ブルベの心得

というわけでブルベを物色してる今日この頃であるが、ニュージャージーでの4月10日のブルベ(雨でないことを祈る)に照準を合わせてニュージャージーのランドナーウェブサイトを確認。

 New Jersey Randonneurs

すると、この中のBrevet FAQ(ブルベのよくある質問)のページが非常にいい感じの内容になっているので、「ブルベの心得」として、和訳してここで紹介したいと思う。老子の格言にまで触れているところがアメリカっぽくていい。


1.ランドナリング(randonneuring)とは何ですか?

訳者注:ブルベのことをアメリカではランドナーということが多い(フランス語ではランドヌール)。ランドナリングはランドナーの動名詞化で「ランドナーすること」を指しているようだ。どっちにしろ、ブルベの同義語ととってよいようだ。というわけで、以下ランドナーは日本語ではブルベと表記する。

ブルベはサポートなしの長距離サイクリングのこと。基本的にレースではないこと、自給自足であることが特徴。フランス、イタリアでスポーツサイクリングの起源として始まったブルベのイベントに参加することは、その伝統の一部となることである。競争ではなく、フレンドリーな仲間意識がブルベの特色である。

2.Brevetとは何ぞや?

ブルベは、フランス語で、「証明書」や「修了証書」を表す単語である。ブルベ、またはランドニー("randonnee")とも称されるそれは、ランドナーが参加するイベントのことである。原則として200km以上の走行距離となっており、200km、300km、400km、600kmの4つのブルベはフルブルベシリーズ("full brevet series")と呼ばれる。ブルベはそれぞれの距離で時間制限があり、例えば200kmの場合は、基本的に13時間半が時間制限となる。

3.ブルベカード("brevet card")ってなに?

意味が重複してしまっているが、ブルベ自体が「証明書(証明カード)」という意味のフランス語であり、各参加者に交付されたブルベカードは、ルート上の各コントロールでサイン認証を受けなければいけない。ブルベカードのサインが完了していない場合は完走の認定は受けられない。ジャージのポケットに入れずに大切に保管すべし。

4.コントロール("controle")とは?

コントロール(Checkpoint(Control Point?)=CP、フランス語ではPoint de Controle=PCとも)はブルベコース上のチェックポイントのようなものである。各コントロールで、ブルベカードにサインをする。ボランティアスタッフがいるコントロールではスタッフがサインをするし、無人のコントロールでは店主にサインを頼む。インフォメーションコントロールでは、参加者がコントロールに関連する質問に答える必要があることもある。必ずではないが、食料やドリンクがあるコントロールも多い。

5.RUSAってなに?気にしなくてもいい?

RUSAは、ランドナーアメリカ("Randonneurs USA")の略称。アメリカにブルベを広め、ブルベ参加者をサポートするための全米組織。RUSAはアメリカのブルベ参加者のメンバー登録を行うが、ライド自体は実施しない。全米に広がる地域ブルベ管理団体(Regional Brevet Administrators ("RBA"))やバイシクルクラブにライドの実施を委譲している。また、RUSAはRBAとACPとの仲立ちも行う。1200kmのParis-Brest-Parisに参加するためにはRUSAの会員でなければならない

6.ACPとはなに?どうして気にしなきゃいけないの?

ACPとはAudax Club Parisienの略。ブルベを開催している団体の一つである。1904年にツール・ド・フランスを創設したHenri Desgrangesによって組織された。ACPは、最も有名なブルベであるParis-Brest-Parisを開催するとともに、世界中の国々のブルベ団体と協力関係を築いている。

7.PBPってなに?

PBPはParis-Brest-Parisの略で、ツール・ド・フランスが始まる12年前の1891年に始まった1200kmを走るブルベの最高峰である。90時間以内にPBPを完走することはおそらくサイクリングスポーツにとって最も名誉なことであろう。次回のPBPは2011年8月に開催される参加資格を得るには、フルブルベシリーズ、つまり、200km、300km、400km、600kmのブルベを2011年の6月までに完走しなければならない。また、それらのブルベを走る前にRUSAの会員になっておかなければならない

8.ブルベを走るにはどんな装備が必要?

ロードバイクが大半を占めつつあるものの、リカンベントやマウンテンバイクなど、いろんな種類の自転車が参加、完走している。ほぼ全てのブルベで前灯と尾灯を必須としている。また、快適に走るためにサドルがいかに大事かは、ロングライドを経験しているサイクリストであれば誰もがわかっていることと思う

9.長距離ブルベを走るには、どれだけの距離をトレーニングで走ってれば大丈夫なんだろうか?

老子という中国の思想家はこう言ったそうな・・・「千里の道も一歩から」と。
200kmを走る前から1200kmの心配をするのは賢いやり方じゃない。センチュリーライド(160km)が走れるなら、既に40kmしか違わない200kmを走る準備はできていると言っていいだろう。ブルベシリーズを走ることで、次第に300km、400km、600kmへと馴れていくことだろう。

10.速く走れなくてもブルベを時間以内に完走できる?

400km以上の長距離ブルベを完走した人なら誰でも、精神的なものが肉体的な限界を打ち破ることを知っている。速く走れる人でもブルベを完走できない人はいっぱいいるし、その逆もしかり。ブルベは基本的に平均時速16kmくらいで走れてれば完走できるようにできている。停止回数を少なく出来ればその分ゆっくり走っても大丈夫になる。綿密な計画は屈強な脚力に勝るのだ。


0 件のコメント :

コメントを投稿