基本的なところはTTS3と同じ。CDで本体は届き、CDケースの中裏面にライセンスキーがある。そのライセンスキーを入力してネット経由でライセンスを登録する(その際に利用PC環境とライセンスキーの紐付けを行いライセンス管理をしている模様)。
起動
まずはインストール後に起動。ところが、インタフェースのコントロールデバイスやモーターブレーキが全く認識されない。
パソコンのデバイスドライバ上は認識されているのだが、TTS4上では認識されずお手上げ状態。
そんな中、TTS4.1へのアップグレードが案内されていたのでアップグレードしてみる。
本当は今までTTSのアップグレードでろくな目に遭ってきてないので不用意にアップグレードしたくなかったのだがしょうがない。
アップグレード後に正常にデバイス認識された。TTS4.0のバグのようである。
ということで、やっとTTS4を動かせるようになった。
概要
ちなみにベースの機能はTTS3と同じ。画面やアイコンの配置レイアウトもTTS3.6以降を踏襲している。
Tacxが力を入れてアピールしている通り、Virtual Realityの機能向上がメインであり、それ以外の機能については違う部分を探す方が難しいくらいである。
まあVirtual Realityの機能向上というより、端的に言えばグラフィック向上であるが…。
敢えて違う点を挙げると、左メニューからのトレーニングプログラム選択が、「選択」のみになり、既存プログラムの修正や削除、新規作成は上のメニューから行うようになった。
さらに左メニューの一番上にLatest Rides(最近のライド)というメニューができ、直近に行ったプログラムを選べるようになった。これはまあまあ便利で、例えば一週間等々で定期的なトレーニングメニューを組んでいる場合はそこからすぐにトレーニングを開始できる。
もう一つ、これはGoogle Earthプラグインの問題と思われるが、これまでのノートパソコンではReal Life Training(GPSログを元に実際の道の勾配等をシミュレートできる)でGoogle Mapの表示ができなかったのが、今回直って問題なく表示されるようになった。
あとはトレーニング中画面の左上に残り時間/距離が表示されることと、パワー指定トレーニングの場合に現在の目標パワー値が下の表示欄ではなくグラフ中にのみ表示されるようになったことくらいであろうか。
安定性
一番気になる安定性であるが、今回随分安定するようになった。動きもスムーズであるし、TTSを起動しながらロードレースの映像を流したりしても全く問題ない。
しかし、これはTTS4にしたからではなく、パソコン環境をグレードアップしたからに他ならない。
TTS4自体は、触った限りではTTS3からプログラム自体のロジックに変更はなさそうなので、バグを除いたソフトウェア本来の安定性についてはTTS3とTTS4で変わりなしと考えてよいと思う。
実際に、システム開発の現場では、1年間かけて人件費を投入して性能改善をするのであれば、1年待ってハードウェアを新しくした方がよっぽど効果が高いということがあるが、まさしく同じ理屈であると思う。リソース食いのTTSについて、Tacxの(されるかどうかもわからない)性能改善を待つくらいであれば、自分のパソコン環境を改善した方がよく、それが、今回(自転車とは一見なんの関係もない)パソコン自作エントリを詳細に記載した理由でもある。
Virtual Realityについて
以上の通り、TTS4の紹介とは、すなわち、Virtual Realityの紹介に集約される。こちらはVirtual Realityの起動中画面。
ということでVirtual Realityをライドしてみる。
映像以外はたいして変わらないだろうと思っていたが、その映像がこんなに効果があったのかと驚かせてくれた。
雨の様子や、
雨上がりの道路の照り光りなどは秀逸である。
バグ
バグについてはフォーラムでも報告されている通り、Virtual Realityでまだところどころ出ている状態。自分の場合は走ってる最中にいきなり地下に埋もれたり(笑)
変な走り方(主に超低速)をすると障害物に填って変なことになる。
静止画だけだと伝わりにくいが、上半身が糸が切れた人形のように折り畳まれて高速に回転し続ける。
ちなみにYouTubeに似たようなバグがアップロードされていた。
さらにビデオ描画のバグと思われるものも。
ヘルメットから角のようなものが突きだしている。
さらに肉体が消えて、サングラスとヘルメットだけ見えてる透明人間になったり…。
ただ、これらはビデオカードの問題らしく、最新ドライバにしたら問題なく表示されるようになった。
カメラビュー
Virtual Reality中のカメラ視点は以下の通り。まずは通常視点。ライダーの後方から正面を見た視点である。
