欧州遠征記11日目:ルクセンブルクのバイクシェアリング Veloh!

ルクセンブルクに入った途端に目に入ってくるものがあった。



そう、ルクセンブルクのシェアサイクルVeloh!である。



シェアサイクルとは、レンタルサイクルと似て非なるもので、英語ではBicycle Rentalに対して、Bicycle Sharing Systemという別システムとして認識されている。まず、一般的なレンタルサイクルは、営利団体(商店街の自転車屋含め)がビジネス目的で行い、借りた場所に返却する必要がある。一方で、シェアサイクルとは、公的機関が社会公共的な目的(自動車交通量やCO2の削減)で行い、街中に設置されたスタンドのどこでも返すことができるシステムになっていることが多い。



今や持続可能な社会の実現として、環境的な面からも都市交通の面からも注目を浴びており、ヨーロッパの各国は言うに及ばず、カナダ、アメリカ、メキシコ、オーストラリア、中国、イスラエルに至るまで、シェアサイクルは世界的な潮流になっているといっても過言ではない

地方公共団体等の公的機関が推進しているだけあって、ステーションの設置場所も各所に散らばっており、市の中心や繁華街、観光名所、駅やバス停の近くにも設置されている



駅やバス停等の公共交通機関の要所に併設することで、都市交通における補完的な役割を自転車に担わせることに成功している。例えば、自宅最寄のステーションから駅までシェアサイクルで行って電車に乗るといった感じである。↓はルクセンブルク駅前にあるステーション。



実際、買い物袋をカゴに入れた主婦から、スーツを来た仕事帰り(外回り仕事中?)のサラリーマンまで、様々な人たちが同じブルーの自転車に乗っている姿を見かけた。

また、ルクセンブルクでは観光名所の近くで多く見かけることができた。単なる地元民の交通手段としてだけでなく、旅行客の観光手段としても提供することで観光産業の発展にも寄与している。シェアサイクルは多様な要望を満たした環境社会型エコシステムと言うことができる。↓はアドルフ橋の新市街側にあるステーションである。



今回は観光客として利用してみる。観光客の場合は、自転車が設置されているステーションにあるメインターミナルという端末で、その場でクレジットカードを使って登録することができる。



ルクセンブルクでは7日間パスというものがあったので、まあ1泊2日しかいなかったのだが、せっかくだから7日間パスで登録してみた。



クレジットカードでチケットを購入して自転車を借りることができる。



操作はATMのようにタッチパネルに加えてテンキーで行う。



好きな番号を選んで借りることができる。つまりは、借りる前にパンクやタイヤの空気、その他の故障、汚れ等をチェックして、どの番号の自転車を借りるか決めておく。といっても、借りてロックを外した後に気付いた場合でも、一定時間以内であれば、同じステーションに返却して借り換えることができる



フレームのところにロック機構が搭載されている。



ロック台に接続することで、自動的にロックされて返却完了。



日本の駐輪場と同じように、カゴの中にゴミが入っている場合も。



もちろん生活の足であるため泥除け&チェーンカバー付き。



気になる料金は最初の30分までは無料。それ以降は1時間ごとに1ユーロ。



しかし、タッチパネルは多言語対応で英語も選べるが、支払い&テンキー操作用の小さいディスプレイはフランス語…。うーん、なんという片手落ち感…。



変速は三段まで。というか三段じゃあグルント地区に行くのは厳しそうである。



左手側にはベル。



まずは、旧市街でケーキを買ってホテルに帰るまでに利用。



街中には自転車用の観光名所案内も。シェアサイクルで巡ってくださいという配慮なのだと思う。



その後もせっかくなので、新市街の中心部を回ってみるのに使用。ステーションの場所はインターネットでも、ステーションにある端末でも地図で確認できるので、どこに返せばいいのかもすぐにわかる。



地元民に混じってルクセンブルクの町をのんびり走るのは、ロードバイクで駆け抜けるのとはまた違った趣があった。


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