欧州遠征記6日目:ラインハルトシュタイン城

タイムトライアルを終えて車に戻って一息付くと1時半頃。

タイムトライアル後は、近くにあるスパという温泉施設でゆっくりと疲れを癒すという完璧なプランであるのだが、夜にはまだ時間がある。遠征レースと家族旅行の両立という命題に従って日が明るいうちは観光を続行することに。




■ラインハルトシュタイン城

スタヴロから北東に進み、ある古城を目指す。



いよいよここからヨーロッパ北部古城めぐりツアーの始まりである。



タイムトライアルの頃と同じく雨は降り続けている。



車で行くのは大変でかなり狭い畦道を通りながらやっとのことで到着。



横には小川が流れ、



狭い橋を渡る。



本日の城はラインハルトシュタイン城



ちなみに詳細は後述するが、現在の城は20世紀に再建築されたものなので厳密に言うと古城とは呼べないかもしれない。以下はベルギー観光局より引用

もともとリュクサンブール公国北部の防御のためにリュクサンブール公ウェンセスラスの命を受けたルノー・ド・ウェイムが1354年に建造した城。
1550年以降、ウイーン会議の主催者として著名なメッテルニッヒ宰相の父(駐ブリュッセルオーストリア全権大使)の代まで一族が3世紀に渡って所有したが、19世紀にほぼ廃墟の状態で売却され、1965年よりオーヴェルロープ教授によって全面的に修改築された。今日は1966年より教授とともに修復作業に携わってきたドフォッサ氏が家族と城に暮らしながら館長を務める。


ベルギー観光局の説明では少ないので以下補足を。

ラインハルトシュタイン城(Reinhardstein Castle)は、元々ドイツ語系の名前であることもあり、地元ではBurg Reinhardstein、またはメッテルニヒ旧城主の名前を取ってBurg Metternichとも呼ばれている。↓の写真の説明でも「Reinhardstein - le Burg Metternich」と、ドイツ語の固有名詞にフランス語の定冠詞が付いている。



ラインハルトシュタイン城はOvifatの南、Malmédyの東に位置する。



リュクサンブール公国北部の防御のためにリュクサンブール公(Duke of Luxembourg)ウェンセスラス(Wenceslas)の命を受けたルノー・ド・ウェイム(Renaud of Waimes)が1354年に建造した城。



1468年には婚姻によりナッサウ家の所有となり、その後上記解説の通り1550年にはメッテルニヒ家の所有となる。ちなみにナッサウ家(Haus Nassau)は、ドイツ西部のライン地方を発祥とした王家で、神聖ローマ帝国の皇帝も輩出、現在のオランダ王家(オラニエ=ナッサウ家)、ルクセンブルク大公国の大公家(ナッサウ=ヴァイルブルク家)も同家の流れを汲む名門貴族である。



ちなみにメッテルニヒ家は、13世紀、ドイツのオイスキルヒェン(Euskirchen)にあるヴァイラースヴィスト(Weilerswist)という町の名前に端を発し、代々家長はケルン大司教に仕えてきた家系である。やはり今はベルギー、ドイツ、ルクセンブルクと国が違えど、今回旅をしたベルギー、アーヘン、ケルン、ルクセンブルクは密接に関連していることを感じられずにはいられない。



フランス革命の際は没収されたが、その後メッテルニヒ家に返却される。19世紀初頭にメッテルニヒ家はドイツに移り住むことになり、城がフランスに利用されないように売却と同時に取り壊され廃墟となる。その後も廃墟の中に隠されたと噂される金銀財宝目当てのトレジャーハンターに盗掘され荒らされる。





1969年、ベルギー人のJean Overloop教授がラインハルトシュタイン城の重要性を再認識し、17世紀以降のスケッチをもとに城を修復、教授はそのまま城に住み続けるが1994年に他界、その跡を継いだドフォッサ氏によって管理され、城のガイドツアーが行われている。(城内は撮影不可)





ちなみにトイレは下に流れる川に垂れ流し。下水云々の問題よりも中世の頃の造りをそのまま残しているのであろう。



さらに進むと谷の上を滑車で移動できるようになっている。



が、もちろん試さず。



ラインハルトシュタイン城はWarche川が形成する小さい谷の岩肌に建てられている。



周りを谷で囲まれてまさしく人里離れて佇む城であった。



そんなこんなでしばらく城をゆっくり見ていたかったが、雨ということもあり、早々にして次の目的地、スパへと出発したのであった。




2 件のコメント :

  1. 良いですね~何かレースで見える雰囲気のある場所が凄く良いです。
    関係ないですが日本もだいぶ寒くなり・・本格的にパワトレを行うためサイクルオプスの400proというインドアサイクル
    トレーナーを買いました。
    妻にはだいぶ自転車バカと言われてますけど(笑)
    大物買ってしまったのでがんばります。。

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  2. 初心者ロードレーサー2011年12月8日 1:00

    さすがクラシックレースの土地だけあって自転車で走りたくさせる景色ばかりでした。
    それにしても400 Proとは思い切られましたね。それこそロードバイクが買えるような値段ですし…。といいつつ、私はロードバイク1台をローラー台専用に固定してしまっているので、それを考えると400 Proの方が賢い選択かもしれません。もしよろしければ画像をご投稿いただけないでしょうか。本エントリ上にて取り上げさせていただければ幸いです。

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