とりあえず朝起きてキャンプ場内をサイクリングしてペダル感触を確かめる。タイムトライアルの疲れはないといえば嘘になるが、今日一日ゆっくりすれば回復できるだろう。
といっても家族旅行中の身としてはゆっくりしているわけにもいかず、ヴィエルサルムから車でいける距離にあるアン・シュール・レッセの洞窟へ行くのであった。
高速に沿って行くので、南西へ走ってから折り返して北西へ行くような形になる。
方角的には西南西なのだが、山道が続くため二倍以上の距離を走っても高速経由で行った方が早くなる。
Han-sur-Lesseに到着。
今後、この○-sur-△という地名が良く出てくるが、基本的に「△という川に沿ってある○という町」という名前である。つまり、今回のHanは、Lesse川沿いにある町である。
町の地面に、川沿いにある周辺の町の地図を模したものがあった。最初に訪れたリエージュ、そしてこの後訪れるルクセンブルクも同じような形で川に沿っており、アルデンヌにある町は川とともにできているようである。
この町は自然をモチーフにした観光の町と化していて、町全体が観光業で食っているような感じであった。
町の中心には観光センターがある。
そしてその横には鍾乳洞ツアーへ出る機関車と、サファリツアーへ出るサファリバスの出発場となっている。
といっても着いた直後はそんなことは知らず、どちらも30分に1回しか出ないということで、出発ギリギリだったのでどちらかも確かめもせずにとりあえず乗る。
と、それはサファリツアー行きで、バスは町の中を走り出す。
■サファリツアー
そもそも、この町はファミリー向け観光地なのか、小さい子供連れの家族が目立つ。
子供たちを乗せてバスは町を抜けていく。
そして一気に視界が開けて広い場所に出る。
しばらく開放感に浸りながら風を浴びていると、バスは森の中へと突入して道はどんどん狭くなっていく。
動物が行く手左右に出てきて、サファリといった感じになってくる。
イメージ的には昨年フロリダ旅行の際に行った、ディズニーのアニマルキングダムに似ている。
といってもアニマルキングダムに比べると規模的にはそれは小さなものだが…。
一方で、開放感という点ではディズニー以上である。
景観の良い所でバスは時折ストップして休憩タイムに入る。
見渡す限り誰もいない中に佇むのは自然の大きさを感じさせてくれる。人混みでごった返しているディズニーとは大違いである。
この辺りは自然の造形が秀逸で、1時間にも満たないバスツアーの中でも、森、草原、洞窟と、様々な表情を見せてくれた。
ちなみに一昨日のチェックインで付けられたリストバンドが、大会が終わるまで外せないのでつけたままになっている。
当初は、たいしたことないだろうと見くびっていたが、意外にけっこう楽しむことができ、良い気分転換になったと思いながら、アン・シュール・レッセのテーマソング?を聴きながらバスに揺られて町へと戻っていくのだった。
■鍾乳洞
そしてアン・シュール・レッセの主要観光スポットで、ミシュランガイドで三つ星を獲得している鍾乳洞ツアーへ。
まずは機関車に乗って鍾乳洞入口まで向かう。
鍾乳洞の入口で、ガイドツアーの振り分けが言語ごとに行われる。
それぞれガイドさんが自分の担当言語のプラカードの下で、「フランス語の人はこちらー!」といった感じで呼びかけている。ちなみにガイドツアーの言語はフランス語とオランダ語とドイツ語から選べる……。
どれを選んでも聞き取れないことには変わりないので、最も早く出発するオランダ語のツアーに付いて行くことに。オランダ系の人々が集まる中、めちゃく浮いているアジア系だがまあ気にしない。
鍾乳洞に入ると一気に気温が下がり、最初は涼しくて気持ち良かったが、段々寒くなってくる。ガイドさんは一日中洞窟の中にいるためか、冬用ジャージで防寒バッチリであった。
鍾乳洞としては有名な観光名所であるので、それなりに見ごたえのある鍾乳洞であった。
しかもかなり大きい洞窟で、1時間半近く鍾乳洞の中をツアーしていた。
ときにはかなり大きな空洞になり、まさに洞窟探検という名に相応しい。これは子供だったら大喜びである。
そして洞窟の中に地底湖や川があり、洞窟内のランプが地底湖に反射し、なんかマイナスイオンでまくりな感じで癒されていくのであった。
洞窟の最後には、ドーム状の空間の中心にベンチが設置されており、音と光のショーが行われる。
様々な色の光で照らされる洞窟は音楽と合間って幻想的な感じであった。
最後に地底湖の橋を渡って外へ。
外から見た洞窟出口。この川が洞窟の奥にまで繋がっている。
外へ出ると軽食やカフェが並ぶ。
そして歩いて町の中心まで戻ることができる。
途中には触れ合い広場的な公園があり、動物と触れ合う子供たちでいっぱい。
遊具もあって、まさしく子供連れが週末に遊びに来るような場所なのであろう。
洞窟の歴史の資料館もあり、全体像や、発見の歴史などを見ることができる。
さらに3Dシアターもある。
シアターとゲームが一緒になったようなもので、洞窟探検を疑似体験するというもの。
各席の手元にある機械でテレビゲームっぽいシューティングをすることができ、各席で得点を競えるようになっている。
元々、アン・シュール・レッセにいるのは2、3時間くらいだろうと思っていたが、思いの他時間が経ってしまい、既に町を出なければいけない時間。
今回の大会主催のパスタパーティーがスタヴロであるので向かう。
スタヴロへの道すがら、すごいオブジェを見つけた。なんでもない普通のロータリー交差点でいきなりこんな巨大自転車オブジェがあるなんて、この国の人々は自転車好きなんだなーということを感じずにはいられない。
スタヴロに着いて、スタヴロ初日に観光した修道院へ。
この修道院の地下で行われるとのこと。普段非公開でこんなときでもないと入れないので役得であった。
パスタパーティーといっても豪華ではなく、簡素な感じである。
といってもけっこうお腹いっぱいになり、普段アルコール類は全く飲まないのだが、せっかくベルギーに来ているので少しだけベルギービールを飲んで帰途へ就く。
帰り道、スタヴロ周辺はほとんどが明日のロードバイクのコースになっているので、練習している人をみかけることができる。
アルデンヌの丘陵に月が出て、
陽が沈む。
明日のロードレースのインフォメーションが設置されている。いずれも屈指の峠。
そんなこんなでヴィエルサルムに到着。
コテージに戻ってテレビを見ると、普通の地上波のニュースでロードレースを報じている。ここらへんはさすが自転車が国技の国である。これが日本だと野球だったりサッカーになるのだろう。
ということで、翌日のロードレースに備えてこの日は早めに就寝した。
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