リエージュの街中に入る。
「これがリエージュ~バストーニュ~リエージュのスタート&ゴール地点で、2012年のツール・ド・フランスのスタート地点でもあるリエージュか…」と思うと感慨深いものがある。これを今読まれている皆様も、そんなことを考えながらリエージュの街並みをご堪能いただければ幸いである。
毎年の春のクラシックレース、そして来年はツール・ド・フランスのシーズンにも、トッププロと熱狂的なファンで埋め尽くされるのだろう。
そして目に飛び込んでくるのは一面の石畳。
ベルギーの自転車メーカーであるリドレー(Ridley)のウェブサイトにこんな説明がある。
まさに噂に違わぬ石畳っぷりである。石畳の洗礼は後日、レースで味わうことになるのでそのときにでもインプレ(?)をしたいと思う。
まずは荷物もあるのでホテルに直行。受付に行って隣の立体駐車場の駐車可能スペースを聞く。
■リエージュのホテル
駐車したあとホテルの中へ。自転車のチェックもしたいが、それは暗くなってからでもできるので、まずは日中の時間を有効活用するために観光優先。
コンセント口が豊富で各国対応になっている。
高級ホテルではないので必要最低限だが、可もなく不可もなし。
■リエージュ散策
というわけで身を軽くしてリエージュの街を散策することに。
ホテルを出るといきなり歴史のありそうな教会が。
そして商店街を南へ歩くのだが…。人がいない…。
あらかじめスーパーマーケット的なものも調べていたのだが、そもそも商店自体閉まっている店が多い。
ニューヨークのSOHOにもある「Superdry 極度乾燥(しなさい)」も。ちなみにイギリスのファッションブランドである。香港でいう「優の良品」のようなものか。
おそらく日曜日のため、ヨーロッパでは休みの店が多いのかもしれない。
まずは聖パウロ大聖堂(Cathedrale St-Paul)へ。
そしてさらに南下して聖ヤコブ教会(Eglise St-Jacques)。
リエージュはもともと、神聖ローマ帝国時代にリエージュ司教領、リエージュ司教君主領として栄えた宗教都市であるため、至るところに教会がある。
小腹が空いたのでQuickというファストフードで遅い昼食をとる。
フライドポテトを買ったのだが、ケチャップにもお金を払う必要があり、なんと0.6ユーロ。高い。
さらに、驚いたのは、店の中までホームレスが入ってきて座っている客に金をねだってくる。少なくともニューヨークでは店員に追い出される状況である。
丁重に(?)お断りしたあとトイレに行ったのだが、トイレの前でもおばさんが金をせびって来る。またホームレスかと思い断ったのだが、これは物乞いではなく、トイレを掃除する人にチップをその場で渡すのがヨーロッパでは一般的らしいことを後で知った。つまり、ファストフードの店舗内といえど、店の制服も着てない(中東系の人が多いのでむしろ服装が全く違う)おばさん、おじさんが、店とは別に(賃金を保障される正規雇用ではなく)、個人的に働いて金を稼いでいるのである。ちなみにトイレによって違うが0.5ユーロほど取られることも。
高級な店で豪華トイレならともかく、公衆トイレや普通の(むしろニューヨークのマクドナルドのトイレよりも汚い)トイレすらお金がないと使えないとなると、人間の基本的な生理現象すら制限されてしまうようでよろしくないと思った。
そんなこんで小さなカルチャーショックを受けつつも食べ終えて外に出る。
君主司教宮殿に近づくに連れて歩行者が増える。どうやらこのあたりが街の中心のようである。
自由のシンボルと呼ばれるペロンの噴水(Perron Fountain)。
ペロンの噴水の南向かいの角に行列が。なにかと思うと、フライドポテト屋らしい。ちなみにベルギーではフライドポテトのことをフリッツ、フライドポテト屋のことをフリットリーと言う。ベルギーは、国民一人当たりのジャガイモ消費量がドイツよりも多く、ジャガイモが日常食になっているらしい。その後他の街でもフリットリーを何度も見かけた。というのも、フリットリーは店の前にフライドポテトのでっかい看板を立ててることが多いのですぐにわかるのである。
