肋骨損傷ブルベ

1週間経ってやっとブログを更新できた。

というわけで、アバラにヒビを入れながら200km走って1週間経った今でも
健常者と同じように歩行ができない地獄の走行記録でござあい。


準備


前日にWebでキューシートが公開されていたので、あらかじめGarmin Edge 705に登録しておく。

登録に2時間ほどかかりおかげで寝不足に。

といっても当日の作業(キューシートのルートチェック)を前日にしておけるのだから必要な準備だ。

今回はコントロールポイント(途中のチェックポイント。休憩ポイントにもなる)が最初と最後をあわせて7つ。4つ目が折り返し地点となり、まったく同じルートではないが、似たルートを往復してスタート地点に帰ってくることになる。

区間 到着地点 区間距離 累積距離 タイムリミット 休憩スポット(飲食)
スタート Princeton 0 0 8:00 あり(無料)
第一区間 Frenchtown 36.1 36.1 10:52 あり(無料)
第二区間 Voledam Windmill 11.5 47.6 12:08 なし
第三区間 Asbury Deli 14.0 61.6 13:36 あり(有料)
第四区間 Riegelsville Turnoff 17.3 78.9 15:28 なし
第五区間 Frenchtown 9.9 88.8 16:32 あり(無料)
第六区間 Princeton 37.9 126.7 20:30 あり(無料)


出発


7時開始ということで、5時に24時間営業のレンタカー屋で集合することに。

4時半頃に自宅を出てレンタカー屋に向かう。

が、いきなり寒い。

先週のスタテンアイランド一周のライド状態を参考に、アームウォーマー、レッグウォーマーのみ、ダウンジャケットなしの状態で家を出たが、ブルックリンブリッジを渡っているときに「こりゃあかん」と思った。ブルックリンブリッジ脇に見えるビルの表示では現在気温が5℃となっていた。軽装備すぎたかもしれないと不安になる。

なんとかブルックリンブリッジを渡りPark Avenueを北上していくと途中で右目の使い捨てコンタクトが外れてしまう。

前回のロングアイランド一周ライドで最後の最後に外れた経験を踏まえて、使い捨てコンタクト&風除けのサングラス(調光レンズ)という組み合わせでいったのだが、ゴーグルの役目の効果も果たさずいきなり取れてしまった。

幸い、サングラス(といっても辺りは真っ暗なのでグラスは透明な状態のまま)と頬の間に挟まってくれていたので停止して風がこない建物の影に隠れて付け直す。

そんなこんなで風が強い中レンタカー屋に到着。

すでに同僚のTさんが車を借りてくれていて、ロードバイク二台を積み込む。

そしてマンハッタンを5時半に出発。Holland Tunnelを通ってRoute 1を南下。



1時間ちょっとの道のりを経て、集合場所であるニュージャージー州のプリンストンに到着。


スタート


集合場所に到着するとすでに自転車の調整をしたり、ウォーミングアップで走ってる人たちがいる。



受付を済ませキューシートとブルベカードをもらう。

キューシートはWebにアップされていたバージョンから変更があるとのことで、見比べをすると最後のチェックポイントで変更が入っていた。とりあえずそこまでは昨日登録したGarmin
Edge 705のルート通りで進めるということだ。

そうこうしているうちに既に7時を過ぎ、どんどんスタートを始めている。

自分たちは最後のグループとして遅れて7時10分に出発。


第一区間 ~ 衝突事故へ


途中でやたらブルベ慣れしてる感じのおばさんライダーが、他のライダーに声をかけながらバンバン抜いて行く。

「もしかしたらあのおばちゃんは、最後尾からスタートして全参加者に声かけながら抜き去る気なのか」と思っていながらおばちゃんのペースに合わせて一緒に走る。

聞けば(というかTさんが聞いたのだが)このおばちゃん、2007年のPBPを走ったベテランライダーとのこと。この人について行けば安心だと思い、心の中でティーチャーとあだ名をつける。

しかし途中でティーチャーがキューシートを落として先に進むことに。

しばらく先に進むとけっこうHillyなコースになってくる。最初の田舎町とは違い、完全な田舎や林の中になることもあり、それに比して道もところによっては砂利交じりの箇所も出てくる。

Hillyなので、下りが来たら上りが来るということで、下りの勢いで上って行くと上りが楽になるのだが、中には下り中に脇道に入ったり、信号で止まったりするから大変だ。

