物欲紹介:Specialized Evadeのインプレ記事にみる大本営発表

前回ご紹介した通り、エアロロードヘルメットとしてSpecializedのEvadeを検討。


■インプレ記事

Evadeを調べてみると、シクロワイアードのインプレページにはこんな美辞麗句が並んでいる。

データによると、1000ワットで200mのスプリントをしたとき、同社のロード用ヘルメットであるPREVAILに比べるとEVADEはゴール地点で2.6mも先行できるのだという。無視できない差である。事実、EVADEの実戦デビューとなったジロ・デ・イタリアでは、マーク・カヴェンディッシュがステージ5勝を挙げ、登りTTではヴィンチェンツォ・ニバリが勝利している。


が、登りTTはともかく、スプリントでの結果なんてどうでもいいと思っている。

というかそもそもこの「事実~」云々の流れは全く論理的でなく、あえて読者を誤った方向にミスリーディングしようとする意図すら感じられる


たしかにカヴェンディッシュがEvadeを着けて勝っているのは事実である。

Tirreno-AdriaticoでもEvadeを着けてスプリントで勝利している。




が、Milan-San RemoではGiroのAir Attackに負け



さらにTour of Omanのステージ1ではエアロロードヘルメットではない普通のヘルメットにすら負けている



同、ステージ6、



Energiewacht Tourでも・・・、



もちろん、読者の方々もお気付きの通り、負けているのは「Evadeを着けているから」ではない。が、インプレの論理でいえば、「だからSpecializedのEvadeは普通のロードヘルメットよりもスプリントで劣ります」っていうことになってしまう。

そしてもちろん大人の事情で作られている大本営発表インプレ記事では「Evadeを着けて勝っている例」しか出さない。

そもそもの問題は、「ロードレースのスプリントでは他の不確定要素が多すぎてエアロロードヘルメットと普通のロードヘルメットの差なんて誤差にすらならない」ということである。

Milan-San Remoなんて、294kmを6時間55分かけて走ったあとのスプリントである。

それまでどれだけ脚を使ったかでスプリントの結果など簡単に変わってしまう。

もっと短いレースのスプリントでも、トレインや位置取り、スプリント開始からゴールまでの距離(常にベストな距離でスタートできるとは限らない)といったレース展開次第でいくらでも変わってしまい、ヘルメットのエアロ効果で勝てたと証明することなど不可能である。

となると、スプリントで勝った事実を「Evadeを被ってたから」という理由で片付けるのが如何に短絡的で非論理的かがわかっていただけると思う。

まあ、販売促進のプロが書いていると思われるので、記者も論理が飛躍したインプレなのは承知の上で、意図的に消費者を勘違いさせて購買意欲を沸かせようとしてるのかもしれないが・・・。

と、批判的な書きぶりになってしまったが、あくまで批判しているのは非論理的なインプレ記事であって、Evadeに対してではない。

そしてEvadeは「買い」だと思っている

なぜなら、自分の使用目的はスプリントではなくタイムトライアルだからである。


■タイムトライアルでのエアロロードヘルメット

ロードレースのスプリントでは不確定要素が大きいが、逆に不確定要素が少なく、純粋なエアロ効果で差がつくのがタイムトライアルである。

この点、Specializedの公式ページには、同社の軽量ヘルメットであるPrevailと比べたエアロ効果が掲載されている。



曰く、「標準的ロード用ヘルメットと比較した場合、先進的な空力学により40㎞でタイムを46秒短縮」できるらしい。

そして数ヶ月後にはニュージャージー州のステートチャンピオンシップでちょうど40kmのタイムトライアルがある。

もちろん46秒も短縮できるのはプロ並みの速度&出力を出せた場合であろうが、4秒差で表彰台かどうかを競っているような今シーズンでは数秒であっても得られるメリットは大きい。

自分的には、平坦のタイムトライアルという用途においては、SpecializedのEvadeは激しく買いであると思う。


4 件のコメント :

  1. Air Attackは店頭にMサイズしかなかったようですが、Lを試せるなら一度試しに着けて見るのをオススメします。
    なんか日本のインプレ記事でgiroなのにフィットすると書かれてるのを何度か見かけます。
    自分の場合はメガネの上からシールドをつけられるAir Attack意外は選べないです!
    おかげで度入りのアイウェアを作らずにすみました。

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  2. 初心者ロードレーサー2014年4月29日 0:21

    Air AttackはMサイズで前後がピッタリだったのですが、横が駄目だったので、Lで横が入るなら逆に前後が大きすぎになってしまうのだと思います。まあ今回の一件のようにLだけど形が違うバージョンがどこかにあるのかもしれませんが。
    ちなみにTTヘルメットはGiroですが、それは少しきついもののLでちゃんと入ってくれます。OGKもモストロとレジモスで形が全然違いますし、同メーカーでもモデル(と個体差)によりけりなのかもしれません。

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  3. 初心者ロードレーサーさん
    自分は今までGiroのHexを使っていて、アジャスターを最小まできつくしても少し緩いぐらいでした。
    でもAir Attackはなぜかアジャスターを半分以上緩めた状態でちょうどいいです。
    Evadeで使えるサイズがあったようでなによりです。
    初心者ロードレーサさんとおそろいヘルメットになるチャンスが!(笑)

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  4. 初心者ロードレーサー2014年4月29日 22:41

    Giroでもモデルにより様々なんだと思います。そういえばGiroのIonosも持ってましたがそれはちゃんと被れてます。まあ繰り返しになりますがOGKもモデルによって違いますしね。

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