ただ、実際に地上で行かなくても、空の上から見るだけで十分と思うところもある。
自分の場合は北極がそれにあたる。
冒険者ならともかく、極寒で何もない北極を徒歩で歩かなくてもいいが、そこにはどんな景色が広がっているのか見てみたいとは思う…。
ニューアークから香港へ出発した飛行機は見慣れない航路をしていた。
ほぼ真っ直ぐ北へ向かっている。
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ニューヨークから日本(成田)へ行く場合、環太平洋沿いにアラスカやカムチャツカ半島あたりを通って成田に到着する。
地球は円形をしているのでメルカトル図法上での直線が最短距離にはならないのは学校で習った通りである。
そして、ニューヨークから香港へ行く航路は、ニューヨークからほぼまっすぐに北へ向かい、北極を通ってシベリアと中国大陸を突っ切って南下するルートになっている。
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ということで飛行機は真っ直ぐ北極へ。
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窓から夜の北極※を見ることができた。(※この時期、北極は常に夜で太陽が昇ることはない)
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まさしく何もない、死の白銀の世界が広がっていた。
さらにラプテフ海とシベリアの大地の境界。
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そしてシベリアも真っ白の世界が広がる。
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狭い席で16時間、牢獄のようなきついエコノミー席であったが、この景色のおかげでなんとか乗り越えることができた。
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香港へ到着するとすでに夜。
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2年前に使ったオクトパスカードを取り出す。
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バスへ乗って大圍(Tai Waiと読む。香港の地名)にある家まで移動。
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空港を結ぶバスにはスーツケースを置く用のスペースはあるものの、やはり自転車の輪行ケースを積むのには難しそうであった。
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こうして香港に到着した一日目は家につくとすでに夜11時。なにもせずに床に着き、窮屈だったフライトの疲れを癒すように死んだように眠ったのであった。
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