そんな中、木々に囲まれた坂道を下っているとちょうど下りきったところに橋が見えた。

ちょうど橋が右カーブになっており、カーブ自体はそんなに急でもなかったのだが、橋の欄干があまりに低いのが気になった。



もし曲がり切れずに欄干に衝突したら確実に橋を飛び越えて川に投げ出される

いわば今回のはレースでもなんでもない、ブルベだ。ブルベの特徴は、Long-Distance, Non-Competitiveであること。順位を競わずに長距離を走るのだから、こんな坂でスピードに挑戦しても意味はない。万が一川にでも投げ出されればそこで試合終了だ。安全優先で走ることにした。

今でもこの考え自体は間違ってなかったと思う。


衝突までの刹那


判断が遅かったのか、制動が悪かったのか、すでにホイールが振れていたのかはわからない。

おそらく路面の問題も多分にあったと思う。

キューシート上でも唯一「Section of rough pavement」と記載されている場所であった。

カーブに入る前に十分な減速をしておくためにブレーキングを試みたのだが砂利にハンドルを取られ、制動を失ったロードバイクと左右に揺れながら橋に突進していく。

まさに先ほど頭をよぎった「もし欄干に衝突したら」が現実になろうとしていた。

その瞬間で予想した最悪の事態は、橋の外に投げ出され川に落ちること。ロードバイクと一緒に投げ出されるかもしれないし、ロードバイクは欄干に衝突するだけで済んでも(その場合ホイールはぐしゃぐしゃになるだろうが)自分の体は確実にその衝撃で川へまっさかさまだろう。

落下するのが川の場合はまだマシかもしれず、川岸の石や、尖った枝に落下したら命にもかかわるかもしれない。少なくともその場で救急車コースだろう。

最悪の事態を避けるべく自分がとった行動は、わざと落車して重心を下げることである。

ロードバイクからずり落ちるような感じで体を地面に衝突させ、ロードバイクを右側に抱えつつ、時速40kmで体ごと橋の欄干に衝突して行く。

それでも膝があたるようなことがあればその衝撃で上半身が起き上がり、前転状態で川に投げ出されるのは目に見えている。

重心を可能な限り下げるため背中を地面につけるようにし、両足を持ち上げて欄干に垂直にSPDシューズをぶち当てる!

イメージ的には2階から飛び降りて地面に両足でつく衝撃を横にやる感じ。

キン肉マン的にいえば、キン肉マンが悪魔将軍に放った、リングロープを利用して壁に着地する横型キン肉バスターのような感じだ。


衝突


ぶつかった瞬間、自分は橋の外に投げ出されないことだけを考えて足を橋の欄干に立てていた。

おかげで投げ出されずに済んだが、投げ出されていれば少なくとも橋の欄干への衝突では逃げていくはずだった衝撃を、すべて両足で引き受けることになった

激痛が両足に走り、叫びにならない叫び声を上げその場に倒れこむ。

自分では時が止まっていたが、気づいたときには先にいったTさんが戻ってきて、他のライダーも大丈夫かと声をかけてくる。

自分自身の症状もわからないので、単に「コケちゃいました」とだけ伝え、しばらくして体を起こしてしゃがみ込む体勢になる。

そのときTさんに撮ってもらった写真がこれ。



ホイールの高さよりも低い欄干に全衝撃を預けてぶつかった。

少しでも重心が上がっていれば、奥に見える川の下に体は吹っ飛んでいただろう

自分の状態を確認するが、とにかく足が痛い。足首、膝、太腿に至るまで全体だった。特に左足が酷い。右カーブの橋の欄干に衝突したのだから、左足にかかった負荷が高かったのだろうことは容易に想像できる。

さらに左の脇腹に激痛が走っている。おそらく衝撃時に自分の左足が左脇腹を強打してしまったのだろう。アバラが折れるように痛い(というかヒビが入っていた)。



しばらく休んで思ったことは、「ロードバイクに乗れるか」であった。

DNF(= Do Not Finish。棄権)するにしろ続けるにしろ、次のコントロールポイントまではあと4キロ弱。

そこまで走っていければ関係者もいっぱいいるので、助けを求めることも、病院へ搬送してもらうことも可能かもしれない。

走るとなると、自分の体に加えて確認すべきはロードバイクの状態。

この点、ロードバイクは抱えるようにして直接どこにもぶつけなかったからか、奇跡的にフレーム等々は無傷に近い状態だった。(まあそれだけ全てのツケが両足に来たということだが)

