欧州遠征記2日目:アーヘンのラートハウス、大聖堂、カロルステルメン

高速を降りてアーヘンへ。ポールで突き出た形の信号機はニューヨークに似ているものを感じる。まあニューヨークはそこからさらに信号機本体をぶら下げているのだが…。



看板には来たばかりのリエージュへ戻る案内が。



アーヘン市内に入るとドイツ語の看板が街を埋め尽くす。ドイツに入ったんだなぁと思うと感慨深い。



さっそく駐輪場を発見。ドイツの自転車事情もこれまた気になるものである。



まずは何はともあれチェックイン。あらかじめ予約しておいたアーヘンの宿に向かう。



いつも困るのが駐車事情で、さまようこと30分。立体駐車場もあったが、車で移動する予定もあるので、まずは駐車可能な路上を探す。

やっと空きを見つけて駐車。駐車チケットの券売機で格闘していると、親切なおばさんが話しかけてくれる。これまた拙いドイツ語で会話。とはいえフランス語に比べればドイツ語は大学時代に2年間やっておいたので、(本当に)簡単な会話と数字くらいはわかる。とりあえずここに駐車してよいことがわかり、チケットをゲット。



ホテルは家族経営で、豪華さはないがこじんまりしていて良い感じ。駐車場のことを聞くと、立体駐車状(ドイツではパークハウス(Parkhaus)という)は市庁舎(Rathaus)の近くにあるのが一番近いらしい。が、それでも結構歩くので、大きな荷物をできるだけ歩きたくない。路上であれば夜間は無料だと言うし、どちらにしろ夕方から車で温泉に行く予定なので路上駐車をすることに。



まずは市内を観光。歩いてアーヘン市庁舎のラートハウスへ。



はっきり言って、アーヘンは「カール大帝の街」であり、カール大帝の像やら縁のものが至る所にある。



ラートハウスに入る際に、ボイスナビゲーターを借りることができる。



「複数の言語が選べますよ?」と言われたので、「うーん、どうしようか、広東語はないだろうから、日本語にしようか、中国語にしようか、英語にしようか」と話していると、係員が「ドイツ語とフランス語とオランダ語と英語があります。」と一言。「……。じゃ、英語で」と答えるしかなかった。が、このボイスナビゲーターは優れもので、自動で現在位置を把握して、今いる場所の説明をしてくれるというものであった。



水晶でできたクリスタルカール。



カール大帝のサインの装飾品。55ユーロで売っている。



こ、この顔、このハゲ親父は…。プロイセン王でドイツ帝国初代皇帝のヴィルヘルム1世ではないか…。



自分はコインマジック用にプロイセンのThaler銀貨を持っているのでここらへんは詳しいのである。



これはおそらく、ヴィルヘルム1世の子で第8代プロイセン王・第2代ドイツ皇帝のフリードリッヒ3世。というのも手持ちの銀貨に顔が掘られているので馴染みの顔なのである。



ちなみにフリードリッヒ3世は99日間しか在位していなかったため貴重なコインである。



窓の紋章はプロイセン王国時代のよりドイツ帝国のバカ殿以降のマルク銀貨に似ている。羽が下方向に伸びているのが特徴。



こちらがフリードリッヒ3世の子で、第3代ドイツ皇帝のヴィルヘルム2世。祖父であるヴィルヘルム1世と宰相ビスマルク、参謀総長モルトケが築き上げたドイツ帝国を破滅に向かわせたバカ殿。ビスマルクを辞職させ第一次世界大戦へとドイツを導き、ドイツ帝国を崩壊させた。ということで、まさしくこのラートハウスには、カール大帝の神聖ローマ帝国からドイツ帝国まで、ドイツの歴史が凝縮されていると言って良いと思う。



階段を上ると窓の外にはユネスコ世界遺産のアーヘン大聖堂が。



ラートハウスの2階は大広間となっている。



ラートハウスを出ていざアーヘン大聖堂へ向かう。2008年時点で年間150万人、ドイツ国内の観光名所としては第4位の観光客数である。



アーヘン大聖堂の周りをぐるっと1周。ちなみに内部にはカール大帝の遺体が埋葬されている。



ラートハウスと大聖堂を見た後ホテルへ戻る。




そして車で少し離れた場所にあるカロルステルメン(Carolus Thermen)へ。



アーヘンでカール大帝と並んで有名なのが温泉で、そもそもAachenという名前は「泉」という意味があり、フランス語名のAix-la-Chapelleも「礼拝堂の泉」という意味である。



その歴史は古く、日本では弥生時代、古代ローマ帝国の頃からの温泉保養地であり、カール大帝時代にフランク王国の事実上の首都となった後も現在に至るまで温泉地として親しまれてきた。今回の旅における2大温泉地※の1つである。(※もう1つは後述するスパという街。温泉やエステで使われるスパという単語の語源となった)



ちなみにカール大帝のラテン語名はカロルス・マグヌス(Carolus Magnus)。つまり、カロルステルメン(Carolus Thermen)とは「カールの温泉」という意味である。カール大帝も水泳が得意だったので、まさしくカール大帝と水の街、アーヘンに相応しい名称である。



こちらはカロルステルメンの施設マップ。



中は近代化されていて、ある種、スーパー銭湯的な感じになっており、熱すぎないお湯のジャグジーが屋内外に。屋外では人口の滝も。2階にはサウナも完備されている。まあぶっちゃけ、近代化されすぎていて上記の歴史は微塵も感じられない



システムも近代化されており、受付時に渡されるコインでロッカーの施錠から施設内での購入、精算まで行える。



たっぷりと温泉に浸かったあと、お腹が空いてきたのでホテルに帰る。カロルステルメン内にもレストランがあるが、ホテルの近くに中華食べ放題があったのでそちらに行きたかったのである。



ところが、駐車できる場所が見つからず、駐車するまでに1時間。自分は時折外に出て場所を探したり確保したりしたので体はすっかり冷え切ってしまい、さらにホテルの隣の映画館が上演終了し、ホテルのすぐ前のスペースが空いたのでそこへ駐車し直すと、もう中華食べ放題も営業終了。

そのまま宿に帰ってパンを食べて寝るしかなく、なんとも言えない感じで眠りに就いたのであった。


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