第四休憩所といっても、山の麓にあるので、クライム前にスキップした第三休憩所と同じ場所。
第四休憩所ではとにかく体がコーラを欲していたのでコーラをがぶ飲み。
おそらく1リットルは飲んだと思われる。
空腹感はまったくなく、さらにバナナにピーナッツクリームを塗りたくって食べているアメリカ人を見て食欲も減退。
コーラで炭水化物を補給して出発。ここからは復路に突入。
■3rd Hill Climb TT
計測区間ではないが登坂の連続というコースを走って第三ヒルクライムTTへ。
ちなみに自分が高回転ペダリング(といっても80~90rpm)で登るのにはわけがある。
ペダル1回転あたりのトルクを抑えることで筋疲労をセーブし、急勾配でギアが足りないといったいざというときに火事場の馬鹿力を出すためである。
が、今回はトルクをかけると脹脛の痙攣が起こってしまうので、右脹脛の痙攣を感じつつ、痙攣が酷くならないようにトルクをかけずに回していく。
と、後半を過ぎたところで後ろから殺気―――ッ!
いまさんさんが自分をかわして抜いていく。
足切りされるくらい集団の後半にいるので速い人たちはすでに遥か先を走っており、周囲の人からは抜かれることはなかったのだが、今回のヒルクライムTT中に唯一抜かれたのがいまさんさんだった。さすがアイアンマンを目指す男。
そんなこんなで第三ヒルクライムTTを終える。
ボトルのコーラは空になり、水不足と相まって痙攣も酷い。
なんとか第五休憩所へ到着。
ところが給水に長蛇の列。
暑い陽射しも照り付け、並んでいるだけで体力を奪われそうな中20分くらい並んでやっとのことで給水完了。
腹は減っていなかったのだが、栄養を入れておかないとまずいと思い、不味いとしか感じられない栄養ジェルを3本、無理矢理胃の中へ流し込む。
結局第五休憩所で40分もかかってしまい出発。
■4th Hill Climb TT
ほどなくして最後の第四ヒルクライムTTへ。
左右を木に囲まれた林道ちっくな第三ヒルクライムTTとは違い、第四ヒルクライムTTは開けた感じの高級住宅地。
平均勾配8%強の丘を上るが、水分補給のおかげで足の痙攣も和らいでいたのでせっせと回してゴール。
ゴール地点で休みながら、一緒に走っているKさんのロードバイクをまじまじと見させていただく。
というかこのカラーリングは…。
ハマーン様のキュベレイカラーではないですか!
ホワイトにメタリックピンクというカラーリングに目を奪われながら出発。
第四ヒルクライムTTを終えればあとは計測なしの帰路コースである。
コースプロファイルを見るとその後はたいした上りもなく、安心してペダルを回し始めた……。
■コースアウト
計測も終わってあとは帰るだけ。しかも足の痙攣も回復気味ということもあって気持ちよくペダルを回す。
ちょっとした上りで他の参加者が苦労して回してるところ、自分といまさんさんはお互いアタックを掛け合いながらペースアップ。
追いつかれてカウンターアタック。アタックかけられて逃げを潰したりとじゃれあいながら走っていると、すでに他の人は一緒に走っていた仲間も含めてかなり後ろに。
「いやー、後続を完全に引き離してやりましたなぁ」
「まったくですなぁー」
と、のんきな会話を交わしつつ、二人でトレインを作ってガンガン踏んでいく。
踏んでいく…。
踏んでいく……。
黙々と走ること40分後…。
「あのー、後続を引き離したどころか、周りに誰もいないんですが……。」
すでにかなりの時間を走っているのに、追いつかれることも追いつくこともなく、数千人も同じジャージを着た奴らがいたのに今は二人だけ…。
おかしい……。
こりゃ迷ってるよということをやっと自覚し、いまさんさんの付けていたGarmin Edge 705で地図を確認すると、本来のルートから大きくそれてコースアウト。
2人で40分も走ってて気付かないとは…、どこまで猪突猛進やねん…。
しばらく二人で地図を確認していると、後ろから同じくコースアウトした参加者(というよりもはや同志)が4人追いついてきた。
おれたちゃ迷ってるよと認識を共有し、そのうち1人の道案内に従って9W(という幹線道路)沿いにまで復帰する針路を取る。
ちなみに9W沿いでは、ハドソンリバーと並行して山や崖が形成されている。本来のコースから南西に外れた自分たちは東へ進んでコース復帰することになり、その結果、もともと帰路のクライムは少なかったはずなのだが、何度もクライミングをする羽目になる。
