そのうちの1つがヘルメットである。
というのも、さる7月2日の事故によってSpecializedのヘルメットが割れてしまったからである。
初めて買ったロードバイクのSpecialized Tarmac Eliteと同じ日にバイシクルハビタットで買ったのがSpecializedのヘルメットであった。
その後GiroのIonosを買ったが、そのシンプルさから結局レースのときもSpecializedのヘルメットを被り続けた。
■ヘルメットは2つ欲しい
この点、ヘルメットは安全面でいえば間違いなく自転車の中で最も重要なパーツである。
そして、事故を経て感じたのは、ヘルメットは二つは欲しいということである。
一度でも頭を打ったヘルメットは、たとえ見た目は凹んでいなくても安全性に問題が出るため被るべきではない。少しでも中の発泡スチロールが凹んでしまっては元々の衝撃耐性を保てなくなるからである。つまり、頭を打つような転倒、事故をした後に、もう1つスペアのヘルメットがないとすぐに自転車に乗ることができず、ヘルメットの入手待ち状態になってしまうのである。
もちろんニューヨーク州では13歳以下にヘルメットの着用義務があるので、被らなくても自分は自転車に乗ることができる。(お隣のニュージャージー州では17歳以下は着用義務がある)
が、実際の事故でヘルメットが自分の頭の代わりに割れてくれたことを体験してしまうと、ヘルメット無しでスピードを出すのは文字通り自殺行為である。
つまり、毎日自転車トレーニングをする限りは、ヘルメットは2つはキープしておきたいのである。
さらに、もう1つの理由として、軽量ヘルメットが欲しいというのがある。
ぶっちゃけGiroのIonosは重い。
軽いヘルメットは乗車時の首への負担や、ヒルクライム時における(付け焼刃的な(笑))軽量化だけでなく、切実な問題として、旅行時の荷物を少しでも軽くしたいのがある。
ということでヘルメットの追加購入を決めたのであった。
■比較
軽量ヘルメットで200g前後まで軽いものとなると、SpecializedのPrevail、GiroのProlight、そして我らが日本のOGK Mostroが候補になる。
Prevailは、「あなたが今手にしている雑誌より軽い」と自転車雑誌に広告を載せるほどである。
GiroのProlightも軽いが、あまりかっこよくない。かっこよくないという言い方は語弊があるが、正確に表現すると、「デザイン的に廉価モデルのヘルメットのように見える」ということである。
そして、そもそもの問題は、現在使っているGiroのIonosでもそうだが、側頭部の形が自分に合っていないということが問題である。まあ簡単に言うと、頭でっかちで100%アジア人型の頭をしている自分にとって、欧米人向けのヘルメットは合わないのである。
ということで、自分も日本メーカーのOGKにしようと思ったのであった。
■OGKについて
ぶっちゃけアメリカではOGKを被っている人を見かけることはほとんどない。
自分が知っている限り、レース会場でOGKを被っているレーサーを見たことは一度もないし、チームメンバーでもいない。
つまり、日本とは逆で、ことアメリカにおいては、OGKのヘルメットは「人と被らない」自分だけのヘルメットとしてインパクトが強く、個性を出すには最適なのである。
どのモデルを買うかについては、OGKのラインナップとして、モストロ(Mostro)、レジモス(Redimos)がある。
モストロには色違いのAcuto(アクート)、Vigor(ヴィゴール)、Flare(フレア)の他に、2011年モデルとして作りが改善された一方で少し重くなった(Sサイズでは15グラム、Lサイズでは20グラム増)MS-2というモデル。一方Redimosは2010年に新登場し、本物のカーボンを使ったトップモデルである。まずはモストロかレジモスで選ぶことになる。
■サイズの試着について
ただ、自分に合うサイズがわからないので、実際に被ってみないとなんともいえない。特にヘルメットでは単なるcmのサイズ表記だけでは頭の形までは表せないので、サイズの試着ができないことが致命的な問題になってしまうのである。
ところが幸いなことに、日本人のロードバイク仲間がOGKのモストロで通勤している。
ということで彼のヘルメットを被らせてもらう。モストロのアクートモデル。
サイズはLで、少しだけ側頭部が緩い気がするが、冬に帽子でも被ることを考えるとジャストフィット。前後もまったく問題なし。これで少なくともモストロシリーズであれば、Lサイズでミラクルフィットすることがわかった。
一方のレジモスも、ニューヨークの自転車仲間で持っている方がいたのだが、日本に置いてあるということで試着は叶わない。どうやら、Lサイズで普通に入るということだが、自分の頭は人並み以上に丸みを帯びた日本人型なので不安が残る。
この点、ネットでもヘルメットの形が欧米人向けに変わっているとのレビューが見受けられる。
「モストロは日本人向けと謳っているだけあってジャストフィットだったのに、レジモス
はMETと同じような欧米人向けの縦長サイズに なってしまった感じです。グローバル
市場向けに型を変えたのかも知れませんが残念。」
「お前いつGIROに身売りしたんだよってぐらい欧米頭向けになってやがり、若干怒りが
込み上げてくるわけです。とりあえず怒りを抑えてXLをかぶると、超でかい!」
そして注目すべきはこの記事である。まだレジモスが登場する前、OGKのインタビューで、「欧米人向けの新モデルを開発中」とある。おそらくこれが「頭の形が変わった」とレビューされているレジモスのことであると思われる。
いくつかのプロチームへコンタクトをとっている。昨年も話はあったが、使用機材や選手構成(国籍)、チームの成績などを考慮したとき、再考する必要があったので、現在も模索中です。アジア選手権で多くの国の選手に使っていただきコメントを貰えたことができたのが収穫でした。
欧州系は横幅が狭い選手が多いのでヘルメットが大きく感じるようです。いわゆる「キノコ」状態になるというやつですね。ですから、欧州系にむけたちょっと細いタイプのヘルメットも制作中です。
モストロの設計はアジア人向けとなりますが、西洋人向けのモデルは作るのでしょうか?
