マーケットのコロナショックを導く3つの理由

1293.96ドルの大幅反発を見せた株式市場。



先週の総悲観相場が嘘のよう・・・。

新型コロナウイルスの感染拡大への恐怖が、米金融市場を覆っている。米主要企業でつくるダウ工業株平均は週末2月28日、前日比357ドル安の2万5409ドルで終え、7営業日連続での下落となった。週間(5営業日)での下げ幅は計3583ドルと、2008年のリーマン・ショック後を超えて過去最大を記録した。原油安や金利低下も歴史的な勢いで進んでいる。



NY株コロナショック 週間最大の下落、恐怖指数も急騰

では今日明日の株価ではなく、数ヶ月~半年くらいのスパンでこのまま持ち直すのかというと、3つの理由から個人的にはノーだと思っている。

理由1:隠れコロナの存在


いわゆる「隠れコロナ」がまだまだいるということ。

たとえば1月31日に発表された香港大学の研究論文では、推計と公式発表で7倍の開きがあると指摘されていたが、2020年3月2日時点で中国の感染者は8万人で、ちょうど当時言われていた推計の数字と近くなっている(が、この数字ですら統計基準を複数回変更後のものなのでどこまで実態を反映できているかわからない)。

1月31日に発表された香港大学の研究論文によれば、肺炎が最初に発生した中国湖北省武漢市では感染者数が7万6000人近くに達している可能性がある。中国政府が発表した公式な推計値を大きく上回る数字だ。

香港大学医学部のガブリエル・リアン学部長率いる研究チームの推計によれば「1月25日までに武漢では7万5815人が感染した」という。

中国政府は3日、新型肺炎による死者は361人に達し、感染者は計1万7205人になったと発表した。このうち湖北省での感染者数が1万1177人だという。

武漢の新型コロナウイルス感染者は公式発表の約7倍?──香港大

イランでは死亡者数が中国に次いで2番目なのに、政府発表の感染者数は低い(=異様に高すぎる致死率になってしまっている)ということで情報の透明性に不安をもたれている。

イランでは感染者の致死率がおよそ11.4%と、他の地域と比べ高い数値ですが、専門家からは、イランが実際の感染者数よりも少なく発表しているためだとする指摘も出ています。

WHOの緊急対策チームは「ウイルスはイラン当局に気がつかれずに感染し、拡大した。私たちが想像する以上に感染が全国に広がっている可能性もある」としています。

イラン、副大統領も新型肺炎に感染 政府発表よりも感染拡大か

感染者数ゼロを貫く(?!)北朝鮮はともかく・・・、

中国・武漢(Wuhan)で発生したCOVID-19は、世界に広がっているが、北朝鮮政府は中国の近隣諸国の中で唯一、感染者がいないと主張し続けている。しかし、専門家らはこの主張に懐疑的だ。

感染者「ゼロ」の北朝鮮、新型コロナウイルスで「異例」の対策

日本でも同じようなことが指摘されており、「軽度の場合は病院に来るな」ということだが、軽度の感染者からは感染が広がらないわけではないので、実際の数字と公式発表数字はどんどん乖離していく

新型コロナウイルスの感染拡大を受け3月2日、政府の専門家会議が会見し、道内感染者は推計940人に上るとの考えを示しました。

メンバーの一人、北大医学研究院(理論疫学)の西浦博教授が2月25日の時点の調査で940人に上る試算を示し、「(公表されている)道内感染者は77人だが、推計と10倍のひらきがあり、軽症で若年層に広がっているのでなければ整合性がつかない」と述べました。

"新型コロナ"最多77人の北海道…推計感染者940人「軽症で若年層に広がっている」 政府の専門家会議

自分が住んでるアメリカも例外ではなく、ハワイ帰りの日本人が感染者だったことからもすでに広がっていると個人的には思っている。

アメリカではインフルエンザが猛威を振るい、すでに1万4000人以上の死者が出ています。しかし、そのなかの多くが新型コロナウイルスの感染者だった可能性が出てきました。

