欧州遠征記4日目:ベルギーのスタヴロ観光

ベルギーの南部、ワロン地域に広がるアルデンヌの丘陵地帯。



それが今年のアマチュアワールドチャンピオンシップの舞台であった。



そのスタートとなる街、スタヴロ(Stavelot)に到着。避暑地とはいえはっきり言って有名な観光地とは言えず、おそらくこんな機会でもなければ日本人が観光に来ることも少ないと思うので、「ふーん、スタヴロってこんな町なんだ」という感じで見て頂ければと思う。



町の入口に差し掛かるや否やロードバイクの姿が。すでに現地入りしているレーサー達が練習中。



まずはホテルにチェックイン。2日後のタイムトライアル、4日後のロードレースもこの街がスタート&ゴール地点となるため、本来ならば同じホテルに連泊したかったのだが、予約が満杯だった関係で1泊2日のみ。



チェックインしようとホテルに入るが雰囲気がこれまでの商用ホテルと違う。ブティックホテルと銘打ち、入るといきなり大きな白い犬と年配のご主人が迎えてくれる。



「まあまあ座って、何か飲むかい」と言って、広間のソファーを促され、クラシック音楽が流れる中、紅茶を頂きながら主人と世間話をする。



彼の名はアッド、オランダ出身。ここスタヴロは本来避暑地として有名で、閑静な自然をゆったりと満喫できる場所なのだそうだが、自転車のレースになると一気にレーサーたちが押し寄せて町の雰囲気が変わるとのこと。今回もホテルに滞在しているほとんどの客が今回の大会に出るレーサーたち。



しばらく会話してから部屋を案内してもらう。ブティックホテルと言うだけあってかなり雰囲気が出ているホテルである。



鍵も年代ものっぽい。



部屋の窓から外を見ると荒い石畳が見える。



反対側はアルデンヌの丘陵が見渡せる。



停めてある車から荷物を運び込む。と、すでにトレーニングを開始している人も。



ロードバイクも組み立てて部屋の中へ。しばらくしてまずは町を散策することに。小さい町なので歩いて回れる。



アッドに町の地図がないかと聞いたが、ちょうど切らしているので町の観光センターでもらってくれとのことだったので、ホテルの前の道を東へ行って右手に見える赤い壁の建物がそうだと教えてもらう。



教えられた通りにスタヴロの町を歩いていく。



しばらくすると赤い壁の家があった。他の家と同じくらいの大きさで普通の民家っぽいが、ショーケースには地図や本があるし、まあ小さい町だから観光センターもこんなもんなのかと思い中に入る。が、中に入るとお店のおじさんは英語がしゃべれない。拙すぎる片言のフランス語と身振り手振りで、地図が欲しいことと観光センターを探していることをなんとか伝えると、ここではなく、さらに行ったところにあると教えてもらう。そんなこんなで通りを進むと、大きな赤い建物が見える。今度こそ間違いなくあれば観光センターであろう。後でわかったことだが、観光センターはAbbaye de Stavelotといい、元々この町の中心の修道院であった。



壁には何かの記念碑が飾られており、何の記念碑かと思って見ると、どうやらアメリカとスタヴロの友好を記念しているらしい。



この地は第二次世界大戦でナチスドイツ軍の進撃を受けた激戦区の1つで、この町でもアメリカ軍とドイツ軍の戦闘が行われた。



そんな記念碑を見ている間にも着々と練習してる人もいて焦る。が、家族連れではそういうわけにもいかないので観光を続行。



歴史的な背景を感じながら修道院の中へ。



中の観光センターでパンフレットをもらう。旅行前からチェックしていたRAVeL(ベルギー南部のサイクリングロードネットワーク)の地図も置いてあった。



修道院の観光センターは実は一部分のみで、それ以外の大半は博物館となっているので、チケットを買って閲覧する。



お土産ショップもあり。



さすがベルギー。こんなところでもロード関連の本を売っている。



さらに変なポストカード。



こちらも。



こちらも。



まずは1階でスタヴロの歴史を見る。日本でいう飛鳥時代頃からキリスト教文明が栄えていた。



年代ごとに色分けられており過去から遡るように見ていける。



最後にはモダンアート。





なんか前衛芸術っぽい服も。



ちなみに修道院としての名残もある。建物自体がかなりの歴史を持つ建造物らしい。



2階に上がるとこちらは画家の展覧っぽい感じ。ギヨーム・アポリネール(Guillaume Apollinaire)というポーランド系イタリア人画家のギャラリーとなっている。印象派批判主義「キュビスム」の先導者らしい。が、はっきり言ってそこらへんは詳しくないのでさっと見て次へ。



3階にはキャンベルが。



そして中に入ると、近代ポップスの歴史的な感じで色んなレコードが紹介されている。ジョン・レノンも。



目を移すと、なんとジョン・レノンと同じスペースにラッツ&スターが。さすがにスタヴロの担当者も田代まさしのその後までは知らなかったのであろう。



最後に地下にある展示場へ。というか、実はこれが来る前からチェックしていた「F1博物館」である。



正式名称は「スパ・フランコルシャン・サーキット博物館」。スタヴロから目と鼻の先にあるスパのサーキットでベルギーGPが毎年行われており、実際のレーシングカーが展示されている。



かなり古い型のレーシングカーもある。



実際のF1カーが並べられている。



館内には常にF1カーの排気音が鳴り響いている。10,000rpm以上の超高回転エンジンが成せる甲高い音である。というかもし10,000rpmでペダルを回せたら…と思ってしまう。



F1カー以外も。









奥に行くとスパ・フランコルシャン・サーキットの模型。



その隣の部屋には、各種レースゲームが楽しめるようになっている。が、ここで開館時間が終了。係員に外へ出るように促される。



出口に向かう途中で気になるものを見つけ写真に収める。なんとF1博物館に自転車の展示が…。



チェーンがない自転車。普通、チェーンがない自転車となると、ペニー・ファージングのようにホイールのハブ部分にペダルが付いている。が、このモデルではチェーンなしで動力部(力が加わるペダル)と回転部(ホイール)を別々に実現している。



ということで外へ出て夕食に。簡単に済ませる。



ザウアークラウトがたっぷり乗ったホットドッグ。



こうしてスタヴロ初日は町の観光で終わった。



タイムトライアルまであと2日である。


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