天気予報を確認すると摂氏3度強。
寒そうだなぁと思いつつも、レース中のことも考えて、通常のチームジャージとビブショーツ、アームウォーマーとレッグウォーマーを装備して5時過ぎに出発。
レース会場はセントラルパークなのでブルックリンから自走して行く。
自転車通勤をしていたおかげで所要時間が掴めているので予定通り到着。今回はブルックリンブリッジを渡って6番街を北上するルートをとった。
受付クローズの10分ほど前に到着。
ところがすごい行列で、まずは登録用紙を記入して並ぶ。途中でチームメイトや馴染みのマルコムとも挨拶を交わす。
無事に登録を済ましてゼッケンをつけるが、久しぶりのレースなのでつける位置に手間取ってしまう。
準備が済んで次はお手洗い。1時間近くかけてセントラルパークまで来たのでレースの前に出すものを出しておきたい。(といっても小さい方だが)
そうこうしているうちに、遠くから「Riders to the line!」の呼び声が聞こえてくる。
トイレを済まして駆けつけるとすでにスタートラインは選手たちで埋め尽くされている。
一体何人いるんだと思いながら自分のカテゴリー(Cat4)の後ろにつく。
ちなみに今回はCat3、Cat4が一緒のフィールドを走る。
普段はPro/123のフィールドでプロ選手とレースをしているCat3にどこまで通用するかがポイントである。
最初にPro/12のフィールドからスタート。次に自分たちのCat34フィールド、そしてマスターズ、Cat5と続く。
コースはセントラルパーク4周である。
が、思ったよりも冷え込みがひどく、スタート地点に並んでいる間に震えてきてしまう。
「早く始まってくれー」と思いつつ後ろを振り返ると、さらに選手の集団が同じフィールドに並んでいる。
これは100人どころじゃないかもしれない…と思っていると、レースの開催者から「Cat3, Cat4のフィールドは150人!」という案内がされる。
シーズン最初のレースで150人という大人数…、これはクラッシュ必至か…と不安を抱えつつレースはスタートした。(ちなみに昨年Cat5で走ったときのレースでは人数制限いっぱいで50人)
■1周目
メトロポリタンの丘を下ってグッゲンハイムのストレートを北上。
大人数とはいえ、そこはCat4。少なくともCat5に比べれば選手のレベルのばらつきは少ないはずで、バイクコントロール技術もそれなりにあるのでクラッシュの乱発はないだろう…と思っていた。
集団に囲まれているとライン取りができなくなるので、集団の右端に出つつ車両間隔に余裕を持ってシケインを無事通過。
一番クラッシュが起きやすいと思われる、1周目(まだ集団がばらけておらず固まっている)のシケインをクリアできたことで安心する。
ところがシケイン後、セントラルハーレムの折り返し部分、ヒルクライムの麓でクラッシュ発生。
クラッシュは集団の右前方で発生したので、左側から回ってクラッシュをパスしていく。
とはいえ、クラッシュの影響でブレーキをかけたこともあり、90丁目あたり、ヒルクライム後のアップダウンパートですでに集団が3つに分裂。
クラッシュの前を走っていた第一集団と、クラッシュで遅れた第二集団、さらに遅れた第三集団に分かれ、自分は第二集団の中を走っている。
単独や少数の逃げとは違い、多人数の先頭集団から遅れてしまったら追いつけないことは百も承知。それでもチームメイトでもいれば計画的に追いつくことも可能かもしれないが、周りにいるのは実力もわからない有象無象の選手たち。
追いつくまでに時間をかければかけるほど、逆に単独走の時間が長くなって追いつけなくなるため、こういうときは一気に出力を上げて短時間で追いついた方が総合的な疲労は少なくて済む。伊達に30戦もレースを経験してきたわけではないし、勝敗を分けるポイントもわかっているので、ここぞとばかりに踏み込みつつ、活きのいい第二集団の選手2,3人を引き連れて、自然史博物館あたりで第一集団に追いつく。
