三本ローラーにはない固定式ローラーのメリット

自分が最初に買ったローラー台は三本ローラーだった。

というのも、固定式ローラーに比べて三本ローラーの方が実走感がでること、騒音やスペースの問題が日本だと気になるが、アメリカだと気にしなくて良いこと(というと誤解があるかもしれないが)、が理由だった。

「実走感」の部分に関連するのだが、そもそも固定式ローラーでは前輪が固定されているので単に足の運動だけになる。逆に、実際の走行時には、手放しでもしない限り常にハンドルを握っており、直進しているようでもハンドル、前輪は微動しているので、意識、無意識のうちに、多かれ少なかれカウンターステアをあててバランスを取っているのである。

この点、三本ローラーではそれがシビアに出る。ローラーという不安定なものの上に乗っているので、ハンドルがずれるとすぐに制御を失いかねない(むしろトレーニング商品としては危険なくらい)。そのため、自宅トレーニングとはいえ、常にハンドルを制御するし、そのため腕も筋肉痛になったりする。

実際、自分はロードバイクを始めたばかりの頃は上り坂でフラフラする傾向があったが、三本ローラーに乗ってからはフラフラすることもなくなったと思う。つまり、ハンドル操作から左右のペダルにかかる力具合まで、三本ローラーはバランス感覚、ペダリングスキルを養うのに最適なのである。

一方、固定式ローラーではそのメリットがない。

前輪固定のため、両手を放してバンザイをしても、コマネチをしても、ナハナハをしても、ゲッツをしても、なんでだろ~をしても、ラララライをしても倒れないのである。

(※注:筆者は長い海外生活のため、芸人の回転の速さについていけてません。)

というわけで、三本ローラーの方が良いと思って、三本ローラーを買ったのだった。

つまり、固定式ローラーと三本ローラーは、DSとDS Liteのような上位互換の関係で、三本ローラーが使える環境にあるなら固定式ローラーは不要だと勘違いしてしまっていたのだ。

しかし三本ローラーを使ってみて、それが間違いだったことがわかった。

固定式には固定式にしかないメリットがある。

それは上記で書いた三本ローラーのメリットの裏返しのようなものであるが、まさしく両手が使える、転倒しないというのが固定式ローラーの良いところなのだ。

ぶっちゃけ、ローラーを回すといっても退屈だから、三本ローラーにしても、TVを見たり、グランツールのどれかの映像を流したり、Skypeで誰かと話しながら乗ることが多い。

ただ三本ローラーではかなり「乗る気」が必要だ。

別にやる気がないのではないが、乗ってる間は姿勢は崩せないし、電話がかかってきて手を伸ばせば届くところにあっても取って話すことはできない。大体「何かを見ながら」という受身的なことしかできず、他のことはなにもできない。目が疲れてるときにギューッと目を瞑ることもできない。実際5秒ほど目を閉じながら乗ったときは、転倒して目を開けたほどだ。つまり、三本ローラーは、乗ってる時間が丸々「ほとんど他に何もできない時間」になってしまうのである。

しかし、固定式ローラーであれば自由に両手が使えるので、汗をタオルで拭うことも、テレビのチャンネルを変えることも、携帯ゲームをすることも、本を読むことだってできる。ワイヤレスキーボードが固定できれば、メールやチャットもできるかもしれない。つまり、固定式ローラーは、まとまった時間がとれなくても、気軽に、いつでも、何かしながら漕ぐことができるのである。

四六時中漕いでいたいという変態サイクル野郎にはたまらないアイテムとなるだろう。

というわけで固定式ローラーを注文してしまった。

とりあえずこのエントリは、三本ローラーにはない固定式ローラーの特徴を中心に書いているので、購入した固定式ローラーの個別レビューについてはまたのちほど

固定式ローラーを使用したその後についてはこちら


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