ヒルクライム用の体重ダイエットと自転車重量の軽量化が及ぼす影響分析

ブロンプトンでヒルクライムして思い知ったのは、軽量化の大切さである。

それは自分自身ではなく、自転車自体の・・・。

体重が1年で10kg以上減ったせいか、体感レベルでも自転車重量による重力抵抗をこれまで以上に感じるようになった。

海外自転車雑誌のひとつ、Bicyclingの7月号での特集を思い出させる。



物理的な視点から自転車にかかる様々な抵抗やコーナーでのRの違いによる進入角度などを特集したもの。



コーナーでのカーブ時にかかる向心力(いわゆる遠心力(横G)と逆ベクトルに働く力)や、



前回のエントリで触れたインピーダンス抵抗も取り上げられている。



そしてヒルクライマーにとって気になるのは勾配の変化で空気抵抗、重力抵抗、転がり抵抗がどう変わるかを特集したこちら。



240Wという一定出力※で、勾配が0%~16%まで変わった際に、その240Wが空気抵抗、重力抵抗、駆動抵抗(路面抵抗、転がり抵抗)にどれだけ使われるかの分解と、その際の速度が表にされている(※計測誤差か単に四捨五入によるズレなのか、勾配によっては合計が240Wに完全一致しないものもあるが)。



これを見ると分かる通り、いわゆるヒルクライムレースで出てくるような勾配では、重力抵抗が大半を占めることがわかる。

なお、舗装路を走るロードバイクでは、乗鞍の平均勾配6%で80%、ホワイトフェイスの8%で87%、富士国際ヒルクライムの10%では90%が重力抵抗のために使われることになる



ちなみにマウンテンバイクでは路面抵抗が大きいため、平均勾配6%での重力抵抗が占める割合は71%と落ちるが、それでも空気抵抗はもちろん路面抵抗も勾配が上がるほど低くなるという物理法則は変わらない。



重力抵抗をさらに人間と自転車に分解する


上掲の自転車雑誌、Bicyclingの重力抵抗は人間と自転車含めた総重量※にかかる重力抵抗なので、人間は77kgと50kgの2パターン用意して、人間と自転車それぞれに必要な重力抵抗出力に分解してみるとこのようになる(※Bicyclingの240Wのテストケースは体重77kg、自転車7.7kgの場合)。



その結果、自転車が総重力抵抗に占める割合は、77kgの場合9.1%(=19W ÷ 213W @8%)と一割を下回るのに対し、50kgの場合は13.3%(= 19W ÷ 145W @8%)にまで跳ね上がる

つまり、体重が軽ければ軽いほど自転車重量のために使う出力割合がより必要になることがわかる。

なお、体重が軽いほど絶対的な筋肉量も少なからず減ってしまうし、ペダリングに活用できる重力も小さくなってしまうので、1ワットの重みがより重要になり、結果、数ワットの違いだけでも自転車重量の差により無駄になってしまうことの影響は大きい。

ということは、ダイエットして体重が軽くなったヒルクライマーこそ、真剣に自転車本体の軽量化に取り組むべきなのである。

痩せる前までは「100グラムの軽量化に何万円も注ぎ込むくらいなら痩せた方が早い」と自分を納得させて物欲を抑えてきたのだが、幸か不幸かその言い訳は通用しなくなってきた・・・。

タニタの体脂肪計ではアスリートモードで体脂肪率5%、通常モードでも6.9%と、そろそろ体重減少の伸び代もなくなってきた。

今こそ財布の紐を緩める時なのか・・・。

それに去年まではタイムトライアルの方がヒルクライムレースよりもよっぽど参戦していたので、むしろエアロ効果の方を考えていたが、絶対出力の低下で最早ヒルクライムでしか勝負できない体になってきてしまっている。

それならいっそヒルクライム専用機という視点で本格的に軽量化に取り組んでみるか・・・


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