いくつもの谷と丘を越えてゆく。この先は9Wに続いているんだと信じなければやってられないほどモチベーションは低下していた…。
「いくつの街を越えてゆくのだろう…」
頭の中では「夢を信じて」が流れていた…。
長い長い東進の末にやっと9Wに到着。
しかも最後の第六休憩所はコースアウトした後にあったため、すでに通り過ぎてしまっており休む暇もなし。
とりあえず見知った道に出たので、もうコースは気にせず真っ直ぐゴールのフェリー乗り場を目指す。
ジョージワシントンブリッジを通り過ぎ、ゴールまであと15分というところで車が大渋滞。
車と歩道の間の狭くて荒れた路肩でスピードを出せず、他の参加者もいるため自転車も渋滞状態になりながらゆっくり進む。
そもそもこの渋滞の原因はおそらくグランフォンドニューヨークのせいということもありげんなり。
そしてやっとのことでゴール。
どこまでも青い空が出迎えてくれた。
なんかめっちゃ疲れたぁと思ったら、175kmで総走行時間は10時間12分。
ちなみに去年は162kmで7時間43分。
体調が悪いところに加え、去年に比べて2時間半も多く走っていたんだからそりゃあ疲れたはずである。
ゴール後のパスタ。
そしてコーラは飲み放題。
ゴール会場で対岸のマンハッタンを眺めながら今回の教訓を考える。
まずはコンディション調整。今後はコンディション調整のプライオリティを高めて意識していきたい。
次はグランフォンドニューヨークに限った話ではあるが、足切りを避けるためのライド戦略。
第一ヒルクライムTTの前に休憩所は2箇所あり、そのうち最初の休憩所ではメディオフォンドの参加者も集まってトイレ&補給に時間がかかるためスキップするのが得策。水分補給に関しても、ボトル2本持っていった方がいい。このエイド間隔であれば本来なら1本でも常に休憩所で補給すれば足りると思うが、そのために20分列に並んだりといったタイムロスを考えると、一度で2本分補給した方が時間短縮になり効率的となる。
あとやはりGPSの地図はあった方がよい。去年は警察やスタッフの誘導がしっかりしていたので迷うこともなく、今年もその感覚でGarmin Edge 500で行ったのだが、見事道を外れてしまった。これからは少なくともセンチュリーライドや初見のコースではGarmin Edge 705を装着していこうと思ったのであった。
ちなみに、敢えて不満を書くとすれば、今回は自分の不注意だけでなく、主催者側の不手際による問題もあったことである。
第二ヒルクライムTTで、大会ガイドと実際のゴール地点が違うなどのミスリーディング。
さらに、主催者曰く、「The number of GFNY participants has grown almost threefold since last year」ということだが、参加者は三倍に増えているのに休憩所の体制は変わっていないというのも長蛇の列を作った主催者側の不手際だと思う。バッグやワインといった参加記念品を充実させる金があるなら、その分エイドを充実してもらう方がよっぽど良かったと思ってるのは自分だけではないであろう。
ということで、踏んだり蹴ったりなイベントではあったが、自転車仲間と一緒に走れたこと、色々な教訓を学べれたことは喜ばしいことである。
どんなライドであっても、そのひとつひとつが自分の未来につながっていることは確かだ…。
思い出しますねぇ。そしてエントリを読んで完走したときの感動がよみがえってきました。
返信削除間違えた地点。。あの時はエイドを目指してひたすらまっすぐ進むことだけ考えてました。サーセン。。
ハプニング、大会運営不手際などいろいろありましたが、そのおかげで素晴らしい天気&仲間と10h以上も大好きな自転車を楽しめましたね!
あんなに長いライドは久しぶりでした。たしかにハプニングあればこそ思い出深いものになりますね。これで何の起伏もないライドだったらここまで書く内容(というかネタ?)もなかったでしょうし。私もひたすらまっすぐ走っていたのでお互い似た者同士ですね(笑)。またこちらか日本でご一緒できるのを楽しみにしています。
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