米国株(中国株)投資録:IPOや!IPO祭りや!

行こうぜ!爆益の彼方へ・・・!!

棚ボタ投資に大事なことは、餅が落ちてくるタイミングで棚の下にいること

今回、米国株のIPOの新規公開株をゲットする機会を得たのでまさしく棚ボタ投資に身を投じる。

搜狗の股票ゲットだぜ!


賢明なる読者のみなさんは「股の票」と聞くと変なイメージを思い浮かべるかもしれない。



が、股票とは中国語で株式のことで、普通話ではグーピャオ、広東語ではグーピウと発音する。

なぜ「股」なのかはよくわからないが、それは日本の株式がなぜ「株」なのかわからないのと同じ感じだろう(ちなみに株の語源は「切り株」かららしい。

ということで今回上場するのは中国大陸第2位の検索エンジン企業、搜狗(Sogou)。

中国の企業ではあるがADS(米国預託株式)として米国市場(ニューヨーク証券取引所)に上場する。

ちなみにADSとは外国企業(=米国外の企業)が米国市場にドルベースで上場して取引される株で、普通に上場している米国企業と同じように取引できる。

日本でもNTTやメガバンク、ソニー、トヨタ、日立などの大企業がニューヨーク証券取引所にADSとして上場している。

そのため、米国株ではあるが、実質的には中国株としての側面を持つことになる。

IPOの流れと棚ボタ条件


投資をされている方には耳タコかもしれないが、まずはIPOの流れについて解説しておきたい。

IPOはまず募集受付、次に申し込み、そして抽選を経て割り当てが実行される。

最初のハードルは募集受付の対象になること

基本証券会社ごとに割り当て枠が決まっているので、主幹事証券でなくても割り当て枠を持っている証券会社の口座を持っている必要がある。

次のハードルは、募集されたタイミングで申し込むだけの余裕資金を確保していること。

資産のほとんどを長期投資にしていて他の株やETFを保有中であったりすると、余剰資金がないのでそもそも申し込みをするだけの買付余力が手元にないという事態に陥る。

幸か不幸か、自分は株取引を全くやらず、保有中の株式もゼロなので全力で申し込むことができた。

そして3番目のハードルは、抽選に当選すること

抽選といっても完全な運ではなく、例えば日本の証券会社だと営業マンと懇ろであったり、実質的なキックバックとして投資信託をその分買ってあげたりとイヤラシイ感じの努力をしないといけないらしい。

今回はオンラインベースの申し込みなので営業マンとの人間関係もなにもあったものではないが、以下の条件で優先的に分配されることになっている。

  1. 過去三ヶ月に中国企業のADRを取引した経験があること
  2. 過去三ヶ月に中国企業のADR取引高が多いこと

上記で「幸か不幸か」と書いた通り、株取引を全くしていないだけにそもそも中国企業ADRの売買はゼロ・・・。

つまり優先順位的には圧倒的最下位となる・・・。

ということでできるだけ多めに申し込んだものの、割り当てで最低順位となり結局ゲットできた公開株は100株のみ。

公開価格は13ドルだったので1,300ドル分(≒14万7千円)となった。

そして最後のハードルはその銘柄が新規公開で上がるかどうか・・・

IPOの新規公開株というプラチナチケットを手に入れたからといって絶対に儲かることが保証されたわけではないので要注意。

実際、IPOで上場後に死に体になった残念銘柄も多く、どのように戦うのか戦術が求められる。

IPO戦術と最近の残念銘柄


それでは最近のIPOでその後失速した残念銘柄を見てみたい。

まずは今年の3月2日に上場したスナップチャット(ティッカーシンボル SNAP)。

10秒以内に消えるメッセージをやりとりする次世代チャットプラットフォームとして若者層に人気のイケてるアプリのはずが、株価はクソダサい・・・

上場時の高値を超えることなく低迷・・・。



次に今年の6月29日に上場したブルーエプロン(ティッカーシンボル APRN)。

ネットを使った食材配達サービスで、食材の配達からレシピまでをトータルサポート。こちらもAmazonがまだ席巻できていない食品市場を先に制し、Amazonキラーとなる可能性を秘めたイケてる次世代サービスとの売り込み。

150の契約農家から厳選された食材を配達ということで意識高い系消費者の支持を得ていたはずだったが株価はクソダサい(なお、Amazonがホールフーズを買収したのはその後8月のこと)。



