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伝説のサドルを求めて・・・第4話：アピュイドセル探して

前回からの続き物なので、このエントリから見始めた方はまずは前回のエントリをご覧ください。

伝説のサドルを求めて・・・第1話：Back to... le Tour 1986
伝説のサドルを求めて・・・第2話：アピュイドセルの歴史を紐解いてみた
伝説のサドルを求めて・・・第3話：ダッシュサイクルのStage.9の補足
伝説のサドルを求めて・・・第4話：アピュイドセル探して（本エントリ）
伝説のサドルを求めて・・・第5話：アピュイドセル、Appoggio Lombareのスペック
伝説のサドルを求めて・・・第6話：アピュイドセル、襲来
伝説のサドルを求めて・・・第7話：アーメル・アンドレ
伝説のサドルを求めて・・・番外編：温故知新？！究極のエアロヘルメット
伝説のサドルを求めて・・・最終話：アピュイドセルで実走



ということでSPD Pedalのときと同様、このテーマソングをかけながら「Appui de Selle 探して」に動き出す。



しかし、最大の問題は「そもそもアピュイドセルって今から探して手に入るものなのか・・・」である。


■1986年版アピュイドセル

1986年のプロローグで使われたアピュイドセル。



こちらは、チャンネル2（フランスの元国営放送）の解説によれば使用後すぐに禁止されてしまったらしく、そもそもこの映像以外での写真等々を見たことがない。


■1991年、1992年版アピュイドセル Appoggio Lombare

一方で1991年に登場したアピュイドセルのAppoggio Lombare。



こちらは1992年にもツール・ド・フランスで使われたことから、少なくとも1年間は使用禁止にならずに使われていたことがわかる。



そしてUCI規則に基づけば、1年間は使用されていたということは、すなわち市販されていたということになる。


■UCI規則1.3.007

UCI規則の1.3.007にこんな記述がある。

equipment that is a final product and that will be marketed in the nine months after its first use in competition. The manufacturer must however publish information on the equipment in question in advance and announce the date of its market launch.

簡単に言うと、「レースで使用される機材は市販されている（一般に手に入る）ものでなければならない」というルールである。

新製品がプロモーションの意味も兼ねて発売前に使われる場合でも、そのままの製品が9ヶ月以内に市販される必要があるとしている。

使用直後に禁止されたという1986年版のアピュイドセルは、禁止になったことで9ヶ月以内の発売が取り消されたため（自分が調べた限りでは）市販されなかったのだろう。

一方で、少なくとも1年以上使われた1991年版アピュイドセルは、市販されていたことになる。

実際に、ネットでは商品画像を見つけることができた。




といっても20年以上前の製品。Windowsでいえば95はおろか、3.1よりも前の製品である。

案の定、ネットを探しても全然売られておらず。

Amazonにはもちろんなく、eBayもダメ。

ところがイギリスのビンテージ商品を扱ってるオンラインストアで一個のみ売られているのを発見。



買った途端にOut of Stock（品切れ）になったが、なんとか購入をすることができた。



が、商品説明には「Saddle not included.」の文字が・・・。

まさに「このキットにアムロは入ってません」状態・・・。

Appoggio Lombareはあくまでランバーサポート用のアタッチメントのみで、サドルは別途購入が必要らしい。

ちなみに対応しているのはSelle ItaliaのTurbomaticというサドル。




Turbomatic自体は同じく20年前ながらも、けっこう中古品が出回っているので簡単にeBayで入手。




といってもTurbomatic自体往年の名サドルで、1991年のツール・ド・フランスでは、アピュイドセルは使わなくてもTurbomaticは使った選手もいる。




このシャーリー・モテしかり、




ペドロ・デルガドしかり。



なにはともあれ、こうして着々とアピュイドセルの準備が整ってきたのであった。