事故の記録その6:ただ、ひたすらに…

長くなってしまった事故の記録であったが、何とか今回で一応完結である。

今後も触れることがあるかと思うが、とりあえず次回のエントリからは通常のエントリに戻りたいと思う。


■事故当日、その後

怪我をした当日、帰宅後にそのまま寝て午後1時半ごろ起きる。

元々キャンプに行く予定であったのだが、キャンプといっても子供のように遊び回るわけではなく、ホテルでゆっくりする分には問題ない一方で、ただでさえ少ない三連休に家族の予定を台無しにすることはアメリカの家族文化ではNGなので、なんとか頑張ってキャンプへ行くことに。

ちなみに日本では金曜夜に会社の同僚と飲みに行くということもよくあるだろうが、こちらでは金曜夜からは既に週末の家族サービス時間。仕事仲間と飲みに行くのも金曜に設定したりする。

ということで走り回ったりする気はさらさらないがキャンプへ参加。というかただでさえ自転車に否定的な家族なのに、事故に加えて週末予定すらオシャカにしたとあっては無期限禁止を言い渡されかねない

もともとキャンプにはブロンプトンでも持っていってみんなが起きる前にサイクリングでもする気でいたが、事故でそんな余裕もなく手ぶらで行くことに。

ただこれまで体調が悪い日も、ノロウイルスで苦しんでいた日も、一日も休まずペダルを回していた身としては、ある種、ペダルを回すことがゲン担ぎであり、自分のコンディションを保つ自分なりの方法でもある。



確かに一日くらい休んだってどうってことないかもしれない。だが、自分は弱い人間であることを自覚しているので、その「一日くらい…」に甘えて堕ちていくのは避けたい。この流れを止めてしまうことでペダルを回す感覚が鈍ってしまうことの方が問題であると思う。なぜならサイクリストはペダルを回すことでしか前へ進めないからである。




■二日目

ということで事故の翌日、ホテルのジムでエアロバイクを回してみる。

脚自体の骨、間接、筋肉には痛みはないので問題なく回せるが、汗をかくほど傷が染みて痛くなる。心拍が上がって頭に血が上ると右目の内出血にも響くので30分も経たずに終了。リハビリのような感じで終わった。

その日の午後、キャンプ場で一緒に参加した方が持ってきたロードバイクに乗せてもらう。が、でごぼこ道で振動が来る度に頭痛が走る

唾の中にもまだ血が混じり、これは内出血が治まるまで実走はやめておいた方がいいなぁと実感するのであった。




■三日目

事故から三日目。

キャンプ場とホテルをあとにし、一路ニューヨークへ。

と思ったら、ショッピングモールへ連れていかれる。

こちらがそのThe Crossing Premium Outlets。数種類のアウトレットが合体した大型アウトレットモールである。



こちらはアウトレットの一つ、Coldwater Creek Outlet。



ちょうど着いたのがお昼過ぎだったので昼食。アメリカンな感じのメニューである。



最初はそこで飯でも食って帰るのかと思ったら、女性の買い物好きに付き合わされ、自分は歩き回るのも面倒なので椅子に座って休む。



ぶっちゃけアウトレットのショップにはサイクルジャージも売ってなければ、靴屋にはビンディングシューズも売っていない。もちろんサイクルショップもない。というわけで自転車バカの自分にとっては興味がなく、ひたすら買い物を待つこと4時間…。そう、4時間もただひたすら人の買い物が終わるのを座って待っていたわけである…。(涙)

夜10時頃帰宅するが、まだ今日はペダルを回していない。

アクティブリカバリーがてら、Tacxでベルギーのタイムトライアルコースをゆっくり漕ぐ。

振動がなければそれなりに漕ぐことができ、40分超漕いで終了。

なにはともあれ、内出血が収まらなければ次の日の朝のチーム練習は厳しそうである。


■四日目

すでにチームメンバーには、チームのフォーラムで事故ったことを伝え済み。

ところが朝起きると内出血は収まっていたので、試走がてら外に出てみることに。

朝練でチームメンバーと集合。ジム、エリック、ジェフら馴染みの面々と落ち合ってライド開始。

この日はヒルクライムスプリントを繰り返すインターバルトレーニング



だが予想以上に脚が回り、4人いたメンバーの中で上位でヒルクライムを終えることも多かった

チームメンバーからは「お前は怪物だ」との有り難いお言葉をいただく。

というか早朝のプロスペクトパークを走っていて感じたのは、やはり風の中を走るのは気持ちがいいということ。

眩しいほどの朝焼けの中、仲間と一緒にトレーニングに興じるのもまた一つの幸せである。まさに怪我をして、走れなくなるかもという不安があったからこそ、その有り難みが実感できる



この地上を滑空している快感が、例えクラッシュしようと、アバラを折ろうと、病院に運ばれようと、それでも自転車にいざなう麻薬のようなものなのだと思った。




6 件のコメント :

  1. もう走り出しているんですね。
    良かったです。
    大きな落車した後の恐怖感はないのでしょうか…。
    かもめ☆チャンス読んでいるんですね。
    アメリカでも手に入るものなんですか?

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  2. ありがとうございます。
    走る恐怖というより、以前のように走れるかという恐怖がありました。
    トラウマのように事故を起こした現場で思いっきり踏み込めなくなるんじゃないかという不安もありましたが今のところ大丈夫なようです。
    逆に走ること自体に対しては、また事故を起こす恐怖より自転車に乗る楽しみの方が大きかったというところでしょうか。
    ニューヨークには三省堂やブックオフもあるので意外とコミックス系は手に入りやすいです。
    ブックオフのコミックコーナーでひたすら立ち読みしている日本人もいて、日本と変わらないなぁと思うことがあります。

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  3. アメリカでも日本と変わらないなぁって場面あるんですね。
    なんか安心しますね。
    1up usaの公式HPにて注文したらメールで、日本には配送できないよ~って返事着ました。
    どうやら無理そうです…

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  4. なんと。海外発送してくれないんですね。それなら発送先のフォームでJapanを選択できないようにしておいて欲しいですが…。
    私は純粋な固定ローラーは1up USAしか体験したことがないのでなんともいえませんが、確かに静音性は高いと思います。
    一方で今使っているTacxのFortiusは、電源モーターで勾配を再現するので1up USAと比べると随分うるさいです。まあその分、PC連動だったり勾配シミュレートだったりの機能がついているので文句は言えませんが。

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  5. 発送できないのになぜjapanも含まれてるんでしょうね…
    雑誌で静かと評判だったTacxのsatoriも動画で確認すると予想以上にうるさかったです。
    おそらく1up usaが静音性ではNO1な気がします。
    動画で確認した時は1up usaが一番静かでした。
    何とかして手に入れたいので、他にも入手方法ないかもう少し探してみます。

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  6. 私も少し調べてみましたが、確かにeBay等でも海外発送しているところは見つからないですね。
    お知り合い等でアメリカに来られる方に頼めると一番確実なのですが…。

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