武漢新型コロナウイルスをSARSの感染推移と比較してみる

武漢の新型コロナウイルスの拡散がすごい。

日ごとどころか、刻一刻と増加していく感染数のアップデートに圧倒される。

先週1週間くらいずーっと「武漢でのみ感染者は40人程度」という報道だったのに、今週に入って一気にアウトブレイク・・・。

月曜は200人超で、



今日の朝8時の状況がこれ。



で、午後2時半にはこんな感じ。



が、もちろんこれは「これまで単に公表してなかっただけ」ともいえ、やっと中国が情報公開し出したことで明らかになってきたともいえる。

むしろ先週までの、「タイや他国で見つかっているのに(もっと人の移動が多い)中国大陸内では武漢のみで他の都市はゼロ」という状況の方が異常で、その怪しさはこれまでも指摘されてきた

17日からSNSのウェイボ(微博、Weibo)で目立ち始めたのが、「新型肺炎のコロナウイルスは、愛国ウイルスだ」といった言説だ。同日午後、タイで2人目の感染が確認されると、「このウイルスは愛国なので、武漢から他の都市には広がらず、海外に出国する」「ウイルスに感染した人を国外に出す」などの投稿が拡散するようになった。

中国のSNSが政府によって監視され、情報規制が敷かれているのは周知の事実。この投稿には冗談だけでなく、「海外で患者が出ているのに、中国では武漢に患者が封じ込められている」不自然さへの疑問も含まれているとみられる。

海外SNSでは家族が新型肺炎に感染したことを訴えるウェイボの投稿がアカウントごと削除されたとの情報も拡散しており、中国のSNSでも多くはないが、「政府は本当の状況を公開してほしい」という声が挙がっている。

「新型肺炎は愛国ウイルス」中国ネットで拡散。「政府は真実教えて」投稿も

散々ニュースでも報道されているので、ここで新型コロナウイルスの詳細や経緯についても触れないし、そもそも医療専門家でもないので触れるほど詳しくない m(_ _)m。

が、一部で新型SARSとも言われているように、8000人近くが感染、774人の死者が出たSARSを彷彿とさせる



ということは、同じようにアウトブレイクしたSARSを振り返ることで、温故知新的に今回のコロナウイルスについても予想が立てられるかもしれない。

SARSのときはどうだったのか


SARSは2002年11月から2003年7月まで、8ヶ月間続いた。

香港のトレンディドラマ(死語?)で当時の回想が入ったりすると全員マスクをしているのが象徴的。

新型コロナウイルスの現時点の感染者数が500人超ということで、当時の感染者推移グラフと比べるとちょうど2003年3月頃の状況。

当時はそこから爆発的に増え、1ヵ月半を過ぎた4月下旬にピークを迎え収束に向かっていった



同じような推移をたどるとすれば、今回もまだ初期段階で、ここで封じ込めに失敗すれば同じようにここから2ヶ月弱は拡大が続くかもしれない。

ただSARSで初動対応の悪さで国際非難を浴びた中国も今回は本腰で、国内他地域の感染を発表してからの動きは素早い。

武漢で公共交通機関を全面運行停止にする(できちゃう)あたりも、良い意味で独裁国家ならではのフットワークの軽さといえる。

1000万人の移動の自由を禁じるなんて民主国家では実現が難しいし、出来ても手続きなり合意形成にかなりの時間がかかるだろう。これがアメリカや日本だったらと思うと、移動の自由やら居住の自由やら、裁判所に訴える人が出てもおかしくない。皮肉にも人権無視の中国だからこそ出来る芸当である。

中国国営メディアによると、武漢市当局は市内のバス、地下鉄などを止めるほか、市外に出る鉄道の駅や空港も閉鎖する。特別な事情がない限り市民が市外から出ることを禁じる。運行再開の時期については別途告知するとしている。武漢市は人口1000万人を超える大都市。

武漢市が交通機関を停止、新型肺炎で WHOは緊急会合

とはいえ、現時の映像では封鎖される1月23日午前10時までに逃げ出そうとする武漢の人々で大混乱している様子。高鐵(中国新幹線)には武漢から早く離れようとする人たちの長蛇の列が出来ているようで、むしろ春節前に他都市へ大拡散の懸念も・・・



が、考えれば当然で、たとえば東京にいる人の中にも周辺県から来て滞在している人もいるわけで、1000万人都市となればそういう人たちだけでも相当数に上るだろう。が、当局も本気なので制止を振り切って逃げ出すような人がいれば逮捕されるか撃ち殺されてるかもしれない、いや、マジで。

さらには感染者がどの駅でどの列車の何両目のどの座席に座っていたかといった情報まで公開されていて封じ込めへの本気度が伺われる

衞生署衞生防護中心公布,一名居於武漢市、過往健康良好的39歲男病人,昨日(21日)起出現發燒及鼻塞。他乘搭高鐵由武漢到深圳北(G1015列車三號車廂10D座位),再由深圳北到達香港(G5607列車二號車廂2D座位)。中心呼籲,曾於1月21日乘搭高鐵由武漢到深圳北(G1015列車三號車廂)或由深圳北到香港西九龍(G5607列車二號車廂)的人士,致電2125 1122。

【武漢肺炎】本港錄兩宗確診 政府將每日朝九、晚六通報最新個案

そういった点では、当局の本気度を見るに今回はSARSのときよりも短期に収束できるんではないかと楽観的期待もしてしまう

あと気になる点はSARSのグラフのように地域によって感染拡大~収束サイクルに時差があること。

SARSのときは香港で感染拡大し、香港が収束に向かっているときに大陸で拡大、逆に台湾はサイクルが遅く、大陸で感染収束に向かっているときに拡大していた。

自分もまたアジアへ行くことを考えてるので慎重に判断したいところである・・・。

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