スギノのコンパクトプラスクランクをTrek Madone 6.9 Proに装着する。
去年日本でクランクを外したときに、BB自体が外れてしまったので今回は圧入ツールを持ってきている。
圧入用のBBカップをはめて。
Enduroのベアリングを圧入。
圧入後、クランクを装着。
そしてCycleOpsのP1を装着。
やはりP1は楽で、マグネットをフレームに接続する必要もなければクランクの制約も受けない。この装着の簡単さがP1のペダル型パワーメーターを使っている理由である。
そして近所を試走・・・。
が、試走すると、キーキーキーと異音が聞こえる。
何回か走りながら確認してみると、どうやら右ペダルが回りにくくなっている。
最初はベアリングか何かかと思ったが、よく見ると、ペダル軸の軸元部分とクランクが密着してしまい干渉している。
左ペダルはなんともなく、右ペダルだけおかしいので、左右の違いを比べてみると違いがハッキリした・・・。
なんとSuginoのクランクは、ペダルを装着する部分の溝(↓写真参照)が、左クランクだけ深いのである。
それでも通常のペダルであれば軸の根元部分が細い場合が多いので問題は起きないのだろうが、CycleOps P1ペダルはパワーメーターの歪ゲージ内蔵のためか軸元がすぐに太くなっており、深い溝のためにクランクと軸元(本来ならベアリングのおかげでクルクル回転するペダル本体部分)が接触し、ペダルを締めると一緒に固定されてしまうのであった。
ちなみにシマノのDura-Aceや105のクランクでは起きなかったし、そもそも左右のクランクで溝の深さが違うというのもおかしいので、この右クランクだけ深いという溝は設計ミス※というかいわゆる「仕様」なのだろう。(※ただP1のような太くない軸元でなければ動作上は問題ないので普通のペダルを使っている人は全く気付かないレベルだと思われる)
なにはともあれ、2日後に乗鞍出発を控えた身としてはもう時間がない。
ペダルを締めたときに接触しないように締め方を緩めると、まったく固定力がない状態になり、試しに手でペダルをクルクル回していたら緩んで外れてしまったので不可。なまじ緩い状態で走って、乗鞍のヒルクライム中にペダルが外れたらと思うとゾッとする。
すぐに対応できる方法としては、クランクの表面を削って溝を低くするか、ワッシャーをかませるか。
最初に思いついたのは前者の方法で、ヤスリで削り始めてみたが、ワッシャーが使えるならその方がよさそうである。
ペダル軸部分を計測してみると、ワッシャーは内径14cm、
外径18cmくらいならよさそう。内径がそれより狭いとペダルにはまらないし、外径が大きいと溝からはみ出てしまう。
ということでホームセンターに行ってワッシャーを探す。
が、ホームセンターのワッシャーは内径が狭いものがおおく、ちょうどいいサイズのものが見つからない。
ちなみにゴムワッシャー(というかゴムパッキン)では細い(外径と内径の差が短い)ものがあった。
一応試してみたものの、やはりゴムではペダルの締めトルクには耐えられず、ゴムを変形させた上で接触&干渉してしまう。
しょうがないので、ステンレスと銅のものを購入し、ひたすら削ることに。幸いワッシャーなんて数百円もしないので、予備を買っておいても懐は痛まない。
その後、久しぶりに日本のテレビを見ながらひたすらダイヤモンドヤスリで削る。
途中夕食へ。日本へ帰ってきたらやはり海鮮。
そしてレースに向けてちゃんこで重量増。
夕食から帰ってきてもひたすら削る。
時差ボケが襲ってきて夜9時ごろには眠たくなるが半分眠りながら削りつづける。
削り始めてから4、5時間・・・、ついにペダル軸がはまるまで内径を広げることに成功。
疲れた・・・。
労働時間を含めたら数千円するワッシャーである。
我ながらよくここまで削れたものだ・・・。まさしく気合いの一言。
ペダルにワッシャーをかませて締めてみると問題なし。
上掲した写真と比べていただくと、ペダルを締めてもちゃんとクリアランスが確保できていることがわかる。
翌日、試走もしてみるが違和感なし。
けっきょくロードバイクを走れる状態にするのに乗鞍出発前日までかかってしまった。
割れてエポキシ接着剤で直したフレームに、手作りのワッシャーペダル・・・。
こんなDIY感満載のロードバイクでいざ乗鞍に臨む・・・。
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