それこそ朝早いレースであれば、一緒に来て応援してもらうもいいし、またはホテルでゆっくりしてもらって遅い朝食でも食べていてもらえば、朝食を食べ終わる頃にはもうレースが終わっているというスケジュールにもなりうる。

そういう点では、レース時間が短いヒルクライムやTTは、自転車競技に興味がない同行者がいても精神的な負担やプレッシャーが少ない


■リアルタイムの応援

さらに、今回はレース中でも車で応援できるということで、走ってる途中でも追いついてきた車の中から声援を受けることができた。

何時間も待ったのに一瞬で通り過ぎ去ってしまう長丁場のロードレースと違い、同じ速度で自動車の中から何度も応援することができる

まさしく応援する側にとっても、応援される側にとっても嬉しいレースの在り方であろう。


そして2泊3日の旅行であれば、そのうち1日の午前中はレースで潰れるとしても、それ以外に旅行を満喫する時間は十分にある

自転車競技をしていると、旅行といってもトレーニングに穴が空いてしまうので億劫になるものだが、旅行兼遠征であればメリハリもつく

遠征旅行…、これぞライドライフバランスの理想の形なのかもしれないと思ったのであった。


ちなみに、今回一緒に行った4人のうち、2人は家族連れでレース以外は家族旅行モードだったのだが、あとの2人はここぞとばかりにLake Placidのライドを楽しんだらしい。

初日、Mirror Lakeの町を散策してショッピングしているときに妻が聞いてくる…、「あとの2人は何をしてるの?」
「自転車乗ってんだよ」

2日目、レース後にプールに入ったりボートに乗ったりしてるときに聞かれる…、「あとの人たちは…?」
「自転車乗ってんだよ」

3日目、ゴンドラに乗って山頂の景色を楽しんでるときに聞かれる…、「あとの…?」
「自転車乗ってんだよ」

ボートやらゴンドラやらすることが一杯ある観光地で、ただひたすら自転車に乗ってて何が楽しいんだとでもいうような理解できないという表情…。

こんなに色んなことができるのに、ひたすら自転車に乗ってるなんて、いったい何しに来たんだと。

いや、だから自転車乗りに来たんだってば…

うーむ、まだ自転車バカの精神を理解してもらうには道のりは長そうである…。


4 件のコメント :

  1. まさにcyclocrossはどうですか?1周10分程度の周回コース、レース時間は45分。大きなレースだと食べ物の屋台も出てて観戦者に優しいレースですよ。マスドスタートだけどロードより転倒時のリスクも少ないですし。

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  2. なるほどそういう纏めになったのですねあのヒルクライム大会、、いろいろagreeです。
    当たり前のようにほとんどの時間を"自転車乗ってた"わけですが確かに一般的には変な人たちですよね。。家族を連れてNY/NJに遠征旅行、そしてWhitefaceでまた一戦交えたいですなー

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  3. 初心者ロードレーサー2012年9月20日 1:50

    ku.さん、コメントありがとうございます。たしかにCXは観戦向きですね。スピードもロードよりは出ないし地面的にも深刻な事故は少なそうですし。あとはオフシーズンの寒い季節に泥を落とす環境の問題さえクリアできればいいのですが・・・。

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  4. 初心者ロードレーサー2012年9月20日 1:59

    ぜひ次は日本から家族連れで!まあその場合はレース以外は家族サービス必須ですが(笑)
    WhitefaceにMount Washington、挑戦しがいのあるヒルクライムは盛りだくさんですぞ!

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