ホイールの変形、フレームの割れ・歪みもないし、タイヤも無事。ハンドルバーも無傷。

スポークも折れることなく、チェーンは外れているものの、フロント・リアディレイラーも問題なし。(というかどれだけ体が衝撃を吸収してたんだ・・・)

ただ自分の体を通して衝撃はいったらしく、シートポスト側のボトルケージのネジ(もちろんガタがないように取り付けていた)が一本吹っ飛んでる。




ダウンチューブ側のボトルケージも緩んでおり増し締め増し締め。

あとGarmin Edge 705のケイデンス・スピード送信部もずれていたので直す。

よし、これで走ることはできそうだぞ。残りの距離は・・・。

と思ってGarmin Edge 705のディスプレイを・・・・・・。

ってないっ!!

なんとGarmin Edge 705が台座ごとなくなっている!

もちろん純正のカチカチ鳴るストラップタイできつく締め付けてあったはずなのだが。

Garmin Edge 705がなくなるのは価格的にも痛いので、そこらへんに落ちてないか橋の上、橋前後の道路などを探す、探す。

探してる間にどんどん後続のライダーが追い抜いて行く。

その中にティーチャーもいて「落車したんだけど、サイクロコンピュータを飛ばされてしてしまった」と状況を伝え先に行ってもらう。

一番可能性の高い欄干に積もっている枯葉を一通りどかしたが見当たらない・・・。

もうだめかとあきらめつつ橋の下も目を凝らして探すと・・・黒いカブトムシのようなものが・・・

最初虫と見間違えたのだが、よく見るとGarmin Edge 705っぽい。

「あった!あった!」ということでTさんが拾ってきてくれた。

橋の下の・・・



こんなところまで吹っ飛ばされていたGarmin Edge 705・・・



あと1メートルずれていたら川に落ていたが、落ちてなくてよかったと安心した。

と、同時に、少しでもぶつかりどころが悪ければ、下に転がっているのはサイクロコンピュータではなく自分だったと思うと寒気がした。

ストラップタイが引き千切れて飛ばされたGarmin Edge 705。 衝撃の強さを物語っている・・・。



さすがにストラップタイのスペアなんて用意してきていないので、ステムの細い部分になんとか片方のストラップタイだけ既存のもので付けれたので、ガタガタになりながらもその状態で走ることにした。

まずはクリートをはめて・・・と思ったら、左足がペダルにはまらない。

どうやらクリートの位置が普段からかなりずれているようで、クリートを調整しなおしてなんとか走りはじめる。

力を入れるたびに雷のような痺れる痛みが走るが、足首やふくらはぎに力を入れずに、ふとももの大腿筋だけで走るとなんとか走れることがわかった。
つまりペダルは回せないけど踏めるような状態。

とりあえず次のコントロールポイントまではあと4km弱。

自分の体にしろ、 ロードバイクにしろ、走り続けられないくらいの故障が起きているかどうかのテスト走行にもなるだろうと思って、体に鞭打って走る。

走り始めるとホイール(特に前輪)が振れていたことがわかった。

スポークは曲がってないようなので、スポークが物理的に損傷したというよりは、テンションが緩んで振れがでた状態なのだろう。

ボトルケージのネジが吹っ飛んで、サイクロコンピュータのストラップタイが引き千切れるくらいの衝撃だったんだから、スポークが緩んでても当然かと思った。

そのままではブレーキシューにシューシューあたってしまうので、 あたらないところまでブレーキシューの幅を広げてやると、全開にしたところでやっとあたらなくなった。とりあえず前輪ブレーキはそれでも機能することを確認してから進む。


Frenchtownのコントロールポイント


思ったよりも非常に長く、長く感じた4km弱を走りきって、ボロボロの状態になりながらもFrenchtownのコントロールポイントに到着。

といってもこれでやっと第一区間が終了。ゴールまではあと五区間ある。

しかもFrenchtownのコントロールポイントのClose時間が10時52分なのに対し、到着したのは10時36分。この体の状態で走れる気がしない・・・。

DNFするとしたら、ルート登録がしてあるGarmin Edge 705をTさんに託して、自分はここで休みながら体をマッサージ、ホイールの振れ取りをしたり、ロードバイクの状態をチェック、メンテナンスでもしながら待とうと、DNFした場合を想定していろいろ考える。

左足を引きずりながら建物の中に入ると、落車したライダーがいることは連絡されてたらしく、落車したのかということを聞かれる。ティーチャーもいたのでサイクロコンピュータは見つかったことを報告しつつ、せっかくここまで来たんだからDNFするにしてもサインはもらっておこうと思い、署名者のおっさん(というかおじいさんに近い)にブルベカードを渡す。

おっさんは、足は大丈夫かということを気にしながら、サインしたブルベカードを返すときに、かけてくれた言葉が一言

Go On!

