とはいえ、昨年に行ったフロリダの旅行記をいまだに参考にしていただいている方もいるので、今後のためにも引き続き書き上げていきたいと思う。
エッシュシュルシュールを出て一路東へ。
今夜の宿を取ったブールシャイト(Bourscheid)へ向かう。
エッシュシュルシュールもそうであったが、高い丘(または山)の頂上に建つ城を中心に町ができていることが多い。山ではないが、江戸の町も江戸城(皇居)を中心に町が発展、栄えている。一方で、今回のブールシャイトは、ブールシャイトの町から少し離れた、周りに民家などなにもないところにブールシャイト城があるのが特徴的である。
先ほどまであんなにいい天気だったのに段々と雲が出てくる。
まずはブールシャイトの町に到着。
といってもブールシャイトの町は観光地でもなく、それどころか、ガソリンスタンドもなければスーパーもなく、そもそも商店らしきものすら(回った限りでは)見当たらない田舎の町なので、特に降りることもなく、そのまま通り過ぎる。
さらにしばらく進むと、
ブールシャイト城が見えてくるが、まずは宿にチェックインするため城も通り過ぎる。
一気に山を下りてシュール川を渡る。
今回の宿はブールシャイト城を見上げれる渓谷の谷間、シュール川のほとりにあるCocoonという名前のホテルである。
山の上に建つ城から川辺まで降りてくる。
川に沿って進むとCocoonホテルが。ちょうどシュール川を挟んで城を見上げる場所にあるのが特徴。
中に入ってチェックインをしようとすると、そもそも予約がないと言われる。確かにCocoonホテルに予約したはずだと言ってスマートフォンの予約画面を見せると、受付もピンと来たのか、隣のホテルであることが判明。聞くところによると、Cocoonホテルは、Cocoon BelairとCocoon La Riveの二種類があり、どちらも同じオーナーのホテルで、隣同士になっているため、時々ホテルを間違えて受付に来る人がいるらしい。
自分が宿泊するCocoon Belairはさらに奥にいったところで、シュール川が蛇行する手前、まさに向かいの山の上にブールシャイト城を見上げることができる場所にあった。
部屋を案内してもらうときに、年配のスタッフと話しをする。ここはルクセンブルクでも北部の辺境ということもあり、観光客が来るとしても周辺諸国からが多く、彼は5ヶ国語を話せるというが、それぞれフランス語、ドイツ語、ルクセンブルク語、オランダ語、英語らしい。
ホテルの部屋からはブールシャイト城(右上)が見える。
■ブールシャイト城へ
荷物を部屋に運んだら早速出発。ブールシャイト城は11時から午後4時までしか開いていないので、閉まる前に行かなければならない。
1095年に初めて書物の中にその名前が登場。ただそのときは既に石造りの城壁になった後で、それ以前に木製の要塞として存在していたらしい。礼拝堂と大会堂を囲む4つの塔がまずあり、1384年には居住棟であるストルツェンブルガーハウス(Stolzemburger House)と外壁、8つの塔が建てられた。
1477年に現在の城門が築かれたが、1512年、ブールシャイト城主の死とともに城は荒廃の道を辿る。
エッシュシュルシュール城と同様、 1794年にフランス革命軍の侵攻を受けてブールシャイト城もその支配を受ける。19世紀には手離され廃墟と化したが、1936年に国家モニュメントに指定され、1972年にはルクセンブルク州の所有となって修復、一般公開されるようになった。
ということで、入場料を払ってブールシャイト城の城内へ。
いきなり首と手を拘束する拷問機具らしきものが。まあ、後に訪れるヘントの衝撃に比べればなんともない。
さらに城の内部へ。
廃墟となった城が見えてくる。
それでも観光地化されているので、城内には番号がついた観覧ルート案内があって、管理人もいなくて荒れ放題のエッシュシュルシュール城に比べると随分綺麗な感じ。
塔の上にも上っていける。
一部の建物ではちゃんと内部に入ることもできる。
塔の上からの眺め。
霧が良い感じで雰囲気を作ってくれる。
塔の右下に見える白い建物が宿泊しているホテル。
しばらく雨に濡れながら景色を嗜む。
こうしてみると、本当に山の上に建っているんだなぁということがわかる。猿と何とかは高いところが好きではないが、大体どの城も山の上に建って下々の者を見下ろすようになっているようだ。(という先入観で2日後に後悔することになるのだが)
塔から降りて城内を歩く。
霧のせいもあって、空中に佇む城のような感じである。
ブールシャイト城は塔が多いので見応えがある。
博物館化している建物に入る。
1階は綺麗に片付けられていた。
壁にはブールシャイト家の紋章が。
かつてのブールシャイト城。
当時の鎧も。
3階には年代別の城の模型。
初期の頃は外壁はなく小さいものだった。
さらに遡る。
こちらはさらに昔。恐らく中世以前のもの。
そして壁にはブールシャイト家の家系図。
下にある名前を見てみる。
そう、ベルギーで訪れたラインハルトシュタイン城の城主、メッテルニヒ家に繋がっているのである。
隣の壁には中世から連なるブールシャイトの歴史。
こちらは建物の地下。なんというかスタヴロ修道院の地下と似た雰囲気である。
建物から出て出口へ向かう。
ここにもルクセンブルク名所の記念コインがあった。
管理人がいる管理棟では軽食も注文できるようになっている。
が、既に閉館時間だったのですぐに帰る。
結局閉館時間まで他の観光客は1人もいなかった。
この観光地化されすぎていないところがまた魅力なのかもしれない。
ちなみに翌朝はルクセンブルク北部をサイクリング予定。早々にホテルへ戻ってゆっくりした。
それにしても普通に夜の7時頃に自転車のニュースがテレビで流れているのはさすがヨーロッパであった。
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