まず、その前に訪れたリエージュでは、自転車自体をそれほど見かけなかった。確かに自転車に乗っている人はいるが、そこまで多いという印象もなかった。
ところがドイツに入ってその自転車人口の多さに目を奪われたのであった。
■アーヘン
アーヘンでは車の中から通りを行き交う自転車を見ることができた。
その様子、通り過ぎる自転車を片っ端から撮影していったので一気に掲載したい。そしてその傾向を考えてみていただきたい。ちなみに見かけてからシャッターに収めるまでにかかる時間もあり、通り過ぎた後に撮っているため後ろ姿ばかりだがご容赦いただきたい。
ここまで見て気付いた方もいると思う。
まず、ヘルメット着用率が低い。
次にママチャリが多く、あってもシティーサイクル系である。
悲しきかなロードバイクを見る機会はほとんどなかったし、スポーツ仕様のサイクリストっぽい人を見たのも一度のみであった。
■ケルン
ケルンもアーヘン同様、ママチャリ系が大半を占める。
ヘルメット着用率も低い。
中には音楽を聴きながら走ってるおじちゃんも。
格好も普段着やオシャレをしたまま、短いスカートで乗りこなしてる女性もいて、良く言えば「通常の歩行時と変わらないスタイリッシュさを自転車に乗るときも維持」、悪く言えば「自転車は車両というより歩行の延長線上で危機意識も低い」と言える。
また、ケルンにはCall a bikeというバイクシェアリングシステムがある。
バイクステーションが不要なシステムで、街角や交差点などにCall a bikeの自転車が置いてあるのを見かけることができた。
バイクシェアリングは、このあともルクセンブルク、ベルギーで何度も体験することになるのだが、それらが観光客向けに1日パスだったりも用意しているのに対し、このCall a bikeは、携帯電話による登録・認証が必要ということで半日の滞在には敷居が高く、実際に利用するまでには至らなかった。
■総括
ここまで見てきた中で特徴的であった点は以下の5点。
- ママチャリ系が中心
- ヘルメット着用率低し
- 赤信号を守る
- 自転車レーンがない場所では車道を走る
- 自転車レーンが歩道内にもある
最初の2つはすでに上記で述べた通り。次に、ドイツという国民性に対するイメージ通りというか、赤信号を守る人は多かった。見通しの良い通りで左右から車が来ていなくても、自転車のみならず歩行者も止まっている人が多い。ニューヨークなら逆に大半の人が渡っている状況である。
そして、ママチャリが多かったり、ヘルメットの着用率が低い点は日本に似ているなぁと思ったが、大きく違うのは「車道を走る人が多い」という点である。ニューヨークでは、基本ママチャリがなく、クロスバイクやマウンテンバイク、ピストが車道を走る。どちらかというと自転車は毎日の足というより運動の手段という意識も強い。その傾向は郊外に行けば行くほど顕著で、車社会のアメリカでは、移動は車中心。自転車は移動手段ではなく運動手段となる。
車社会という点では、日本もドイツも巨大自動車メーカーを抱える国だが、「主婦がママチャリで買い物に行く」という傾向は一致している。大型スーパーに車で乗りつけて一週間分の食料を大量に買っていくアメリカとは違うライフスタイルである。にも関わらず、車道走行においてはドイツの方が日本よりも徹底されている。そこは素直に感心できた点であった。
一方で、自転車レーンがある場合は、その自転車レーンが歩道内に設置されていることも多い。
特にケルンでは、歩道内以外に設置された自転車レーンを見る機会はなかった。歩道内に白線や色分けで自転車レーンがあるため、もちろん路面は車道のそれではなく、でこぼこした歩道のそれになる。どおりでロードバイクが少ないわけである。スピードは出せないし走りにくいしでおよそロードバイクの特性が活かされず、ママチャリやクロスバイクがベストの選択肢になるのかもしれない。
そんなことを考えながら、後ろ髪を引かれる思いでドイツを後にする。
今思えばチョコチップ入りヨーグルトも、ポテチも、エナジードリンクもドイツは良かった。
夜10時まで開いているスーパーがあったりと、その後訪れた街からは考えられない都市環境であった。
はっきり言って、生活のしやすさでは今回行った国の中でナンバーワンだったと思う。さすがはEU内の大国である。
さらばドイツ。そう別れを告げてベルギーのスタヴロへ向けてアウトバーンを西進するのであった。
意外とロードを見かけないものなのですね・・それともロード乗りは町中を走らないとか?
返信削除あまりに少ないとちょっと寂しいですね。。
みんなサドルの高さベタ下げじゃないですね
返信削除おそらくロード乗りは町中を走っていないんだと思います。実際にロードではかなり走りにくかったですし。
返信削除自転車レーンも歩道内に設置されているので、信号を待っていると同じ歩道の目の前を自転車がすり抜けていって結構怖いなあと思いました。高速走行には向いてないですね…。
ベタ下げの人もいましたが、適切な高さにしている人も多かったです。それこそ買い物に行ってそうなおばちゃんまで。そこらへんはさすが自転車先進国というところでしょうか。
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