DNFも頭に入れていた自分に厳しいムチを打ってくれて、(他の参加者にはわざわざ説明してなかった)食べ物があるからこれらを食ってがんばれ的なことを言ってくれる。

座って暖かいスープを飲んでバナナを食べる。

キューシートを見ると、第二、第三区間は距離も短い。

あと142km完走できる気はしないけど、とりあえず次の区間までなら走っていけるか試してみてもいいかもしれない。

そう思ってレモネードをボトルに入れて出発。

まさかここから猛烈タイムアタックがスタートすることになるとは・・・。
区間 到着地点 区間距離 累積距離 タイムリミット 到着時刻 休憩スポット(飲食)
スタート Princeton 0 0 8:00 7:10出発 あり(無料)
第一区間 Frenchtown 36.1 36.1 10:52 10:36 あり(無料)
第二区間 Voledam Windmill 11.5 47.6 12:08 なし
第三区間 Asbury Deli 14.0 61.6 13:36 あり(有料)
第四区間 Riegelsville Turnoff 17.3 78.9 15:28 なし
第五区間 Frenchtown 9.9 88.8 16:32 あり(無料)
第六区間 Princeton 37.9 126.7 20:30 あり(無料)


第二区間


Frenchtown出発後はそれほどきつくない道が続いた。

体はボロボロだったが、リハビリ的に走ることができた。

思えば、自転車は医者も進めるほど体に過負荷を与えずにできるエクササイズだ。

既存のほとんどのスポーツは自分の全体重を自分で支える必要があるが、自転車はサドルに座って足だけで進むことができる。それに足を動かすだけで進めるので、上半身を固定したまま、上半身に余計な(走りやジャンプの着地等の)衝撃を与えずに走れる。つまり、負傷した左脇腹を休ませながら走ることができるのである。

ただ左足首は腫れて酷い状態になっていた。

クリートをはずすたびに激痛が走る。

つまり、SPD-SLをはずすための、足首を捻る行為が、まさに足首を動かせない左足首の捻挫の患部にマッチしているのである。

さらに問題はダンシングができないことである。

ダンシングを試みたが、脇腹も足もダンシングの体勢は無理らしい。

唯一オブリー※のような、上半身をハンドルバー(両手)ぎりぎりにまでくっつけて走る走り方だと、体の怪我部分への影響が少なくて済むようだが、それも普段やらない体勢なので気休め程度しかダンシングができない。
(※1時間の走行距離を競うアワーレコードを二度更新したトラック自転車レーサー。その様子はThe Flying ScotsmanというDVDにもなっている。)


しかし、第二区間の終了間際で最大斜度のヒルクライムに突入する。

Garmin Edge 705が記録した最大斜度は18パーセント。

平均15%~18%の上りが続き、心拍も190bpmを記録。

両足に激痛と痺れが走りながらもなんとか次のコントロールポイントへ。

といってもこのコントロールポイントは、単にポストの色を書けというもので休憩所も、フード・ドリンクもなし。

しかも時間ギリギリ。あと5分でタイムリミット。

区間 到着地点 区間距離 累積距離 タイムリミット 到着時刻 休憩スポット(飲食)
スタート Princeton 0 0 8:00 7:10出発 あり(無料)
第一区間 Frenchtown 36.1 36.1 10:52 10:36 あり(無料)
第二区間 Voledam Windmill 11.5 47.6 12:08 12:03 なし
第三区間 Asbury Deli 14.0 61.6 13:36 あり(有料)
第四区間 Riegelsville Turnoff 17.3 78.9 15:28 なし
第五区間 Frenchtown 9.9 88.8 16:32 あり(無料)
第六区間 Princeton 37.9 126.7 20:30 あり(無料)