上場日に11ドルの高値をつけたあと低迷・・・、今や株価は当時の3倍以下という転落ぶりである。



もちろんIPO後も上昇した銘柄もあるが、上場後保有し続ければ普通の株式としての上下動に巻き込まれることになり、確実性の高い儲け話ではなくなってしまう。

「IPO株、数ヶ月経てばただの株」

先物の短期投機なら冒険することもあるが、IPOのような乱高下銘柄で長期投資をするのは自分の投資スタイル範囲外。

ということで戦うなら超短期勝負。

フリッパーになって初値で売り抜けるか、初値直後の乱高下で売り抜けるか、どちらにしても1日以上保有しないと決めておく。

戦術が決まったら次は今回の搜狗がどうなるかを分析しておく。

アルファ分析


まずは搜狗自体の業績だが目論見書(Prospectus)に目を通す。

検索エンジンとしてテンセントのWeChat検索に使われているのも強みだが、デファクトスタンダードとなっている入力ソフトを握っているのも強い。



そして親会社の搜狐(ティッカーシンボルSOHU)の株価を確認。上下はあるものの、基本順調。



ちなみに搜狐は株主としては第2位で、搜狗の筆頭株主は中国通信大手のテンセント

WeChatやQQといったキラープラットフォームを有するテンセントの株価は大好調(ティッカーシンボルTCEHY)。



キャッシュレス決済が急速に普及している中国で、シェア2位となるWeChatペイも保有している。

そもそもテンセントほどの規模であれば中国の国策企業といっても過言ではなく、国家の後ろ盾がついている。

さらに上場日の11月9日はトランプ訪中の最中で首脳会談が行われ、米中友好ムードの中での上場というナイスタイミング。

逆に言えばこのタイミングで初値割れ&暴落とでもなれば中国の面子丸潰れである。



675万株分のグリーンシューもあるし、国家の威信にかけて初値割れは起こさないと思われる。

ということで日経平均を買い支える日銀という日本の例と同じく、官製相場たる様相を呈して暴落しても買い支えが入ると期待。

ベータ分析


そして市場全体の地合いも十分。

ダウは連続して史上最高値を更新中。



しかもその高値はハイテク関連株主導ということでセクターとしても申し分なし。

同じくハイテク検索のアルファベット(グーグル)もまだ上昇基調の中。



まさに、今IPOせずにいつIPOするんだという地合い。

そして万全を期して上場日当日を迎える・・・。

11月9日午前9時35分


9時半を迎えてマーケットオープン。

搜狗がオープニングベルを鳴らす。



ここまでダウは史上最高値を連続更新してきて完璧な地合いだったのだが、あろうことか100ポイント以上の大幅マイナスでスタート



IPOはいつものごとくまだ寄り付かず・・・。

ただVIXも急騰しているこの急落日のタイミングということで爆騰はなさそうだ。

11月9日午前10時44分


なんと10時半頃に寄り付いた初値は公開価格と同じ13.00ドル!

初値で売らなくてよかったと思いつつ推移を見守る。

IPO銘柄らしく、新規公開後の爆買いが入って急騰!!

ここで公開価格15%増の14.95ドルで指値を入れる。

どんどん急騰していき14.55ドルに・・・!!



この勢いならすぐに指値注文が食われそうだ・・・と思ったその直後・・・・

11月9日午前10時46分


たった1分で買いが止む・・・。

これまでの買いがウソのように急落して2分後には14.11ドルまで下がった。



IPOの上場直後は買いが一気に入るからこそ、逆にその勢いが止まると一気に下がる

上昇圧力が弱まったと見るや公開株ホルダーも一気に売りに回るのでその売り圧力たるや想像を絶する。

こりゃ、あかんやつやと思ってこちらも一気に切り下げて売り注文。

14.17ドルで売っ払らうことに成功・・・!

11月9日午前10時56分


10分後、下げ圧力はとどまらない・・・!

13.73ドルまで下落・・・!!!



まさしくナイアガラ・・・!

フリーフォールやあ!!! (゚Д゚)

11月9日午前11時17分


さらに20分後、まだまだ下げは終わらない!!!

死屍累々・・・。

死して屍拾うものなし・・・。

夏草や、兵どもが夢の跡・・・。



11月9日午前11時17分


小幅上下はするものの、結局その後は停滞したまま13.51ドルでクロージングベルを迎える。



こうしてみると14.17ドルで売り抜けたのは英断であった・・・!!

ただ割り当てがたったの100株だったので、こんなに精神をすり減らして激しい戦いをした割には儲けはたったの117ドル。手数料や税金を除けば1万円ぽっち・・・。

はぁ、、疲れた・・・。

やっぱり投機は自分には合わないなぁと実感したのであった。


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