高鉄(中国高速鉄道)を潮汕駅で降りたら中国人民解放軍の制服を着た軍人に囲まれる。
まったく身に覚えがないのだが、なんか悪い事したのか・・・。
と思ってヒヤヒヤいたら、自分の後ろにいた人物を出迎える人たちだった。
ちなみに同行者に聞いたところでは、大陸では有名な映画監督だったそうである。 御付の人たちと軍人と一緒に歩いていく映画監督の後ろをゆっくりと進む。
潮汕駅のホームは広く、南国のムアッとくる湿気の高い暑さと相まって独特な感じ。
屋外のホームから駅舎内へ。
改札を通り駅の外へ。
潮汕から目的地の汕頭まではバスが出ているのでバス停へ向かう。
バス停に行く間でタクシーのキャッチが何人も話しかけてくる。
バスは1人18元だから、その人数ならタクシーと変わらないよと言われるが、知らない地方でのキャッチなんてボラれる可能性ありすぎで信用できない。
が、次の瞬間スコールで大雨が降り注ぐ。
バス停のアーケードの下でも濡れるほどで、たまらず雑貨屋の屋内へ避難。
バスはいつ来るかわからないし、このままスーツケースを何個も抱えたまま立ち往生するのも大変なので、タクシーで行くことも視野に入れる。
汕頭出身で潮州語が話せる同行者が地元の人に聞くと、たしかにバスは1人18元だったので、あのタクシー運転手は騙そうとしているわけではないことが確認できた。
バスにしたとしてもタクシーと10元(日本円で150円強)ほどしか変わらないのでタクシーで行くことに。
その旨をタクシーの運ちゃんに伝え、ついてこいと言われて後に続く。
バスターミナルは一般車は進入禁止ということで、バスターミナルの外にある一般道まで大雨の中移動。
普通車を使った白タクなのかと思っていたが、車を取ってきたタクシー運転手の車はボロいながらもちゃんとタクシーの車であった。
といってもかなりボロく、車内の天井を見ると業務用ホッチキス?的なもので補強されてる感じ。
そして人生で初めてのクレイジータクシーの乗車が始まった・・・。
モーターバイク集団
走り出した最初の頃はまだ景色を楽しむ余裕があった・・・。
タクシーに乗りながら、初めて見る汕頭の街並みでも堪能しよう・・・、そう思っていた・・・。
が、走り出してしばらくすると、右から左から、あわやぶつかりそうな勢いでオートバイが何台も出てくるのに驚く。
ぶつかりそうなほどオートバイが左右に現れ、しかもどう見ても赤信号なのに右折してきたりする。
そして時折みかけるのは明らかに積載重量オーバーのオートバイ。
さらに車線を反対方向に歩いている歩行者がいたり、しかもオートバイには2人乗りや3人乗り、中には4人乗りしている一家(小さい子ども含む)までいる。
子どもや娘を乗せてノーヘルで4人乗りしている姿はまさに異国の地。
「やばい、この町では人の命が軽そうだぞ・・・」と思わずにはいられなかった・・・。
対向車線を走るタクシー
中央分離帯のある大通りを走っていて、前方が赤信号に。
前を走っている車たちが赤信号で止まって自分が乗っているタクシーもそれに合わせて減速を・・・。
減速をして停車すると思ったら、中央分離帯を越えて反対車線に!?
「な、なにをしてるんだ、この運ちゃんは?!」と驚く同行者一同。
すでに右左折して車線に入ってきてるオートバイがいるのに堂々と逆走するタクシー。
反対車線から信号待ちの車を追い越して本線に入り、そのまま赤信号を突破して直進・・・。
その間、口をポカンと開けて固まらざるを得なかった。
ちなみに図で表すとこういうことになる(中国は日本とは逆で、アメリカと同じく右側通行)。
まず赤信号と渋滞待ちの車を回避するため対向車線にうつり、
本線の脇(?)から入ることで赤信号を回避する!(回避できてない、できてないよ・・・)
歩道を爆走するクレイジータクシー
「このタクシーは危険だ・・・」
また対向車線に飛び出すんじゃないかとハラハラしていると、車は交差点でもないのに右へ曲がって歩道へ・・・。
「あれ、もうホテルに着いたのかな?」と思っていると、そのまま歩道を走り出した・・・。
歩道には車やバイクが駐車されており、狭い空間を縫うように進む。
ときどき停車中のバイクに接触してバイクが揺れる・・・。
「歩道を走るなんてニューヨークではありえない」と思っていると・・・・
なぜか対向車が・・・。
こちらも図で表すとこんな感じ。
赤信号を回避するために歩道を走って
なぜか対向車が来て何とかすれ違い、
赤信号を回避する!(できてない、できてないよ・・・)
この信号無視を経験してみて気付いたのは、おそらく汕頭では(またはこのタクシーの運ちゃんにとっては)、赤信号の効力があるのは下図の網掛け部分のみで、それ以外の場所から行けば赤信号は守らなくていい(!?)という(メチャクチャな)理屈ではないだろうか・・・。
おそろしい、おそろしすぎるよ、汕頭。
こちらは歩道に溢れるオートバイと車・・・。
そんないつ事故るかわからないような危ない運転に驚きながらも、さらに驚いたのは、この運ちゃん、シートベルトしてねえ・・・。
「この町では人の命が軽そうだ・・・」
その後も何度も対向車線に飛び出し、四方八方から飛び出してくるバイクとぶつかりそうになりながら、ほうほうの体でホテルに到着。
無事ホテルについたときは緊張からの開放で全身が脱力した。
とりあえず今回異文化を経験してみてわかったのは、自分が運転したら間違いなく事故る自信が持てたことだった。
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