その後第一集団の中でステイしつつ、余計に使ってしまった足を休ませながら馬糞ゾーンを抜けて1周目終了。
■2周目
第一集団といってもまだ60人近く残っている。
最初の150人から比べれば既に半数以上脱落したことになるが、それでも集団としてはまだまだ大きい。
まあシーズン始めで「乗れてない」選手は脱落しているだろうし、そもそも150人は多すぎたのでこれから本格的なレースの開始である。
と思って2周目のシケインに入ると、目の前の選手が特に他の選手にラインを塞がれているわけでもないのに、一人で後輪を滑らしたりして危なっかしい。
もしかしてコイツも乗れてないんじゃないのかと思いつつ、彼とはラインをずらしてシケインをクリアー。
その後、問題なく集団は進み、ウエストドライブを終えて南端の110丁目に突き当たる。
そこから馬糞ゾーンへ入り北へ進路を取るのだが、2車線が1車線にレーン縮小している箇所でクラッシュ発生。
まさしく自分の前方で起こったクラッシュで、急ブレーキをかけるが、完全に避けきることができず、倒れている自転車の後輪に自分の前輪が接触して落車。
幸い、急ブレーキで速度十分に落とせていたので投げ出されることもなく、右側にガシャンと倒れた感じであった。
血は流れていないし、擦過傷もない一方で、首と右足首を捻挫、右膝を内出血、右肩と臀部を軽く打撲していた。
が、レース中はアドレナリンが出まくっていたのか痛みを感じず、「まだレースは終わってない!!終わらせない!!」という気合とともに、すぐさまビンディングペダルをはめて走り出す。
そこからは怒濤の踏みで先頭集団を追いかける。
一体どの程度時間をロスしたのか…、10秒?20秒?
落車時は意外と早く時間が過ぎてしまうものなのでもっとかもしれない…。
馬糞に目もくれず(もともとくれていないが…)一心不乱に鬼の踏みをしていくと…、見えたっ!先頭集団だ!
一気にスパートして72丁目のテラスドライブ手前で先頭集団に合流。
シーズン最初で150人のレースという嫌な予感がまさに的中してしまった感じである。
■3周目
3周目は2周目の回復に努めつつ集団の中でステイ。
集団は速度を上げ、気が付くと集団に残っているのは40人程度にまで絞られている。
そしてファイナルラップの4周目に突入。
■4周目
グッゲンハイムのストレートを駆け抜けてシケインに突入。
ところがシケインの最初の左コーナーに入った際に、コース中央で前方の選手二人が接触クラッシュ。
すでにこっちはコーナリングに入っており急な方向転換は不可能…。
バカヤローと思いながら無理矢理ラインを切り替えてコーナーの外側へ回る。
後輪を2度ほどロックしかけながらも暴れ馬を抑えるようにバイクコントロールして落車せずに通過。
一方でコーナー途中でのブレーキが響いてまた先頭集団から離されてしまう。
三度必死で追いかけることになり、一緒に遅れた中には馴染みのマルコムも。彼の前に出て、「後ろにつけ!」といって一気に踏んでセントラルハーレムのヒルクライムに差し掛かるところで追いつくが、マルコムはついてこれず。
集団で休む暇もなく、自然史博物館付近でウエストサイドを南下しているときに前へ出ようとするが、皆同じことを考えていて出切れず。2周目で落車したセントラルパークサウスのレーン縮小コーナーをクリアしてスピードを上げていく。
集団の右サイドから上がっていこうとしたところ、イースト72丁目のヒルクライムが始まる麓に救急車が。「Slow down!」の怒号が飛び交い、なんと右側の車線に救急車と事故って倒れている選手がいて、左側の車線のみ空いている。ほぼ停止するくらいの速度まで減速しながら必死で抜けれる場所を探していたが、ちょうど前にいた選手が右側車線の倒れている選手とSlow downを呼びかけているマーシャルの間をすり抜けていったので自分もその隙間を通り抜ける。