そしてライダー視点。
さらに自動でライダーの回りを360度回転する視点。
カメラポイントが固定され、遠くからライダーが近づいてきて、通り過ぎて離れていく視点。
さらに上から見下ろした視点や、下ボタンを押すことで正面から背後を見た視点を出せる。
ゴースト機能
これまでのライド記録やダウンロードしてきた他人のログを使って、以前の自分や他のライダーを登場させて疑似レースをすることができる。TTS3でもある機能であるが、マリオカートのように文字通り半透明のゴーストとして登場するのが特徴的である。
意外と追い込むのに役に立つ機能である。
コース概要
Virtual Realityのコースには大きく分けてTrainingとLap-based trainingの二種類があり、Trainingは決められたバーチャル世界のマップのコースを走るというもの。ちなみにTTS4.2からベロドローム(トラック競技場)が追加されるらしい。
Downhill Valley
最初のマップはDownhill Valley。こちらは山道を走るMTBコース。
砂利道や森の中を走る。
ロードレースでは普段見れないような景色の中に溶け込む。
山岳コースであるので斜度も高い。
Montagna
スペイン語で山を意味するモンタナ(Montaña)から取ってきたであろう名称だけあり、山岳地帯のマップである。Valeggio
イタリアを模したマップ。コロッセオがあるところを見るとローマであろうか。
海や山が近いのはむしろナポリ南部を彷彿とさせる。
Giro di Valeggio
ここから2つはLap-based trainingのコース。その名の通りValeggioのコースをクリテリウム風にして周回コースにしたもの。
ラップ毎のタイムや、ベストラップタイムが出るので、インターバルトレーニング用にも使える。
Metropolitan
こちらはニューヨークのマンハッタンを模したクリテリウム。
この白と赤の工事ブロックは実際にニューヨークの街中でよく見かける。
SOHOやダウンタウンにはこういった石畳の通りもあるのでこれも実際の通り。といっても石畳の振動までは再現されないが…。
まとめ
ということで、TTS4のご紹介であった。人柱としては悲しい結論になるが、「Virtual Realityをしない人はTTS3で十分。TTS4へのアップグレードは現時点では不要」と言えると思う。
現時点でとしたのは、今後のアップグレードはTTS4が中心になると思われるので、Virtual Reality以外への機能追加、改善があった場合にはTTS4へのアップグレード検討余地が出てくるためである。
一方で、「TTS3で動作不安定な人は、パソコンの動作環境のアップグレードを検討した方が良い」。
はっきり言って、今回のTTS4へのアップグレードにおいて、パソコン環境のアップグレードが最も効果があった。
ということで、Virtual Realityをしてみたい人、動作の不安定を解消したい人にはご参考いただければ幸いである。
TTS4も期待にたがわずバギーなようですね。特にインストールしてもまともに動作しないものを堂々と売っているところがTACXらしいというか(笑。自分のTTS2もUSBドライバを別にインストールしなければ動かなかったし。TACX不親切すぎ。たくさんのVR画像ありがとうございました。特に変な表示は大いに笑わせていただきました。引き続きレポートのほどよろしくお願いします。
返信削除はい。かなりバギーってますね。まあインストールしてもバグに多いのは元々Windows 95を出してたMicrosoftの時代からですし(笑)。
返信削除それにしても、以前はサードパーティーも簡単に作れたReal Life Videoとか、Tacxのログファイルとかも仕様非公開にしてTacx販売の製品のみのような状況になっているのは独占的といえなくもないですね。Androidのように仕様公開していろいろAdd-onできるようになればもっとPC連動トレーナーの可能性が開けてくると思うのですが…。
ついに、TACXがガーミンに買収されTTS4はWindows10ではサポートと出来ないと言う理由で止めたようですが、私は10でもigeniusで動いています。
返信削除今後のガーミンに期待といった所でしょうか?
なんと!コメントいただいて初めて知りました。でもガーミンなら企業規模も違うので手厚いサポートが堅牢なシステムが期待できそうですね。Garmin Connectといったオンラインコミュニティもありますし、ガーミンがどうTTSをサービスに組み込んでいくのか気になります。
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