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Trekの新型ロードバイクDomaneとMadone

Trekから新型ロードバイク、Domaneが発表された。



Madoneのアナグラムかなにかかよと思ったが、MadoneはCol de la Madoneという、パリはニースの北、イタリア国境近くにある山の名前なのだが、Domane（ドマーネ）はラテン語の王冠という意味とのこと。とはいえ、やっぱり名前はもじってるところがあるんだろうとは思うが…。海外のフォーラムでは、「アナグラムなら、いつかDAEMON（悪魔）というロードバイクに乗れる日が来るんだろうな」といったジョークも飛ばされていた。



一部でMadoneの後継機とも噂されたが、カンチェラーラの要望でクラシックレース用に開発されたもので、いわゆるCobblestone（石畳）レース専用設計といっても良いかもしれない。ちなみに名前のドマーネも元世界チャンピオンであるカンチェラーラにちなんでいるらしい。

石畳と聞いて思い浮かべるロードバイクは、パリ～ルーベにちなんだSpecializedのRouvaixシリーズや、石畳が多いベルギーのレース※にちなんで、同じベルギー生まれで石畳に強いことを謳うRidleyなどである。

��※石畳の激坂が登場するロンデ・ファン・フラーンデレン（Ronde van Vlaanderen）が有名である。ちなみにルーべもベルギー国境のすぐ近くで、土地的にはベルギーに近い。）

レース用とはいえコンフォート仕様ということで、ジオメトリーがコンフォート向けになっていたり、IsoSpeedというシートチューブのサスペンション効果や、IsoZoneというハンドルバーの取替え可能なフォームパッドなどの特徴がある。



で、もちろんメーカーサイトや（大人の事情が介在している）メディア媒体では好意的に紹介されているのだが、ぶっちゃけ個人的には「触手が動かない」モデルである。

少なくとも直近のレースはアメリカ国内の舗装路のレースであるし、石畳のコースを走る予定もなく、むしろヒルクライムに重きを置きたいくらいであるので、CannondaleのSupersix EVOや、先日ご紹介したColnagoのC59 DISCの方がよっぽど魅力的である。

逆に、売れるのかと心配してしまう。

いわゆるレース向けではないコンフォート系ロードバイクは既に出回っているが、レース用のコンフォートにどこまでニーズがあるのか疑問である。

紹介文句で出てくるのは、「Trek Bikes has unveiled the Domane, a high performance road bike designed for the Classics like Flanders and Roubaix.」で、「フランダースやルーべのようなクラシックレース向けロードバイク」なのだが、石畳のレースをメインで走っているホビーレーサーがどれだけいるのかということである。

未舗装道路＆レースと聞いて思い浮かべるのはシクロクロスだが、もちろんシクロクロスはシクロクロス用の自転車を使うわけだから、Domaneはあくまで「舗装が悪いロードレース用」である。自分はこれまで33戦ロードレースを走ったが、そのうち、石畳の区間があったのは2戦のみである。

そもそも、ロードバイクでロングライドをしたいというコンフォート志向の人は多いかもしれないが、レースをしない人（消費者の割合的には大多数を占める）であれば、レース用コンフォートではなくて普通のコンフォートを使えばよい。

まあトッププロのレースシーンでの活躍あればこそなのかもしれないし、新しい試みは大事であるので、新モデルを出すTrekは応援していきたい。

ちなみに名前の通り、Madoneはヒルクライムも含めたオールラウンド向けであるし、フレーム重量もMadoneの方がDomaneより軽いので、引き続き舗装路のロードレースにおけるフラッグシップモデルはMadoneになっていくのであろう。