ところが集団の先頭にいた選手達は既に遙か前方。結局4たび遅れることになってしまったのだが、最後のブレーキはまさにゴール手前で最早追いつくような距離的余裕もない。そこからのクライミングを全力で踏んでいき、何人かの選手を抜いていくが、先頭には届かず。結局18位前後でフィニッシュラインを通過。
■反省と総括
まず、2回のブレーキ、1回の落車を経ても先頭集団に追いつき、最後のストップさえなければゴールスプリントもできていたことを考えると我ながら成長していると思う。
少なくともCat5でクラッシュに巻き込まれてもいないのに千切られてしまった去年の状況とは大違いであるし、しかもCat3に混じってこういったレースが出来たのは今後の自信にも繋がる。
ただ、そもそもブレーキや落車をしてしまったことについて、一言でいえば、もっと集団の前に出るべきであった。
やはり、クラッシュを避ける最善の方法は前に出ることである。
それこそ、先頭を牽いていたり単独で逃げを決めていればクラッシュに巻き込まれることなどないのである。
一方で、プロですらエースは足を温存してアシストに助けられているのに、ドラフティングもなしに孤軍奮闘するのは現実的ではなく、積極的に前に出る姿勢に自分の実力が見合ってなければ力尽きて終わるだけになってしまうので、その鬩ぎ合いがロードレースの妙でもあるのであろう。
ただ、それにしてもクラッシュは多すぎであり、特に救急車まで出動したCat5のクラッシュは悲惨であった。
運営者の話によると、病院に担ぎこまれた3人のうち、その日の夜の段階で1人は自宅療養となったが、2人はまだ入院中であったとのこと。
さらにCat34フィールドでもクラッシュが頻発したことを受けて、次回より100人までに人数制限を設けるとのことである。
ということで、今回はレースレポートに止め、今回のクラッシュとレース参加の是非についての考察とセントラルパークについての考察は改めて行っていきたいと思う。
それにしてもやはりマンハッタンのレースは遠い。自走で往復2時間弱である。まあ全てのレースはその次のレースのためのトレーニングにもなっているので構わないのだが。
最後にPro/12のレースからのワンシーン。リ、リスが…。
いよいよシーズンインですね。レースレポートは読んでいても興奮しました!
返信削除写真を見ると、白ヘルメットの選手が多いですね。日本だともう少しカラフルな気がします。
国によって好みが違うのでしょうかね?
ドラフティングもなしに孤軍奮闘するのは現実的ではなく、積極的に前に出る姿勢に自分の実力が見合ってなければ力尽きて終わるだけになってしまう
返信削除この部分、体験してみないとわからないですよね。
気持ちと脚がシンクロしないんですよね。。
レースレポート今後も楽しみにしています。
はい。やっとというかついにというかシーズンインしました。いきなりクラッシュの連続でしたが…。
返信削除そう言われると多いですね。自分で他の写真を見返してみても、白とか黒が多い気がします。ロードバイクも定番の色が多く、そういう点ではパーツや機材のカラフルさをあまり気にしてないのかもしれません。。。
トレーニングシーズンの効果がきちんと脚に出ているみたいだったので今シーズンはもっと積極的に出てみようかと思っています。目指すはソロの単独逃げを決めて山岳賞もスプリント賞も独り占めすることですかね。そんな芸当を一度でいいからしてみたいものです。
返信削除ご無沙汰してます。打撲は大丈夫ですか?落ちた直後って興奮してるんで不思議なぐらい漕げるんですよね(笑)。今年はレースにチャレンジしてみようと思っていますが、平地で100人同時スタートってヤッパリ怖そうだな~。
返信削除南洋ボケさん、ご無沙汰してます。おかげさまで首の痛みもほぼとれてきて今週末のレースには問題なさそうです。といっても今度は1車線かつ1周1km強のコースで125人同時スタートという地獄のクリテリウムですが…。
返信削除レースぜひチャレンジしてみてください。怖かったり楽しかったり興奮したり面白かったりで病み付きになると思います。