特にマスクは高額転売が問題になっているが、アメリカのAmazonでもマスクは品薄。
オンラインではほぼ高額転売か、売り切れかの状態になっていてちょっと探してみても5枚で1万円するようなものばかり。
ルームランナーで走りながらニュースを見ていると、日本ではマスクの高額転売が禁止になったらしい。
が、高額転売ヤーのインタビューを見てふと思った。
いわゆるオレオレ詐欺や、お年寄りを騙すような事件はどう見ても騙す方が悪いに決まっているが、高額転売は需要の高騰に早めに気付いた商売人という見方もできる。
完全自由な市場経済的に言えば、需要と供給で価格が決まるのだから高額でも欲しいという人がいなくなれば高値では売れないわけで、ある意味転売ヤーはそういった儲けれない可能性もあるというリスクを負ったビジネスの一種とも言える。
今回も、中国で封じ込められて日本で感染者が増えなければ、大量の在庫を抱えて大損する可能性だってあったわけである。言い換えれば、将来の不確定要素に賭けてリスクを取ったのである。
まあ確かにモラル的に人の弱みにつけ込んで儲けようとするのは感心できたものではないが、それはこういった転売ヤーが(インタビューに出てるように)人として認識できるから非難されているだけで、相手側が匿名で隠れてしまい誰か分からない世界では何の非難もないままこういったことがまかり通ってる。
そう、相手が匿名で誰か分からない世界=マーケット(e.g. 株式市場)である。
マーケットで値が付くということは、誰かが暴落で投げ売りして大損している一方で、バーゲンセールだって言って喜んで買ってる相手方がいるわけである。
使い古された言い回しだが、「安いときに買って高いときに売る」。それが株の転売ヤーなら(インサイダーでもない限り)合法的で許されるが、
人の不幸につけ込んで儲けようとする、世間一般のモラルに反したマスク転売ヤーは非難される・・・。
が、たとえばリーマンショック。
企業や個人の破産が相次いだ不幸の中、市場暴落前に大量の空売りをして大儲けした人たちが実際にいて、そのアイズマンたちをモデルとしてノンフィクション小説が出たり映画にもなった。
今回もボーイングの株を350ドルのときに空売りして、安くなってから買い戻して大儲けしている人たちがこの世界にはいるわけである。
737 Maxの墜落事件やコロナウイルス禍といった、人々の不幸を契機にしてマスクの転売なんかよりも遥かにでっかい規模で大儲けしている人たちが・・・。
マスクの転売で儲けるのは禁止されるのに、株式市場ではどんなに世間の不幸につけ込んで儲けても許されてしまう。
もちろんインサイダー取引等に該当する場合は処罰されるが、マスクの転売ヤーはインサイダーでもなんでもないのに処罰対象になるのだから、むしろマーケットの方がよっぽどモラルが低い。
非常に反モラル的で、非常に「不公平」で、一方で市場経済的には非常に「公平」な世界がそこにはある。
ある意味、株式市場はマスク高額転売よりよっぽど問題のある合法的な賭博場なのかもしれない。
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