DNFを申請して休める場所もなく、しょうがないので早々に先に進む。


第三区間


時間的に見て、もしかしたらこの第三区間でタイムリミットに間に合わないかもしれないという不安を抱えながら走り続ける。

ここまで走れてこれたことから、もう自分からDNFする気はなくなっていた

DNFになるとしたら、全力を尽くしたけどタイムリミットに間に合わなかったときだけだ。

途中で自分たちが多分最後だというカップルに抜きつ抜かれつつ走り続ける。

もう何度目かわからない坂を越えつつ、次のコントロールポイントであるAsbury Deliに到着。



相変わらずタイムリミットギリギリ。一回でもパンクになったらそこで時間切れという状況で時間との戦い、タイムトライアルの様相を呈してきた

区間 到着地点 区間距離 累積距離 タイムリミット 到着時刻 休憩スポット(飲食)
スタート Princeton 0 0 8:00 7:10出発 あり(無料)
第一区間 Frenchtown 36.1 36.1 10:52 10:36 あり(無料)
第二区間 Voledam Windmill 11.5 47.6 12:08 12:03 なし
第三区間 Asbury Deli 14.0 61.6 13:36 13:23 あり(有料)
第四区間 Riegelsville Turnoff 17.3 78.9 15:28 なし
第五区間 Frenchtown 9.9 88.8 16:32 あり(無料)
第六区間 Princeton 37.9 126.7 20:30 あり(無料)


飲み物を買ってボトルに補給。



本当はもう一本ボトルを買っておきたかったが、シートポスト側のボトルケージが壊れているため持ち運べず。

時間もないのでトイレ休憩して、まだくつろいでいるカップルを置いて出発。


第四区間


早々にコントロールポイントを出て進むといきなりやる気をそぐような上りに。

ここで猛然と上っているおっちゃんに出会う。

このおっちゃんはニューヨークのアップステートからわざわざ参加してる人で、フロントが3枚のデュラエース。リアはマウンテンバイク用というまさにHillyなブルベ仕様の自転車に仕上げてきている。

ここからこのおっちゃんと三人での行軍が続いた。

途中シークレットコントロールポイントを通過して、車両通行不能になっているトンネルを押して歩いて進む(ここの部分が前日のGarminルート登録でうまくいかず、何度もやり直したところだった)。

ここは第二区間の最後と同じく、休憩所もなにもないコントロールポイント。

標識の色と時間を書き込む。

区間 到着地点 区間距離 累積距離 タイムリミット 到着時刻 休憩スポット(飲食)
スタート Princeton 0 0 8:00 7:10出発 あり(無料)
第一区間 Frenchtown 36.1 36.1 10:52 10:36 あり(無料)
第二区間 Voledam Windmill 11.5 47.6 12:08 12:03 なし
第三区間 Asbury Deli 14.0 61.6 13:36 13:23 あり(有料)
第四区間 Riegelsville Turnoff 17.3 78.9 15:28 15:23 なし
第五区間 Frenchtown 9.9 88.8 16:32 あり(無料)
第六区間 Princeton 37.9 126.7 20:30 あり(無料)


またまた時間ギリギリ。

あとから考えるとこのコントロールポイントが一番時間的にきつかった。

時間もないので休憩もなしに次へ進もうと思ったらさっきのカップルが追いついてきた。


第五区間


ここからはカップルとおっちゃん、総勢5名でみんなそろって進む。

抜きつ抜かれつを繰り返しながらも、ここで自分が火事場のクソ力を出し始める。

急坂が少ないので、屁のツッパリはいらんですよとばかりにペダルを踏みまくる。

怪我が回復してきたのか、単にハイになってるだけなのかはわからないが自分でもかなり飛ばしたと思う(結局その後の怪我の具合から、前者ではなく単に後者だったと判明)。先頭を引っ張っているという責任感(?)もあってか足が動いた。

他のライダーに大きく差をつけてそのままFrenchtownに到着。

タイムもかなり縮めて貯金が作れた。

区間 到着地点 区間距離 累積距離 タイムリミット 到着時刻 休憩スポット(飲食)
スタート Princeton 0 0 8:00 7:10出発 あり(無料)
第一区間 Frenchtown 36.1 36.1 10:52 10:36 あり(無料)
第二区間 Voledam Windmill 11.5 47.6 12:08 12:03 なし
第三区間 Asbury Deli 14.0 61.6 13:36 13:23 あり(有料)
第四区間 Riegelsville Turnoff 17.3 78.9 15:28 15:23 なし
第五区間 Frenchtown 9.9 88.8 16:32 16:08 あり(無料)
第六区間 Princeton 37.9 126.7 20:30 あり(無料)


自分にGo On!と告げたおじさんにサインをもらいつつ、さっきのおっちゃんと健闘を称え合いながらバナナとスープを食べドリンクを補給。

といってもドリンクがまだ少し残っていたので、レモネードを混ぜ、レモネードも足りなかったので適当なスポーツジュースをごちゃ混ぜにしてとりあえず水分量を確保して出発。


