いつも通りハドソンリバー沿いのグリーンウェイ(自転車歩行者専用道路)を通って通勤。
が、最近ぶつかりそうになる機会が増えたように思える。
グリーンウェイの一部では自転車道路でも中央線が引かれていて、対向車(対向自転車)の車線と区別がされているのだが、先週は対向車のあんちゃんが片手運転で片手に持ったスマホを見ながらふらふら蛇行しながら走ってきて自分の目の前で車線を越えてきて、危うくぶつかりそうになった。
グリーンウェイにとどまらず、ジョージワシントンブリッジでも橋の中央を歩く歩行者や予想外の動きをする人など、危なっかしい人が多い。
これはもしかして・・・。
と思い、敵を知り己を知れば百戦危うからずということで、自分もポケモンGOをやってみる。
ポケモンGOの基本的な流れと影響
ゲームを始めるとまずニックネームを登録。
ところが、さすが社会現象になるだけの人気ぶりもあり、いろいろ名前を入れてみても全て使われてるということでアウト。
名前を決めるだけで時間がかかった。
その後アバターとしてキャラクターの髪や服装などを何種類かあるバリエーションの中から選択して自分の分身をつくる。
始まるとまずチュートリアル的にヒトカゲを捕獲。
そこから本格的にゲームが開始される。
ゲームといってもやれることは下のどれか。
- マップを歩く
- ポケモンを捕まえる
- ポケストップに行く
- ジムに行って戦う(レベル5以上から可)
マップを歩くことで、ポケモンが近くに現れたり、ポケストップに近づいてアイテムをゲットしたり、ジムに行って育てたポケモンを戦わせたりできる。
マップ上のポケモンをクリックするとカメラが起動し、実際のカメラの画面上にポケモンが出てきて、モンスターボール(英語名はポケボール)をスライドして投げてポケモンを捕獲することができる。
この、「マップを歩く」というのが拡張現実の本領を発揮しているところで、実際にスマホ片手に外へ出て、様々な場所に予め登録されているポケストップに行ったり、セントラルパークを歩きながらポケモンが現れるのを待ったりといった社会現象になっているわけである。
この拡張現実が、ニュース記事に見る、「家に引きこもっていた人々が一斉に外へ飛び出した」という状態を引き起こしている。
つい先日も、レアポケモンのシャワーズが現れたということで夜のセントラルパークにポケモンGOユーザーが殺到する事態になっている。
Pokemon Go: ニューヨークのセントラルパークに「シャワーズ」が出現・多数のゲーマーが詰めかけて辺りは一時騒然
あまりにアクセスが殺到していてときどきゲーム自体がサーバエラーで起動できなかったりする。
ちなみにポケストップやレベルアップのときにもらえるアイテム(課金制で購入できるものもある)によっては、自分の周りにポケモンを集めたり、ポケストップにポケモンを集めたりというものもある。
例えばこのインセンスを使うと、自分の周りにポケモンを30分間集めることができる。実際にやってみるとそんなに集中するわけではなく、だいたい5分~10分に1匹くらいで30分間に5匹集まればいい方という感じ。
次にルアーモジュールというアイテムでは、ポケストップにポケモンを30分間集めることができ、集めたポケモンは他のユーザーからも見えて捕まえることができる。
驚いたことに、実際にこのルアーモジュールを使って売り上げ前週比75%増という繁盛振りを実現し、商売貢献につなげたピザ屋も出現している。
「Pokemon GO」のおかげでピザ屋さんが大繁盛。その理由とは?
インセンスやルアーモジュールは1個約1ドルで購入可能。
この課金収入が1日1.6億円というからこれまた驚きである。
任天堂「ポケモンGO」 課金収入が1日1.6億円、年間で600億円の売上!