ちなみにここまでフリッツを解説しておきながら、直前にフライドポテトを食べてしまっていたため、フリッツは食べずに通り過ぎる。
そして聖バルテルミー教会(Eglise St-Barthélemy)に到着。
さらに進むと、個人宅の入口的なところを中へ進む観光団体がいたので、混ざって中へ進む。
すると中庭があり、何戸か家が固まっている様子。造り的に北京の胡同にある四合院に酷似しているのが興味深い。
そこら中にある教会を見つつ、
ビューラン山へ。
眼前に聳えるビューラン山の階段。リエージュはムーズ川とビューラン山の間に広がる坂の街である。
さきほどの観光団体がいたが、高齢の方が多いためか麓で解説のみして帰っていった。
こちらは気合いを入れて373段の階段を上る。
というか階段でなければ自転車で上りたかった。
階段を上ったあと、さらに山の頂上へ向かう。
第一次、第二次世界大戦の記念碑。
ムーズ川が一望できる。
後ろを振り向くと山頂にはシタデル(城)の城壁が。
が、時差が効いてきて段々体力的&精神的にきつくなってきたので下山して休むことに。ベルギーとニューヨークの時差は6時間。午後7時ごろはすでにニューヨークでは午前1時に相当。
それにしてもここの石畳は酷い。単に石で出てきているだけでなく、うねっているのである。
そんな中でも自転車を見かける。こんな街で育っていたら坂に強くなりそうだ。まさしくベルギー版野々村輝である。
■飛行機輪行の後遺症チェック
時差による疲れがひどいが、翌朝ライドもしたいので、立体駐車場に駐車した車に戻る。
とりあえずこれまで時間がなくてできなかった自転車の組み立てをする。組み立てといっても輪行バッグから出して衝撃吸収材の包装を解くだけ。
以降、帰りの飛行機までは輪行バッグに入れることはないので、輪行袋を邪魔にならないように車内にしまい、問題がないかホイールも付けて試走してみる。
と、いきなりシフターがひん曲がっている。シフターの曲がりであればその場で直せるのでグイっと元のポジションに戻す。
さらにバーエンドキャップが見当たらない。この点、1つはすぐに見つかったが、もう1つは見つからない。そしてバッグの中には「検査のため中身を調べました」の税関の通知が。もしかして気圧の関係で吹っ飛んだのではなく、検査時に失くされたのではと不安になる。
結局、その後輪行バックの底に挟まっているのに気付き事無きを得たわけだが、その場では焦ったものである。
ということで、明朝リエージュの街のライドもしたいため、シャワーを浴びて早めに床につく。
こうして、JFKから続いた長い長い初日が終わったのであった。
終始石畳に注視しておりました。
返信削除あんまりゴミが落ちてませんね。
さすが宗教都市!
パリの石畳には枯れ葉がよく似合いました。
石畳の上をロードで走ってみたいですねー。
アメリカのブランドでも対応できるのでしょうかw。
トイレの話は何となく階級社会って感じが伝わってきます。
ポテトフライはマヨネーズなんですよねw
なんでも「サムライソース」とやらがあるそうな。
石畳はきつかったですが、確かに仰るとおりゴミはありませんでした(全くないということはないのかもしれませんが、少なくともゴミは意識に入りませんでした)。
返信削除私はTrekで走りましたし、プロレースでもSpecialized、Cannondale等々走ってますので問題ないと思います。まあ私の場合、上に乗っかっている人間の方が対応できてませんが(笑)。フリッツは店によっては十種類以上のソースが常備されていて、好きにかけて食べられるようです。ケチャップですら0.5ユーロ取られるファストフードとは大違いです。サムライソース…、どんな味がするのか食べてみたいですね。