GarminのVO2Maxはランでは役に立つか

ランのログもそれなりに貯まってきたことでVO2Maxといった数値類を確認できることができるようになった。

ちなみにVO2Maxは自転車でもランでも使われる指標なのでパフォーマンスの比較ができる。

現時点の自転車のVO2Maxは67ml/kg/min。



40kg台だった頃に比べれば見る影もないが、体重が分母に入っている以上、15kgリバウンドしたあとでこのレベルで踏みとどまれているのはマシな方だと思う

一方でランのパフォーマンスをベースに算出されたVO2Maxは50ml/kg/min。



ちなみに自転車でもVO2Max対応のパフォーマンス参考表があるものの、ランの場合はもっと精緻にマッピングされている。



というのも、自転車の場合、そもそもランのマラソンのように、客観的かつ全世界的に共通の指標がないからだろう。

例えばマウントワシントンを何分で登るとか、乗鞍1時間切りとかも、参加している人には比較参考になるが、アメリカやヨーロッパのローディーに「Norikura」のタイムで話しても通じない。

まだヒルクライムでは(勾配の違いで誤差は出るが)VAM(velocità ascensionale media、1時間あたりの獲得標高)という指標があるものの、平地やアップダウンも多いロードレースやTTでは客観的かつ共通の指標は難しい。

もちろんFTPはドラゴンボールの戦闘力的な参考指標にはなるが、常に一定出力のFTPがそのまま通用するのはちょうど1時間で走りきれるタイムトライアルくらいで、アタック合戦やブリッジ、時には集団の中で休んだりと、状況に応じてパワー出力を変化させる必要があるロードレースでは参考程度にしかならない



そう考えるとマラソンというのはすごい。

サブ4とかサブ3という単語は共通して通用するし、42.195kmという距離も全世界的に統一基準となっている。

自転車でそれに相当するのは40kmタイムトライアルくらい※だろうが、ロードレースやクリテリウムも多いローディーの世界で「40km TT」はごく一部の競技フィールドでしかなく、ランナーのうちのマラソン参加者の多さに比べると市民権を得ている共通指標ともいえない(※例えばアメリカで州毎に開催されるステートチャンピオンシップはほぼ40kmで設定されていることが多い)。

そしてそのVO2Maxを使ったパフォーマンス表となっているのが以前本ブログでも取り上げたジャック・ダニエルズのVDOT。

use VDOT values to separate the runners; performance over other distances could be used to determine starting points in a race that the runners have not even run before.


なお、「VDOT」とはVO2Maxの正確な呼称であるV.O2MaxのV.(V dot)から取ったものらしい。

Instead of referring to this pseudo VO2 Max (the one based strictly on performance) as VO2 Max, we use the term "VDOT." VO2 Max is properly stated "V-dot-O2Max." By placing a dot over the V, we’re identifying the rate of oxygen uptake—that is, the volume of oxygen consumed per minute. We shortened V-dot-O2Max to VDOT. This way, each runner has a reference VDOT value: a single number that’s easy to work with when comparing performances. This system is also ideal for setting training intensities because intervals, threshold runs, and even easy long runs and marathon-pace runs are best performed at specific fractions (or percentages) of each runner’s VDOT.

Threshold Training: Finding Your VDOT

このVDOT表をベースに、VO2Maxから各距離(10kmやハーフやフルマラソン)の予想タイムを紐付けることができる。

ということでVDOT 50を見てみると・・・フルマラソン3時間10分!?



なんという嘘800・・・。

10km50分すら切れないやつが42.195kmを190分で走れるわけがない。

自転車でいうなら5分全力250Wを出せないやつがFTP250Wを出せるわけがないのと同じである。

うーん、とりあえずハッキリしたことはGarminのVO2Maxはあてにならないということだった。


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