NATO、北大西洋条約機構。
アメリカ、イギリス、フランス、ドイツ等々、28ヶ国からなる世界最強の軍事同盟である。(ちなみに余談だが、NATOの英語発音は「ネイトー」)
そしてその軍事同盟を束ねるリーダー、NATOの事務総長がアナス・フォー・ラスムセン(Anders Fogh Rasmussen)その人。
シビリアンコントロールで軍人の制服組を抑え込む背広組のトップ。
事務総長ほどの要職になれば、VIP用の警護がつくし、私生活でも自分で車を運転しないなど要職ならではの危機管理体制が敷かれる。
その事務総長が、左肩を骨折して公務を行えないとなれば大ニュースである。
彼はこう語る。
"Unfortunately, I had to cancel my trip to Estonia, Latvia and Lithuania this week,"
「不運にも、今週予定していたエストニア、ラトビア、リトアニアへの訪問をキャンセルしなくてはならなくなった…。」
NATO Gen. Secretary wounded his shoulder: he delays all foreign visits
ではこの"Unfortunately"とは何だったのか?
なんとこの事務総長。根っからのサイクリストで、ベルギーの森でマウンテンバイクをしていたところ、クラッシュして骨折してしまったのである。
事務総長ー!!サーベロ乗ってる場合じゃないですよっ!
実は彼、NATOの事務総長をする前は、3期連続、約7年半もデンマークの首相を務めていた、いわばデンマークの顔である。
趣味は自転車。ちなみに現在58歳。
2008年には、ツール・ド・フランスでトッププロが走った翌日に、ラルプ・デュエズを走っている。なんと一年前からそのためのトレーニングに励んでいたとのこと。
しかも、首相在職中に、現役の首相がである。いや、首相っていったらそれこそ秒刻みのスケジュールでめちゃくちゃ忙しくてろくに休みも取れないはずなのに、その休みにロードバイクのトレーニングしてるんですよ、この
首相ーー!いったいどんだけ少年の心なんすか!! (ヘルメットかぶって、ヘルメット!)
その2ヵ月後、ジョージ・W・ブッシュ米国大統領(当時)と、キャンプ・デービッドで行ったイラク戦争後の会談の際にはこんなニュースが。
Fogh og Bush snakkede cykler ved Irak-møde(フォーとブッシュはイラク会談で自転車について話す。)
「首脳会談はイラク戦争の話題から始まったが、その大半は自転車についての話しで終わった」
アナス・フォー・ラスムセン本人もこう語る。
「夏にラルプ・デュエズを走ったことを話したら、ブッシュは新しいマウンテンバイクを買ったっていうんだ」
そもそも反省する気がないというかその必要性を感じていないというか、「自転車の話ししたけど、それが何か?むしろ誇ってます」的な感じである。
で、2人は翌2009年の1月、ジョージ・W・ブッシュのホームタウンであるテキサス州のクローフォードで一緒にマウンテンバイクを楽しむのであった。
うーむ、ラルプ・デュエズにのぼる一国の首相。アツい、アツすぎる!もう、こういう人大好きである。
はたしてラルプ・デュエズに挑戦するような日本の首相は出てくるのだろうか…。
かなり笑いましたw
返信削除でもこういう人がNATOのトップだとめっちゃ親近感がわきますね。
日本では考えられないですな・・・と書こうと思ったらちょっと前に谷垣自民党総裁がロードバイクで
こけて目をパンダにしてたことがありましたね。
ニュースで取り上げられたような気もしますが、大半は「何やってんの?」的な冷ややかな報道だったような・・・。
しかしどういう風にこけたら目がパンダになるのか未だに謎です。
素晴らしいネタありがとうございます.
返信削除いや,大笑いしました.
自分がきちんとできている人ならではって気がしますね.
素晴らしい!
返信削除この記事でNATO事務総長が好きになりましたw
有名人が(真面目に)自転車に乗ってるのを知ると、立場や信条関係無しに好きになりますよね?w
最初読んでいると、また変わったネタを書き始めたな~。
返信削除自分のブログに影響受けたかな?なんて思い違いをしましたが、ラルプデュエズ登る首相のネタとはまいりました。
こういう記事大好き。
谷垣総裁の話しは今知りました。日本のニュースにもちゃんと目を向けていないとダメですね。
返信削除それにしてもネットで調べると、結構本格的に趣味としてやられているようで、ラムスセン事務総長に対抗できる日本の政治家としてロードバイクデュエットでもして欲しいものです。
いやあ、すごい人ですよね。オンとオフの切り替えがしっかりしてます。ビシッとしたスーツ姿もかっこいいですが、レーサージャージ姿も決まってます。
返信削除激務な立場の中で、それでも自転車に取り組んでいる姿には勇気付けられます。
返信削除本業が忙しい中自転車趣味をしてる人たちにとっても、どんなに忙しくても挑戦できるんだという希望になるんではないでしょうか。
このニュースを見たときに、同じ自転車乗りの方々と共有しなければ!と思いました。ラルプ・デュエズに挑戦する現役首相と来たらもう坂バカ中の坂バカですね。
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