ビットコイン急騰
ビットコインの上昇がとどまるところを知らず、今年だけで年初来から1500%上昇して15倍に。
複数の取引所の価格を総合したブルームバーグの価格によると、ビットコインはニューヨーク時間午後1時15分現在で1万6395ドル。年初来の上昇率は1500%を超え、時価総額は2740億ドル(約31兆円)。7日には1万3363.25ドルでアジア時間に取引を開始し、一時1万6777.08ドルに達した。
ロイヤル・バンク・オブ・スコットランド・グループ(RBS)のハワード・ジョン・デービーズ会長は、7日にブルームバーグテレビジョンとのインタビューでビットコインについて、「これは根拠なき熱狂だ。極めて特異な市場であり、正常な双方向の取引がある市場ではない」と発言した。
ビットコインが1万6000ドル突破、取引急増で取引所の機能に障害も
投機対象としてみれば、株、債券、原油、金など他の既存対象を大幅に上回るパフォーマンスを見せている。
こちらは他の既存投資対象と比べたもの。
圧倒的なのがわかる。
ビットコインの弱点
ビットコイン最大の弱点は、「価値を担保する現物資産がない」こと。
金やプラチナであれば貴金属それ自体に価値があるし、原油も原油自体に価値がある。
株であれば企業の収益や資産が担保となっている。
社債も同様に、企業のフリーキャッシュフローが返済原資となり、そのフローでも足りなければバランスシートの純資産であるストックが担保となる。
通貨はその通貨を利用する国の国力が担保となっているし、国債も国の資産が担保となっている。
例えば日本国債の残高は膨れ上がっているが、日本国への信認によって低金利でもまだ買い手がいるわけである。
突っ込んでいえば、国債の利払い費、元本払い費に充てられるのは国家の税収なわけだから、国家の国民に対して有する徴税権を担保にして日本国は借金しているといえる。
つまり、日本国民を人質にして国債の価値は担保されている。
と考えると、それ自体価値のある金、国民を担保に持つ国債に対して、ビットコインのなんとうすっぺらいことか。
法定通貨と違い、国家による信認を受けていないビットコインの資産価値を裏付けるものはなにもない。
換言すれば、今のビットコインの価格を実現しているのは、単なるマーケット需給の結果でしかないということである。
バブル
「マーケット需給の結果」で同じく何の原資産価値もないのに爆騰したものがあった。
それこそ、初期のバブルに挙げられるチューリップバブルである。
球根1つに3億円もの値が付き、球根1つが不動産とも交換されたバブルは、爆発的に上げたあと一気に弾けた。
こちらが過去のバブルの価格推移とビットコインの価格推移(初期化価格からの上昇倍率)を比べたものだが、まさしくチューリップバブルと同じ運命を辿ろうとしており、その勢いは南海泡沫事件やミシシッピ計画のバブルよりも激しいことがわかる。
ビットコインの自己矛盾
「ビットコインは価値がない、バブルだ」というと決まってこういう反応がくる。
「ビットコインは単なる投機対象ではなく、既存通貨の代わりとなる仮想通貨だ」と。
「仮想通貨として既存通貨の代替として使えることが、ビットコインの価値なのだ」と。
たしかに「利便性の高い通貨」というメリットを提供できればそれ自体が価値となり、イコール「ビットコインの価格を裏付ける担保」と看做せるかもしれない。
が、残念ながら、ビットコインの高騰ぶり自体が、逆に仮想通貨たるビットコインの「通貨」の価値を奪っている。
ゴールドマンサックスのCEO、ロイド・ブランクファインは以下のように発言している。
1日に20%上下する動きは通貨という感覚ではなく、価値の貯蔵手段のようには感じられない
ゴールドマンCEO:ビットコイン計画は尚早-価値貯蔵手段にあらず
そう、まず通貨に求められるものは、「安定していること」なのである。
想像してみて欲しい、今月の給料が先月の半分になっていたり、来月買おうと思っていたパソコンが2倍の値段になっていたりしたらどうだろうか。
ビットコインの場合、生活費として10万円分借りたが、それがいつのまにか100万円分の借金になっているということがありうるわけである。
こんなに上下動が激しければ、日常生活で使う日々の決済通貨としては失格である。
皮肉なことに、ビットコインの価格が暴騰するほど、逆に通貨としての意味を失ってしまうのである。
これはまさにビットコインの価格変動自体が本来の仮想通貨としての役割を否定してしまっているという自己矛盾に陥っている。
「通貨として役立たずな仮想通貨」
それこそが今のビットコインであり、少なくとも今の価格変動環境では、ビットコイン本来の価値であるはずであった通貨としてのビットコインは終わってしまったといえる。
ビットコイン先物
そんな中、CBOE(シカゴオプション取引所)にビットコインの先物が上場した。
自分の取引端末からもGXBT(ビットコイン先物のティッカーシンボル)のチャートが表示できるようになった。
が、先物といっても本質は同じ。
何の資産価値の裏付けもないバブル商品である。
ビットコインだろうが先物だろうが、ビットコインなどに手を出すのは一か八かを狙うギャンブラーでしかなく、まともに資産運用しようとしている賢明な投資家諸君だったら間違っても手を出してはいけない。
こんなもんに手を出すのはカジノで一発当てようとするのと変わらない。
単にブラックジャックがババ抜きになっただけさ!
( ゚∀゚)アハハ八八ノヽノヽノヽノ \
ポチっとな!!!!
・・・。
エラー!??!
なんと先物の取引許可とは別に「仮想通貨用先物取引」の許可が必要だった・・・!!!
必ず仮想通貨のネタ来ると思っていました。
返信削除既存のファイナンス理論によるプライシングができないのでバブルではない(バブルかどうか判断できない)、とする見方もあるようですが、まあ、まだしばらくは狂熱の宴が続く模様です。。。
今週先物上場しましたし、やっぱここはいっとかないとですね。
削除「バブルかどうか、はじけてみるまで分からない」というグリーンスパンの言葉を思い出します。