遠征後初めてのプロスペクトパークレース。
旅行疲れか時差疲れか、燃焼しきってしまったのか体の調子が悪かったので、ホームコースのレースでこれまでの調子を取り戻したいところである。
ちなみに前回のヒルクライムレースはヒルクライムということもあり遠征時と同じセッティング(Reynolds Thirty Twoホイールに11-28tのスプロケットと、コンパクトクランク)で行ったが、今回はいつものコースということでこれまでのセッティングに戻し、ホイールはBontrager Aeolus 5.0のクリンチャー、スプロケットは12-25t、ノーマルクランクという組み合わせで行った。
いつも通りレース会場に到着し、受付を済ましてナンバーを付けてスタートラインに並ぶ。
が、レース構成はいつも通りではなく、今回はカテゴリー3のレーサーたちと一緒のフィールドで走る。通常はPro/1/2/3というように、カテゴリー3はプロレーサーと同じフィールドを走っている。さらにカテゴリー3にいるレーサーはカテゴリー4で何度も入賞をしているの人たちばかり(入賞ポイントがアップグレードの条件のため)である。
しかも11周(約60km)となっており、Cat3レベルの長丁場となっているので、いつもよりも気合を入れて臨む。
すでに集団の先頭で並んでいるチームメイトたちに手を振って挨拶。うちのチームからはジェフC、ジェフW、エリック、クリスが参加。
■レース開始
11周の長丁場なので、飛行機のアナウンス風にたとえるなら、「しばらくの間、時速40kmでの低空飛行の旅をお楽しみください」といった感じで、リラックスして集団の後ろを走っていく。
が、1周目を終えてタイムが8分40秒。遅い。
フィールドが加熱している状態であれば、カテゴリー4のみでも7分台が出る中でこのタイムは遅く、こんなにスローペースだとアタックを仕掛ける奴が早々に出てくるかもしれないと考えながら、前に出ようとうかがう。
が、前に出る前に、2周目のヒルクライムで先頭でアタックが発生。数名がメイン集団を切り離して逃げの体勢に入った模様。
自分は3周目でメイン集団の先頭部分まで上がり、チームメイトのジェフWに状況を確認。
「逃げ集団はどうなんだ?」と聞くと、「うちのチームメイトが仕掛けたアタックだ。」とのこと。
ふと見るとクリスがおらず、どうやら逃げ集団の中にはチームメイトがいる模様。
「わかった」といってジェフWの後方につく。
逃げ集団にチームメイトがいる場合、それを潰すのはマナー違反なので自分から逃げを追うことはない。
他のチームメイトも、前は牽かずに先頭部分で待機、自分も時には先頭に出て、ペースを緩めて集団を遅らせる。
ところが、4周目のヒルクライム終了地点で逃げ集団にいたはずのクリスがロードバイクから降りて立っている。どうやらパンクしてしまった模様。
そこからは混戦模様。逃げ集団の正確な数はわからないし、メイン集団内での前後を繰り返す中で逃げ集団を吸収したのかどうかもわからない。
残り3周になって何度もアタックが行われる。
自分もアタックに参加したり、潰したりしたが逃げにつながるアタックはなしで、無駄に脚を使ってしまう。
そんな中、残り2周で2人のレーサーがアタックに成功。メイン集団から見えなくなる。
最初の逃げがまだ前方にいるのかどうかはわからないが、とりあえずそこからの自分にできることは少なくともメイン集団の中で上位でゴールすること。
逃げが5人ほどいたとしてもメイン集団内で5番目以内に入れば総合10位以内に入れる可能性がある。
ファイナルラップのダウンヒルを終えて残り2000m。前から20番目程度。
このままではゴール前で前の集団が「壁」になってスプリントにすら参加できなくなるリスクがあるから前に上がらねばと思ってると、顔馴染みの黒人レーサー、ミッチェルがダンシングで上がっていくので彼につく。
なんとか前方10番目前後につく。
残り1000m。
先頭はコース左側に寄って前に伸びている。
そこでコースの右側から赤い無地ジャージを来た無所属レーサー(以下、Aと呼称)が上がって行くので彼につく。
おそらくこのまま先頭付近まで上がるのかと思ったら、何を思ったか、Aはそのまま右側を突進していき、左側にいる先頭集団を追い抜いていく。
「RIGHT! RIGHT!! (右!右だ!!)」
左側にいた先頭集団から怒号が上がり、流れるように列が右に移動、Aと自分の後ろにつかれる。
この布陣は…、まずい!!
案の定、Aはしばらくして脚を使い切って失速、まだゴールラインまで700m、自分が集団の先頭を牽くことに。
これまでの経験から言って残り200mはまだ長すぎで、残り100mから全力スプリントに持って行くのが自分にとってのベストパターン。
ところが今回は残り700m、その上残り3周時点で脚を使ってしまっている。
この状態、残り距離で全力スプリントをしても、最後まで持たないことは目に見えている。
が、この状態で誰かの後ろにつきなおすことも難しく、まさしく最後の最後で詰んだ状態。
それでもできるだけもがく。
が、脚を溜めていた後方のレーサーたちが雪崩れのように押し寄せてくる。
最後はぐちゃぐちゃでよくわからなかったが、5人~10人くらいに抜かれてゴール。
結局、2周目の逃げは全員潰されていたようで、ラスト2周で逃げを決めた2人が1位、2位。
結果は7位までしか発表されなかったので自分は何位かわからず。
レースを終えてクールダウンの周回時、Brooklyn Velo Force(という名前の地元チーム)のピーターから、「Nice lead!」と言われる。
今回のレースはまさしく彼の一言に尽きる。
自分は最後のゴールスプリントで集団を高速状態に持っていくリード役になってしまったのであった。
フラットなコースが多いニューヨーク市内のレースでは、スプリントが強くないと勝つことができない。この点、レース後にチームメイトと話していたとき、カテゴリー2のデイヴが言ったセリフが頭に残っている。
「カテゴリー4のときは他を圧倒するスプリンターだった。3でも通用したが、2では普通の人になった。」
まだまだ先は長い。
入賞出来なかったのは残念でしたが、それぐらい層の厚いクラスで毎週のように走っていれば嫌でも地力が付きますね。
返信削除羨ましい環境です(^_^;)
今日のエントリにも書きましたが、まさしく「レースは最高の練習」になってます。
返信削除ベルギーなんかでは毎日どこかでレースが行われているそうで、自分も環境に助けられているところが多々あります。
とはいっても冬に雪が降ると物理的に走行不可能になってしまうので、そうなるとフロリダとかが羨ましくなりますね。