もう一つの
というわけで、サイクロコンピュータはなにがよいかを徹底的に検証してみたいと思う。
■サイクロコンピュータとはなにか?
まずは基本的なことから。
サイクロコンピュータは、自転車の走行情報を表示・記録する機械であり、別名でサイクルコンピュータ、略してサイコンと呼ばれ、英語名称ではCyclocomputer、Cycling Computer、Bicycle Computer、Bike Computerとも呼ばれる。
基本的な機能としては現在速度や走行距離などを計ることができ、安いものでは千円程度で買うことができる。
このレベルではサイコンというよりはスピードメーターとして表記されていることも多い。
ちなみに下のモデルは買い物にでかける主婦用(?)なのか、カロリー消費量表示機能までついている。
サイコンは表示部分と計測部分に分かれており、たとえば前輪のスピード計測であれば、表示部分(上の写真の機械)をハンドル付近に取り付けて、そこから細い線(ケーブル)をフレーム沿いに這わせて、フロントフォーク(前輪の回転中心部のハブとフレームを接続している部品。フレームの一部ともいえる)と前輪が重なるところに計測部分を取り付ける。
計測部分は通常二つのマグネットでできていて、フロントフォークに一方を、スポーク(車輪のホイールに放射線状に張ってある細長い部品)にもう片方をつける。マグネット(磁石)が重なるときの磁場によって重なったことを認識し、2回重なればタイヤが1回転したことがわかる。
少し機能が豊富になると、現在速度だけでなく、平均速度や最高速度を計ることができるようになり、接続方式も有線(ケーブル這わせ式)からワイヤレスになる。つまり、有線部分のケーブルがなくなり、その代わりに無線送信機が計測部分(マグネット側)に増える。
詳しくは上の商品ページにCat Eyeという日本の有名なサイコンメーカ製品の比較対照表が掲載されているので参考にしてほしい。さらに機能が豊富になるとケイデンス(1分間のクランクの回転数)も計ることができる。
■サイクロコンピュータは重要か?
ではそもそものところ、サイコンというパーツは重要なのか。
この点、ロードバイクの完成車についていない部品で何を最初に買うべきか?何のパーツがもっとも重要か?と聞かれたら、自分は真っ先にサイクロコンピュータを挙げたい。
厳密にいうとペダルは付属していないのだが、店で完成車を買えば乗って帰る用にママチャリ用のペダルをつけてくれると思うのでここではペダルは除外する(というかペダルがない=動かない自転車を「完成車」とは呼べないだろうて)。
サイコンが最も重要なパーツと位置付ける背景はドライブトレイン最重要理論から導き出せる。
疑うべきもなく、自転車を動かす上で最も重要な部分はエンジンである。
つまりは人間である。
サイコンは、そのエンジンたる人間に対して、正確な定量的な情報を伝え、現状を把握させ、さらにはモチベーションまで与えてくれる。目的地や目標走行距離がある場合は、現在距離で全体の何割のところまで来ているかがわかるし、平均時速がわかれば大体の到着時刻を計算することもできる。
実際、自分では今日はかなり疲れると思っても、速度やケイデンスを見ると全然出ていなかったり、ずいぶんスイスイ走れてるなあと思っても、前回の方が速く走れてたということもある。人間の感覚なんて、一日のうちでさえ朝と夜で時間の進み方が違うように感じる程度なので、やはり具体的な数値情報として走行内容を把握できるのは重要だ。
自分自身、サイコンがなければもしかしたらロードバイクも三日坊主になってしまっていたかもしれない。
■どの機能が必要か?
