UCIレース日記 第五戦目:発射台

今日は少し暖かい。このまま春に入ってくれればいいのだが・・・。



いつも通り受付完了。と、思ったら今日はテントが赤い(どうでもいいが)。



体が冷えてしまうのでまた慣らし運転をして開始を待つ。と、コンテナの陰に隠れてOutdoor Relief(いわゆる立ち小便)をしている人がけっこういる。イベントフライヤーでは「たっしょんするな」と書いてあったのだが・・・。

出走時間が迫る。すでに五戦目なので慣れたものである。が、緊張感もあってそれがまた丁度いい刺激になって気持ちいい。顔なじみになった黒人レーサーと「昨日は大変な展開だったな」と声を掛け合いながら出走を待つ。実際のところ、昨日の大敗北の悪夢が頭にこびりつき、「今日はついていけるだろうか」という不安があった。



昨日全体を把握できずにいつの間にかドラフティング集団から抜けてしまった反省から、今日は後ろからスタート。全体を見回して出走者、参加数を確認する。というか初めて走ったときには周りを見渡す余裕が余りなかったが、こうして客観的に全体を見れるようになったのもこれまでの経験のおかげと思えば、これまでの失敗や残念な結果も一つ一つ血と肉になっているということか




レーススタート。

集団の真ん中から前方をキープしつつ、ドラフティングの風のトンネルに上手く入って走る

途中でやはり一気に集団のスピードが上がったりすることもあるものの、昨日の経験が役立っているのか、集団の動きに敏感になることで遅れることなくついていく。ただ、途中で前の選手がいきなりダンシングし始めて、彼のロードバイクの後輪右側と、こちらの前輪左側が接触まであと数ミリという冷や汗をかく展開もあった。もっともっとドラフティング技術を磨かねば。やはりレースのドラフティングテクニックを磨くには実戦経験をいっぱい積むことが大事なのだろう

そのまま順調に集団前方に上がっていって、最終ラップ手前の六周目では集団トップ10人の中で自分の位置をキープ。最終ラップでは前から5番手ほど。前から2番目を走って力尽きた前々回よりはマシになってきている。

そして前々回に一気に集団に抜かれていったヒルクライムで、今回は逆に上がっていってその後のストレートで前から4番目をキープ。

と、いきなりスピードが上がり出す。

前との差が3メートル以上離れるとドラフティング効果が薄れる(=どんどん離されていく)という意識があり、ここで離されたら逃げ集団を形成されてしまうという不安からペダルを踏んでついていく。

結局自分含めた3人の集団になり、交代で引いていく。

が、途中で普通に走っているおばちゃんのママチャリが登場(!)し、綺麗なドラフティングが崩れバラバラになってしまい、さらには自分が一番前に出てしまう。今思えば、このときに失速していてすでに逃げ集団は成立しなくなっていたのかもしれない

レース中はとりあえず残り5分という状態、さらに下りの高速区間なので、そのまま自分がトップを走ることに。

走りながら、「今は一人で逃げている状態か、それとも逃げ集団になっているのか、はたまたもうメイン集団に追いつかれているのか」という不安になりながらもひたすらペダルを踏む。

横に伸びる朝日の影でとりあえず後ろに一人ついてきていることはわかったが、その後ろまではよくわからず。

そしてゴールまで残り2分地点、自分はまだ先頭

耳に集中しても風の音で後ろの自転車の音は聞こえず、どんな状態に後方がなっているのか判断がつかない。

ペダルを必死に踏み続けながら、「逃げ集団を先頭で引っ張っているのか、メイン集団を引っ張らされているのか」がわからないながらも、残りは1分ちょっとなので今更ペダルをゆるめることもできない。

残り1分を切ったところでもまだ先頭。が、その直後、後ろから車輪の回転音が聞こえてくる。

しまったと思った次の瞬間に、一列になってスプリントをかけてくる後方選手。結局、自分はまたもや「早く前に出すぎた」状態で、発射台の走りをしてしまっていたことになる。

パワートレーニングでいえば、自分は5分間のVO2Max(レベル5)で、残り1分弱で出てきた彼らはレベル6、7の無酸素運動強度で勝負している状態だった。そんな状態で追い抜き返せることもできず、そのまま集団に抜かれて10位にも入れずゴール。前々回最後に抜いて、前回はドラフティングから外れても抜いた例の黒人選手にも抜かれてしまった。明らかにファイナルラップのペースミス

結果だけみれば、他の選手の発射台になっちゃったなんてなんたる失態。という感じなのだが、前回ドラフティングから外れて大ブレーキを喫した経験、トップカテゴリで後方集団に大差をつけて走っていた逃げ集団を見ていた経験が念頭にあり、実際に逃げ集団がそのまま逃げ切って勝つケースもあるので、そこのあたりの判断スキルがまだまだ未熟で難しく、誤って早めに前に出てしまっていた。

まあ昨日のような燦々たる結果ではなく、いろいろ試して果敢に前に出た結果の敗北なのでこれもまた良い経験であったと思う。

というか最終ラップの先頭引きはババ抜きや椅子取りゲームに近いものがあるなあと思った。結局スプリント前だって、少なくとも誰か一人は先頭を走ることになるのであり、今回はその役を自分がやってしまったということだ。

トレーニングメニューや筋肉計画もスプリント能力を鍛えるようにしなければと今後の課題を設定。

最後に、以下がレースログ。最終ラップもタイム的には早いわけではないので、やはりペース配分、前に出るタイミング判断、スプリント能力がゴールラインの勝敗を分けるのだと感じた。




2 件のコメント :

  1. カベンディッシュ目指して頑張れ~♪
    ��って言うのは簡単だけど、ホント難しそうだね)

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  2. 頑張ります。といってもまたエントリしようと思いますが、自分にはロードレーサーとして欠けている部分があり・・・。目指すならカベンディッシュより合志選手でしょうか・・・。

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