モストロに関してはアジア人の頭の形にあわせて作っています。欧州人とは根本的に頭の形が違うんですね。統計学的にアジア人は丸く、西洋人は縦長でとがっていて幅が狭い。日本人の頭部の平均的な円周は58cmですが、円周は同じでも西洋人の場合は幅が8mmも狭いのです。これはワンサイズの差になります。ヨーロッパブランドのヘルメットを使っている方はとても多いですが、おそらくワンサイズ上のものを使っていると思います。OGK KABUTOならひとつサイズを下げることができる、というか適正サイズのヘルメットをかぶることができるでしょう。
これらのレビュー、インタビューから考えると、どうやらレジモスが「欧州系にむけたちょっと細いタイプのヘルメット」らしい。ということは、このインタビューで言っている通り、モストロならレジモスよりも1つサイズを下げることができる=レジモスの場合、XLにしないといけないかもしれないということになる。
既にベルギー出発まで時間も迫っており、どちらにしろ日本から取り寄せることになるので、「被ってみてサイズが合いませんでした」で交換しているような時間はない。
さらに頭の横幅の問題で、1つ上のサイズのレジモスを選ぶくらいなら、ジャストフィットのモストロを選んだ方が(重量的にも)良い。ちなみにレジモスのLサイズは220g、XLになると240gになる。
ということで、すでに試着してサイズも確実なモストロのMS-2を購入したのであった。(他のモストロシリーズはネットでは何処を探しても売り切れで在庫が見つからなかった…)
ちなみにEMSで日本から発送5日ほどで届いた。アメリカ国内の普通便より速い…。
青から水色へのグラデーションもTrek 2.1を彷彿とさせて良い。
ちなみにこちらがTrek 2.1。
ひとつ自分の嗜好と合わないところといえばモストロのヴィゴールやMS-2は左右非対称デザインである点だろうか。この点、レジモスは左右対称デザインのようである。
上から見た図。
重量は214グラム。カタログ重量215グラムとほぼ同じである。
GiroのIonosが372グラムなので大違いである。
すでに練習でも使っているが問題なし。ベルギーもこのヘルメットで走りたいと思う。
言われて見れば確かに予備のメットは確保しておきたいですね。
返信削除自分はまだ幸運にも頭部を打つような落車は未経験なので、スペアのメットが無かったです(;´Д`)
今現在使ってるのが同じくOGKのモストロヴィゴールなんですが、これがぴったりフィットしているので次の候補はやはり新製品のMS-2か。
自分もGIROのIONOSを利用しています。
返信削除確かに他のモデルと比べて重いですね~。
安心感は高そうですが。
でもデザインが好きなので気に入っていますけどね。
ライカさん、
返信削除モストロヴィゴールいいですね。私は本当はヴィゴールのホワイトブルーが欲しかったのですが売り切れでした。
MS-2は快適性と安全性がアップしていると言われている一方でLサイズで20グラム重くなってますし。まあこれまでGiroのIonosを使っていたのに比べればたったの20グラムですが…。
アウトサイダーさん、
返信削除Ionosかっこいいですよね。私もIonosを買った決めてはそのデザインからでした。ツールの選手も使ってますし。
もともとGIROは重さ度外視でヘルメットの安全性をというコンセプトらしかったのにProlightを出したことでGIROも軽量化競争に入ってしまったのかという感じでした。
ちなみにぶっちゃけIonosとモストロを比べると作り的には断然Ionosの方がしっかりしてますね。まあそこのあたりが重量に出てるのかもしれませんが。
ご無沙汰してます。自分はSELEV使ってます。GIROを使いたかったのですが、頭がデカイので入らなかった・・・。SELEVは鉢のデカイ日本人にぴったりです。ちなみにSELEVは顔面着地の際に一度割ってますので2個目です。良い仕事しますよ。
返信削除私も頭がでかい方なので困ってます。またエントリしたいと思いますがTTヘルメットは横が入らずに返品する羽目になりましたし…。SELEVはまだ被ったことがないので試着してみたいものです。ヘルメットは実際に被ってみないとなんともいえないので、サイクルショップとかでいろんなメーカーを試着したいなぁと思ってます。
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