さらにポケモンを捕まえるだけでなく、ポケモンの卵を孵すというものもあり、ポケモンの卵を孵化器に入れて所定の距離(2kmだったり5kmだったり)を歩くことで孵化させることができる。
2kmや5kmというのは日常的な散歩をする距離としては長く、ネットではすでにチート(裏技)で孵化する方法も研究されている。
車で移動したり、鉄道模型にスマホをつけて周回させたり、犬にスマホを固定して外へ走らせたり、固定ローラーのタイヤにつけて距離を稼ぐといった方法で孵化させる人もいる。
が、アプリ側もその対策としてスピード上限を設けたり、チート行為らしいユーザには一定期間ログイン不可にしたりとゲームの公平性を保つようにしている。
通勤ルートの悲劇
そんなポケモンGOだが、日曜に車でウエスタンハイウェイ(ハドソンリバーのグリーンウェイと並行して走る高速道路)を走っているときに、助手席で画面を確認してみて驚愕した。
なんとグリーンウェイにポケストップが集中している。
しかも車で走っている最中も、グリーンウェイ側にポケモンが現れては消え、現れては消え※、まさに絶好の狩場となっている(※車なのでGPSの移動速度が速く、出現圏外に出ると画面から消える)。
こりゃあポケモンGOユーザーが集まるわけである。
しかもジョージワシントンブリッジにアクセスする際の、狭まっているランプの近くにもポケストップがある・・・。
さらにあろうことか、ジムが橋の入口にある。ジムはポケモンを戦わせるので長時間近くにいる必要があり、さらにスマホを見ながら立ち止まってる人を多くさせる。
おまえのせいだったのか、ポケモンGO!と叫びたい感じである。
一方、自分も粛々とゲームを進める。
公園付近はポケストップも多く、ポケモンも多いようである。
マンハッタンには山ほどポケストップがあり、それこそミッドタウンあたりは各交差点ごとにポケストップがあるくらいであるが、ニュージャージーに入ると一気にポケストップの密集度が少なくなる。
チャイナタウンのお寺とかもポケストップになっている。
チャイナタウンの中学校でレアポケモンのブーバーをゲット(ちなみにポケモンGOのレア度はこちら)。
多言語登録が可能なので、捕まえたポケモンに日本語名をつけることも可能。
と、まさにハマってしまいそうなポケモンGOだが、最近全くゲームをしなくなった自分にとってはやはりゲームをするたびに思うことがある。
So what?
学生の頃はかなりのゲーム好きで、ドラクエやFFシリーズはだいたい制覇し、近所のファミコン大会(時代が古い・・・)に参加したり、Half Lifeをやり始めたときは昼夜関わらずゲームをやり続けた。
が、あるときからふと目覚め、全然やらなくなってしまった。
その合言葉とは、So what?
これだけ流行るだけあって、ポケモンGOも常習性がある。
ポケモンを捕まえて自分のポケモンストックを増やしていくのはコレクター的にも楽しいし、レベルを上げて育てていったり、進化させていくのも面白い。
さらに現実の、普段自分が何気なく歩いている場所がポケストップになっていたり、レアポケモンが見つかるかもという拡張現実ならではの新発見的な面白さもある。
中にはリリースからまだ間もないのに専業ポケモンゲーマー(!?)になった人までいる。
ニュージーランドの男性、仕事を辞めてポケモン探しの旅に出発へ
ただ、それでやり込んで、例えばレアポケモンいっぱい集めて、レベルを上げて、ジムでも他人に勝利してジムリーダーになって・・・。
だから、何?
そこまで自分がかけた時間やお金に対して、その後に得られるものが何もない・・・。
課金アイテムを購入していなくても通信料はかかるし、実際に通信料の影響が出ているという記事もある。
アングル:人気ポケモンGO、「財布の破綻」避ける6つのワザ
WiFiや定額無制限プランだったとしても、Time is moneyで、費やした時間は戻らない。
もしあなたが自転車をとことん追求して、それこそ世界一になるレベルまで行けば、それで身を立てることもできるし、富も名声も手に入る(ドーピングしていない限りは)。
が、ポケモンGOで世界一になってもなにもない。
たくさん時間をかけても、その頃には「妖怪GO」的な新しいゲームが出てきて世間の目はそっちに移ってるかもしれない。
上掲したピザ屋のように、営業上の広告戦略として上手く活用するのは良い手だと思うが、単なるユーザとして利用するだけなら、あとから振り返ったときにその時間を他のことに使っていたら何が出来ていたかと思うと機会損失の方が気になってしまう。
生き金か、死に金かという考え方があるが、自分にとって生き金になる基準のひとつは、その金が人間関係を豊かにするものに寄与するかどうかである。一人での高級レストランは単なる贅沢だが、家族での高級レストランはそれが想い出になるのであればそれだけの価値がある。
同じように、生き時間か、死に時間かで考えたら、自分にとって独りでポケモンGOに没頭する時間は間違いなく死に時間である。
一方で、自分の子どももポケモンGOにハマるような年齢だった場合、それが子どもと一緒に遊んだ想い出になったり、子どもとのコミュニケーションになるのであれば、価値のある時間になるのであろう。
と、考えたとき、自分はスマホの電源を切って、まだ話すこともできない我が子といないいないバァをして遊ぶのであった。
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