二つ上の項目「サイクロコンピュータとはなにか?」で一通り見てみたが、サイコンの機能としては以下のようなものがある。
- スピード (現在時速、平均時速、最高時速)
- ケイデンス
- ラップ (好きな時間で区切って、その区間での平均時速やケイデンスを記録できる)
- ワイヤレス/有線
- ハートレートモニター (現在心拍、平均心拍)
- GPS
このうち、スポーツとして自転車をするなら、ロードバイクに乗るのであれば少なくともスピードに加えてケイデンス機能は必要だと思う。なぜならケイデンスは効果的な有酸素運動をする指標としても使えるし、そもそも高回転式のペダリング技術を身につけるためには現在ケイデンス、平均ケイデンスを意識して練習しないと身につかないからである。
もっといえば、ケイデンスと速度がわかればそこからギア比(1回クランクを回転させてタイヤが何回転するか)を算出することができるので、どのギア比で回していたかなども知ることができ、ギア比の検証にも利用できるのである。
さらにラップ機能も欲しい。セントラルパークやプロスペクトパークのような同じコースを周回するときは、一周ごとの記録が重要になってくる。一回のライドで帰宅後に記録をとっても、周回コースに着くまで(セントラルパークの例であればセントラルパークに行くまでの往復ルート)なども含まれているので、正確な周回コースの一周の記録を知るためにはラップ機能は必須である。
■ワイヤレスかワイヤードか?
無線のワイヤレスか有線のワイヤードかはまた大きな選択ポイントだと思う。
プロのロードレーサーの中でも、無線派と有線派がいるということで一概にどちらが優っているとはいえないところがある。
たとえば無線では、こぎ出してちょっとタイムラグがあってから表示されたり、他の電波と混線することがある。混線も一瞬ならまだいいのだが、最高値の場合一瞬でも変な値になるとそれが残ってしまうので困る。以前は帰宅後に記録を見てみたら、最高速度が80キロ出ていたり、最高ケイデンスが300とか、あり得ない数値になっていた。
それに自分の場合、冒頭で触れたようにハートレートモニターと干渉して使えなかったり、以前セントラルパークで動画撮影を試したところカメラをサイコンのすぐ隣で起動させるとサイコンが動かなくなってしまうということもあり、むしろ有線へのメリットを感じている今日この頃だった。
というわけで以下にそれぞれのメリットとデメリットを挙げているが、結局赤字の部分に集約されてしまうのであった。
ワイヤレス(無線) | ワイヤード(有線) | |
メリット | 取り付けが簡単 コードを引っかける心配がない 機能が多い | 計測時に電波干渉がない |
デメリット | 電波干渉がある タイムラグがある 送信機が重くずれやすい 送信機にも電池が必要 | コードの取り付けが必要 機能が少ない |
つまり、スピード、ケイデンス、ハートレートモニターが一緒になっているような高機能なものは、そもそもワイヤレスのものしか売られていなかったりするので、高機能なものを手に入れたいと思ったら結局はワイヤレスを選ぶことになってしまう。
それに最近は携帯電話と同じような2.4GHzのデジタルワイヤレスが使われて品質が向上しており、混線も少なくなっているということなので、結論としてはワイヤレスという選択肢になるのだと思う。
■進化した新機能
最近ではサイコンの機能も進化しており、パソコンと連動して詳細な記録が取れるものもある。具体的には、パソコンで各時間帯のスピード、ケイデンス、心拍数などをグラフで表示できたり、Polar(ポラール)のものでは、右足と左足のこぎ方の違い、パワーバランスまで見られるという優れものもある。
さらにはGPS機能である。この分野で先を行っているのは自動車用GPSユニットも販売しているGarmin(ガーミン)で、Polarも自転車用のGPSユニットをオプション販売している。これでどこを走ったかの走行履歴をGoogle Mapなどと連動して地図表示することができる。さらに上述の詳細記録と連動して、地図上のどの地点を走っているときにどういうスピード、ケイデンス、心拍数の状態だったかも表示することができるのである。
■で、結局なにがいいか?
まずママチャリとかでとりあえず自転車を楽しみたい人はそれこそ千円くらいのサイコンから始めればいいと思う。
クロスバイクを持っている人とかも自分のハマリ度に合わせてスピードのみのにするか、ケイデンスもつけるか考えればいいと思う。
上でも書いたがスポーツとして乗る人、少なくともロードバイクを持っているような人はケイデンスは必須だと思う。理由は既に述べた通りである。
じゃあ自分は?というと、今回の記事はかなり長くなってしまったので次回の記事で自分の検討経緯、結果を書いていきたいと思う。
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