IFの概要
IFとはIntensity Factorの略。直訳すると「強度係数」である。NPとFTPを元にトレーニング強度を係数化したもの。
筋肉トレーニングにおける漸進性過負荷の原則にある通り、筋肉の成長に合わせて負荷(トレーニング強度)も漸増させていく必要がある。FTPが210Wの人がNP210WのトレーニングをするとL4のトレーニングレベルとなるが、この人のFTPが235Wになれば、同じNP210WのトレーニングをしてもTempoレベルのトレーニングにしかならない。この違いを1.00をベースに指標で数値化してくれるものがIFである。
例えば、FTPが280Wで、ロングライドでNPが210Wの場合、IFは0.75となるが、1年後にFTPが300Wとなった状態で同じライドをして同じNP値(210W)であれば、IFは0.70となり、以前の強度よりも低いトレーニングとなっていることがわかる。
ちなみにIFはFTPの変化を確認するのに有用である。特に約1時間のレースでIFが1.05以上を記録した場合には、現在のFTPが計算に使ったFTPよりも上昇している(FTP計測をしてFTPを見直すべき時期に来ている)という指標となる。
IF利用にあたっての注意点
一方で、TSSがトレーニング全体のスコアをあらわしているのに対し、IFはあくまで強度平均しかあらわしていないため、「ウォームアップやリカバリーの時間を多く取れば取るほど全体のIF値は下がる」という傾向がある。つまり、一回のトレーニングでIF値を1.00以上にするといった目標にしてしまうと、できるだけ短い時間で強度の高い運動のみ行い、ウォームアップやリカバリーはしなければしないほどIFは高くなるので、効果的な指標とはならない。この点、トレーニングの全体的な指標としてはTSSを使い、IFはトレーニング中の特定時間帯(インターバル中)等の強度分析として使用するのが望ましいと思われる。
IFの強度一覧
IFの強度参考例は以下の通りである。
IF値 | 強度類型 |
---|---|
0.75以下 | リカバリーライド |
0.75-0.85 | 持久系トレーニング |
0.85-0.95 | テンポライド、有酸素無酸素インターバル、2時間半以上のロードレース |
0.95-1.05 | 乳酸閾値インターバル、2時間半以上のロードレース、40km程度の長距離TT |
1.05-1.15 | 15km(20分強)程度の短距離TT |
1.15以上 | プロローグTT、トラック競技 |
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