前回と違い強風で、海に面したフロイドベネットフィールドのコースではかなりきつそうである。
レース会場に向かう途中で他のレーサーと一緒になる。
知り合いではないので軽く挨拶をしただけだが、カテゴリー毎にスタート時間が異なるので、同じ時間に会場に向かっているということはおそらく同じカテゴリーのレーサー。
けっこう小太り体型だが、フラットなコースでは贅肉が多そうな人でも速かったりするので要注意である。
そんなこんなでレース会場に到着。
カテゴリー5のレースがまだ終わっておらず、しばらく観戦。
ふと気がつくとスタート地点横で横たわっている人が…。話しを聞くと、どうやら立ててあったチェッカーフラッグがレース中に強風で倒れて、そこに丁度集団が重なってクラッシュが起こったらしい。
そしてカテゴリー5のレースが終わってカテゴリー4が始まる。
コースは三角形のフラットコース。便宜上、ホームストレートから、第一ストレート、第二ストレート、第三ストレートと呼びたいと思う。
風は西風であったので、第一ストレートは向かって10時方向、第二ストレートは6時方向(追い風)、第三ストレートは3時方向からの風になっていた。
■レーススタート
前回は前を牽きすぎて失敗したので、今回は集団の中で大人しくしていようと考えていた。が、今回に限っては、その作戦でいった時点で負けていたという結果になった。
スタートしてまもなく、第三ストレート手前のコーナーにさしかかるところで集団と距離をあけた左側から追い風の勢いを借りて一気に単独アタックに出るレーサーが。
そのアタックは失敗に終わり、自分は当初の作戦通り集団の中でステイ。
風が強いので基本的に他のレーサーも前を走っているレーサーの風下をキープ。そのため、集団も横に広がらずに縦に伸び気味。
通常、集団が縦に伸びているときは先頭でアタックが起きていたりペースが速いときなのだが、今回は強風が原因で起こっている。これでアタックが起きたりペースが速まるとまずいなあと思った矢先にそれは起こった。
自分は集団の中でステイしていると思って前方をみたら、4人前のレーサーがその前のレーサーたちと離されている。このままでは一蓮托生になってしまうと思い、スプリントをかけて前のレーサーに追いつく。
ところが既に集団はぶつ切りに分解されてしまっていて、追いついたレーサーの前はさらに距離があいてしまっている。先頭集団にスプリントで追いつくには独りでは距離がありすぎるため、中段にいたレーサーたちと協働体制に移行、先頭集団を追いかける。
結局、中段で残ったのは自分を含めて二人のみ。相方となった彼は前回のレースでアタックを決めたTeanyというチームに所属。名前は後で知ったがジョシュアという。二人のトレインでは交代も早く、逆に先頭集団からはジリジリと離されていく。それでもトレインを続けて周回を重ねていく。
二人旅が続いて6周目の第二ストレート、先頭集団から落ちてきた一人を捉える。よく見るとレース会場に来るときに一緒になった小太りの彼である。
「後ろにつけ!」と声をかけて3人のトレインを形成。しかし第二ストレートで自分が先頭から後ろに戻ると既にその姿はなかった…。
またまた二人旅が続くと思ったら、前方に10人ほどの集団が。いつの間にか追いついていたのか!?と思いつつ、なぜかペースが遅い。なにかあったのかと思ってよく見たら、先頭集団を走っているはずのチームメイトのジョンもライアンもいない。どうやら後方集団を周回遅れにしたようで、彼らをパスして二人体制のまま走り続ける。
8周、9周と周回を重ねるが追いつけず、追いつかれず。そして終に10周目を終えてファイナルラップの鐘が鳴る。
こうなってはもう前にも追いつけないし、後ろに追いつかれることもない。
となると最後は今までずーっと一緒に協働してきたジョシュアとの一騎打ちになる。
ジョシュアもそれを分かっているのか、これまで基本的に1つのストレートを終えるごとに交代していたが、自分が第二ストレートを走り終わったあとも前に出てこない。すでにゴール前スプリントに備えた走りに変えてきているらしい。
結局第三ストレートも自分がずっと前を牽き、コーナーを曲がってゴールラインまでの第一ストレート(ホームストレート)に。
ここまで来て交代していたらそのまま逃げ切られそうなので、自分も脚のギアを入れ替えてスピードを上げていく。
影を見ると彼もピッタリと右後ろ(左側からの風が吹いているため)についてきているのがわかる。
残りあと200m。サドルから離れてスプリントに移行。
するとジョシュアもスプリントに。
自分のスリップストリームについている彼はそのままスピードを上げて自分に迫り、ついには彼のフロントホイールが自分のフロントホイールより前にでる。
「差される?!」と思いつつも、こちらも全力でスプリントを続ける。
一度抜かれたからもうダメかとも思ったが、差が開かない。
どうやらジョシュアも疲れてきているようで、自分は最後の気力を腕に込めてトルクをかける。
力を入れすぎたのか、ハンドルを引きすぎたためフロントホイールから荷重が抜けてハンドルがブレるが、上から上体で押さえつけて全力スプリントを継続。
だんだんジョシュアのフロントホイールが近づいてくる。が、完全に追い抜くにはまだまだ距離が必要である。
「距離は足りるか!?」と思って前を確認するとゴールラインまではあと10mあり、それを見た瞬間「助かった」と思った。
最後は半輪差で差し返してゴール。
そもそも最初で先頭集団から離されたため入賞には絡めなかったが、マスドスタートのレースで最後に一騎討ちになる機会など少ないので貴重な経験だった。まさしくタイマンスプリント勝負で、思わず勝負後にお互い拳をコツンとぶつけあって協働と健闘を称え合い、クールダウンの1周でいろいろ話す。
終わったあとに、チームメイトから「最後のスプリントは手に汗握った」とコメントをもらった。ちなみに、観戦している限りでは自分たち2人が(トレインの人数が少ない分)一番体力を使ってたようだとのことなので、そもそも公式ポイントがつかず練習試合のレースとしては、ちょうど良いトレーニングになったと思う。
ちなみにチームメイトのジョンは優勝。彼はすでに他のレースでも何度も入賞しているので早晩カテゴリー3へアップグレードしていくのだろうと思われる。自分も頑張らねば。
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