アメリカではインフルエンザが猛威を振るい、今シーズンはすでに患者が2600万人、死者は1万4000人にも上っています。そんななか、アメリカの感染症対策の司令塔であるCDC(疾病管理センター)から驚くべき発表がありました。インフルエンザの疑いのある患者から集めた検体を調べたところ、実際にはインフルエンザではなかったというものも多く紛れていたそうです。すでにニューヨークやロサンゼルスなどの大都市で大幅な検査体制の見直しが始まりました。感染の実態が把握できていないのには、アメリカのこんな事情もあるようです。

アメリカでは2018年時点で2750万人が健康保険に未加入。加入している人でも医療費が高額なため医者に行くのをためらい、症状が出ても自己診断に頼る人が多いそうです。CDCは直接は言及していませんが、アメリカでも新型コロナウイルスの感染がすでに拡大している可能性を指摘する声が上がっています。

インフルと思いきや新型コロナ?米の医療事情ネック

まあさもありなんで、先月子ども二人がインフルエンザにかかって医者にいったら保険適用後で診察代、薬代合わせて10万円近くかかった。小さい子がいるうちはもう必要経費として覚悟して積み立てているが、そうでなければできるだけ医者にはかかりたくないというのが本音である。

ちなみに歯医者も例外ではなく、去年1年間で歯医者に払った医療費は20万円を軽く超える(もちろん保険適用後・・・その保険も毎月5万円くらい払う)

幸か不幸か(いや、不幸か)、自宅待機を推奨する日本政府の方針をすでに国民自ら率先して実施しているのがアメリカの実情といえるのかもしれない。

アメリカのような「自発的に病院に来ないから実態が掴めない」場合に加え、政府としても風評被害や経済影響も考えて実態より少ない数値を公表することに対してインセンティブが働くため、公式発表の数字で上げ下げしている株価に対して実際の数字が後から効いてくる可能性がある。

理由2:コロナショックと実体経済影響の乖離


次に、まだコロナショックは最初のInitiationの段階で、実体経済への影響は始まったばかりということ。

世界三大投資家のジム・ロジャーズはこう語る。

No, I will just say it will be the worst in my lifetime. It has been over 10 years since we had a serious bear market in the United States. I would suspect by the end of this year or next year, it will start. These things always start small, where people are not looking and then they work to the major markets, and then you see them on the major news.

In 2007, Iceland went bankrupt but nobody noticed or cared. Then Ireland went bankrupt. Then a few weeks later, Bear Sterns went bankrupt and a few weeks later Northern Rock, the English Bank, went bankrupt. Then eventually Lehman brothers went bankrupt and by then, everybody knew there was a problem. But it had been there for over a year and it has always worked that way. It starts when we are not watching. It has already started. Latvia collapsed. Argentina, Venezuela, Turkey, some banks in India are having problems, Indonesia has started having problems. It has not made to evening news yet.

All these markets are small but until they make it to the big markets, people do not notice.

The Next Bear Market In Stocks

当時で言えば(まだ誰も気にも留めてなかった)2007年のアイスランド状態で、これまでのバブル経済の崩壊の歴史になぞらえるなら、倒産が(今でも少し出始めてるが)世界的にがんがん出てきて、どこかの大企業が(Lehmanのように)スケープゴートで潰れて、私企業を救うために国民の血税を投入するのか云々というお馴染みの議論が巻き起こってから政府が救済措置に入って株価が底を打つという感じか。

理由3:空前絶後のバブルはいつか弾ける


そして最大の理由が、そもそも現在の株価はバブル真っ最中であるということ。



しかも史上最高値という水準で。



これが中身を伴ったものならいいのだが、実際の企業収益と比べて、株価が一方的に跳ね上がって実体経済との乖離が広がっているのが問題



乖離はいつか修正され、コロナショックはそのきっかけにしか過ぎない。



たとえるならパンパンに膨らんだ風船の状態

コロナショックでも、貿易戦争ショックでも、最初の一針はなんでも構わず、マーケットは単に乖離を収束して終息させるきっかけを待っているだけなのかもしれない

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