第六区間


さらに二人の男性ライダーを吸収し、火事場のクソ力を発揮し続ける。

走りながら常に唱えていた呪文は、「持ってくれ、自分の体!」

ダンシングができない上、力を一定以上入れると痺れが走るため坂になると筋肉痛や筋肉疲労とは別の痛みが足を襲うが、なんとか騙し騙し走り続ける。

ちなみにここに来て下ハンドルで走れるか試してみたが、左手から下ハンドルに切り替えるとアバラに激痛が走って不可。右手からなら痛みなく持ち替えれることがわかった。といっても下ハンドルで走るとアバラへの振動が強いので下ハンドルも封印。

これでもかというほど坂を越え、獲得標高(累積標高。下った分を引き算せずに全体で上った距離)はとっくに2,000mを越えて2,500mになっている。8,000フィートとかいう前情報は伊達じゃなかった。

で、こんなときに使い捨てコンタクトが外れてしまった。

今日の朝ぶり、実に14時間ぶりだ。

落とさずに再装着を試みたものの、常に走行風にさらされていたせいか既に曲がって干からびている。

換えは持ってきているが、時間に迫られている状態で、かっこつけてるような余裕もないので、口に含んで唾でふにゃふにゃに戻して無理やり右目の中に入れる。

その間にカップルが追いついてきて抜かれてしまい、男性二人組みも抜いて行く。

残り距離は9.7kmを切っており、セントラルパーク一周分以下!

そこから一気にラストスパートをかけて男性二人組みをパスし、カップルも抜いて、今朝時点で変更になったルートのためにGarmin Edge 705のルート案内はOFFにし新ルートを辿っていく。

そしてついにゴールに到着。

ゴールでも落車したことは伝わっていて、落車してるのに50分も早く着いたね等々ねぎらいの言葉をかけていただき、休むための椅子も用意してもらった。

区間 到着地点 区間距離 累積距離 タイムリミット 到着時刻 休憩スポット(飲食)
スタート Princeton 0 0 8:00 7:10出発 あり(無料)
第一区間 Frenchtown 36.1 36.1 10:52 10:30 あり(無料)
第二区間 Voledam Windmill 11.5 47.6 12:08 12:03 なし
第三区間 Asbury Deli 14.0 61.6 13:36 13:23 あり(有料)
第四区間 Riegelsville Turnoff 17.3 78.9 15:28 15:23 なし
第五区間 Frenchtown 9.9 88.8 16:32 16:08 あり(無料)
第六区間 Princeton 37.9 126.7 20:30 19:40 あり(無料)


ゴール


ということでゴール地点でお湯を飲みつつ、残っているサンドイッチとドーナッツを食べる。

ボロボロになった体を引きずって帰途へ。

途中Wal-Martへ寄って買い物をして帰宅。

帰宅経路でスタテンアイランドを通過。5月2日のFive Boro Bike Tourで通るVerrazano-Narrows Bridgeの下見をしながら帰った。


その後


ちなみにどこでなくしたのか右手のグローブを紛失。

指が出るSpecializedのジェル入りのものとそのインナーとしてPearl Izumiのものを着けていたので二つとも買いなおすことに。

そして体の状態は・・・。

月曜日に早速病院にいってレントゲンを撮ってもらったが、手術が必要のような大事に至る骨折はないものの、アバラにヒビが入っているようだとのこと。

左足首は捻挫で腫れまくってミシュランのキャラクターのようになってしまった。やはり停止するたびにSPD-SLをはずすために痛みに耐えながら捻り続けたのが悪かった。

左脇腹も1日目は仰向けに寝れず、2日目は寝返りをして痛みで目が覚め、3日目にしてやっと寝返りが打てるようになった。そして一週間経った今、やっと痛みを気にせずにくしゃみができるようになった。

というかここまでボロボロになりながらよく走りきれたものだと思う。


総括


今回のブルベは「クラッシュ」の一言に尽きる。

獲得標高は2,600m。Mt.富士ヒルクライムの獲得標高が約1,250mであることを考えるとその2倍以上の距離を上ったことになるが、Hillyというコースプロファイルだけあってかなり辛かった。

200kmということでほぼナイトランはなく、まだ本格的なブルベは味わえてないかもしれないが、かなり走り応えのあるものだったことは違いない。

惜しむらくは怪我の痛みでブルベを楽しむ余裕がなかったこと。

ぜひ次は楽しみながら走ってみたいものだ。




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