レース

サンディフックタイムトライアル：アメリカ陸軍のハンコック要塞

ニュージャージーの海岸沿いにある場所、サンディフック。

2012年にコネチカット州で起こったサンディフック小学校銃乱射事件と同じ地名だが今回のレース会場はニュージャージー州にある全く別の場所。

■サンディフックへ

まずは起床してWhole Wheatの食パン薄切りを2枚。ストロベリープリザーブ（ジャムよりさらに原型を留めたもの）をたっぷり塗って食べる。朝からひたすら糖分だらけの食事ができるのもレース当日ならでは。

6時15分にいまっちさんにピックアップしてもらい、荷物を積み込んで出発。

前日雨、当日予報も曇りか雨ということで不安であったが、少なくとも行きの高速道路では路面もところどころ乾いていて、このまま雨が降らなければ良い状態で走れると思っていた。

1時間強南下してレース会場がある砂州に入る。

ゲートを通ってサンディフックに到着。

まずはそのまま自動車でコースを試走。

2年前にいまっちさんとかめらいだーさんが走ったときは路面が悪かったと聞いていたのだが、凸凹1つないような素晴らしい路面。

というのも、去年はハリケーンサンディーの被害が大きくレース自体が中止になっており、ハリケーン被害の修復で路面も一新されたようである。

コースは砂州をひたすら北上、折り返して南下というルートになっており、途中微妙に緩いコーナーはあるもののほぼ一直線。

折り返しまでの中間地点（同じルートを往復するので全体から見たら4分の1（往路）と、4分の3（復路）の地点）に、アメリカ陸軍（U.S. Army）のミサイルがあるのでちょうどいい目印になる。

アメリカ陸軍のミサイル・・・だと？！

■フォート・ハンコック

そう、サンディフックにはFort Hancock（ハンコック要塞）というアメリカ陸軍の基地が以前あったのである。

今ではニューヨーク湾国立公園（National Parks of New York Bay）の1つとなっているが、当時は以前ご紹介したFort Hamilton（ハミルトン要塞）と同様に、ニューヨーク湾への侵入を防ぐ防衛拠点となっていた。

鳥瞰図で見ると、大西洋からマンハッタンに向けて侵攻する敵を迎え撃つ際に、ニューヨーク湾に突き出たサンディフックは天然の要塞となっていることがわかる。

つまり、ハンコック要塞はニューヨーク湾南部（Lower New York Bay）、ハミルトン要塞はニューヨーク湾北部（Upper New York Bay）の侵攻を防ぐ二段構えの湾岸防衛線となっていたのである。（ちなみにフォートハミルトンは現役の陸軍駐屯地）

おそらくアメリカ軍が世界展開するとともに、NATOの軍事条約等によって大西洋沿岸の防衛拠点としての重要性が低下したために廃止となったのであろう。

そして折り返し地点はちょうどハンコック要塞の入口となっており、今でもFort Hancockの看板が掲げられている（奥に見えるのはこれまたミサイル）。

■レース前

そんな歴史的な経緯に胸を馳せながら折り返して復路に入る。

往復コースとはいえ、往路と復路で道が離れている部分があり、復路の途中では往路にはなかった緩やかな上りになっている箇所がある。

そういえばVirtual Trainingのシミュレーションでも、復路だけ上りになっている箇所があった。（下の赤い部分の7.5kmと9.3kmの間）