初めは抗議デモだったはずが・・・
日本でもニュースになっているがコロナよりも今話題になっているのが抗議運動。
ただ日本のニュースを見る限りまだ深刻さが伝わっていないようで、5月31日夕方時点の報道もこんな感じ。
米中西部ミネソタ州ミネアポリスで黒人男性が拘束時に白人警官に首を圧迫されて死亡した事件をめぐり、全米各地に広がった人種差別への抗議デモは30日も続いた。米メディアが31日未明伝えたところでは、デモは約50都市に拡大し、少なくとも25都市で夜間の外出禁止令が出された。参加者の一部が暴徒化して数百人が拘束され、銃撃による死者も複数人出ている。
各地のデモ隊は、死亡したジョージ・フロイドさん(46)が最期に発した「息ができない」という言葉を繰り返し叫びながら行進した。全米最大都市のニューヨークでは30日、数千人がデモに参加。警察車両を燃やしたり、警官隊と衝突したりして身柄を拘束される者もいた。
米デモ50都市に拡大、死者も 一部暴徒化、警察標的―黒人拘束死
が、実際にSNSで友達から共有されてくる情報ではもっと激しい状況が伝わってくる。
こちらもまだミネソタで発生したときはそこまで危険を感じていなかったが、ニューヨークでも抗議運動が起こり、ニューヨークと目と鼻の先のフィラデルフィアでは抗議が暴徒化して略奪が起こっている。
フィラデルフィアの惨状
アップルストアはガラスが破壊されて中の商品を盗まれ・・・
フットロッカーというシューズ専門店からはシューズを大量に運び出す人が・・・
モデルス(Modell's)というスポーツ用品店も破壊され・・・
LOFTも被害に遭い・・・。
H&Mもこんな有様・・・。
こちらでは紳士服店の窓ガラスを壊し・・・
マネキンから紳士服を奪うという紳士とはほど遠いことをしている。
こちらはFive Belowという、日本で言う100円ショップの500円版(5ドル以下の様々な商品を売っている)からお菓子やらを略奪している人。ちなみに右にいる人は制止しているわけではなく、もともと右の人が盗んで出てきたのを左の人が奪っているというどっちもどっちな状況。
我先にと盗みを働いている映像を見ていると、もはや抗議運動というより単なる略奪集団でしかない。
一度こうして「全品0円バーゲンセール」で味を占めてしまった人たちは、今後お金を払って物を買うのがバカバカしくなってしまうのではと心配になる。
お天道様が見ているか
こういうときに行動を左右するのは、自制ができるかというより、「お天道様が見ている」という概念を持っているかどうかだと思う。
今回の暴動のような特殊な状況でなくても、たとえば以前、オフィスの自動販売機が壊れて、お金を入れなくてもボタンを押すだけで缶ジュースが出てくるときがあった。
そのときにこれ幸いとタダでジュースを「買う」人と、それって盗んでるのと同じだぞと制止している人がいた。
田舎での野菜の無人販売所なども同じように購入者の道徳意識に左右される状況と言える。
この概念は別に日本独特のものではなくて、中国の老子にある「天網恢恢疎にして漏らさず」も、西洋では神様が見ているという考え方も同じような概念なのだと思う。
つまり客観的に自分の行動を見て罪悪感を感じられるかで違いが出るのではないだろうか。
たとえば自分の場合、子供が座っている取り外し可能なチャイルドシートを買い物カート(アメリカはカートが大きいのでスッポリ入る)に入れてスーパーで買い物したときに、チャイルドシートに隠れてレジを通してない商品があったことに後から気付き、スーパーに戻って事情を話してレジを通し直したことがある。
これは別に善人ぶっているわけでも聖人ぶっているわけでもなく、単にそのままにしておくと割に合わないし自分にとっての「損」になるから。
そのまま万引き状態になってしまうと、(お天道様とかじゃなくても)実は誰かに気付かれてたんじゃないかとか、防犯カメラで後からチェックされるんじゃないかとか、心配性なのでいろいろ考えてしまい、それで悩んだりする時間がもったいない。
後から悩んだり悔やんだり、次にそのスーパーに行ったときに不安になったりとか、そういった金銭面以外の精神的ストレスやら悩む時間やらといったものを総合して損得勘定すると、とてもではないが割に合わないしお金をちゃんと払った方がよっぽどスッキリする。
投資で言うなら、いつか暴落するかもしれないリスクを一生抱え続けるようなものである。
と考えると、スマホで簡単に写真や動画が撮れてSNSで拡散されてしまう今の時代ならなおさら、こういった略奪行動は全く割に合わないと思う。
特に上掲のFive Belowからお菓子を略奪してる人とか・・・、それ全部合わせても100ドル行かんでしょってなものに将来の逮捕、訴追リスクを抱えるなんて絶対割に合わないってばよ!
こんな場末の日本語ブログで書いても実際に略奪している人たちには伝わらないとは思うが、「略奪しない方が貴方自身にとってよっぽどお得ですよ!」と伝えてあげたいのであった。
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