第一部:ライド全体
第二部:さらば我が愛しのセントラルパーク(このエントリ)
第三部:パワートレーニングツール:iBike Aero導入
第四部:パワートレーニングの驚異的な成果
第五部:アミノ酸と疲労回復
ということで、先週の土曜日、何が起こったかを説明せねばなるまい・・・。
■セントラルパークでの出来事
先週土曜日ライドの第二部である。
まずセントラルパークの南西でロードバイク仲間と合流して走り出す。
途中でタイムを計っとこうとサイコンのラップを刻み、途中からそれなりにスピードを出して走る。
と、途中で道の真ん中で止まっている集団がいて、「なんでこんなところで道を塞いでるんだ。邪魔だなぁ」と思いながら走っていく。
で、周回を終えて後続のロードバイク仲間と合流するためペースを20km以下に抑えてゆっくり走る。
が、いつまで経っても合流してこない。
北側手前の下りカーブ二つを降りたところでは、ちょうどこれから降りてくるロードバイカー達が見渡せるので、そこで停車して待つ。
が、まだ来ないので電話をしてみる。
すると、途中で信号無視で警察に引き止められて注意されていたとのこと。
合流して詳しい話を聞くと、NYPD(ニューヨーク市警)がサイクリスト取締りを強化しているらしく、セントラルパーク内でも赤信号を守らないと警察に止められてしまうらしい。
と話しているうちにも赤信号に引っかかり、後ろには今か今かと待ち構えるようにNYPDの車両が待機している。
お、おそろしい!
■ニューヨークの公園での信号について
ちなみに「赤信号を守るのは当然」なのだが、セントラルパークは公道と趣きが違うので誤解のないよう説明しておきたい。そもそも、公道では歩行者に対して、自転車、自動車となっており、自転車は自動車と同じ部類に入るが、セントラルパークでは歩行者(ジョガー、ランナー)と自転車が周回利用者として専用レーンが用意されており、歩行者、自転車に対して、自動車という区分けになっている。
実際、平日は午前9時から午後5時まで、休日は終日、自動車は通行禁止となっており、歩行者と自転車に解放されている。このことからも自転車は(軽車両に含まれ自動車と同様の扱いを受ける)公道とは違う公園用のルールが適用されていることがわかる。日本で言う、緊急用河川敷道路に道路交通法が適用されないのと似ているといってよいだろう。
とはいえ、もちろんその場合でも信号は自転車にも適用される。例えばこちらのプロスペクトパークのルールでは、自転車は信号を守る旨明記されているので反論の余地はない。が、実際は「大目に見られてきた」のであり、セントラルパークやプロスペクトパークではUCIに所属する全米自転車競技連盟(USAC)のロードレースも行われているため、普段近場に練習場がないニューヨーク市に住むサイクリストにとっては、サーキットとして周回できるセントラルパークとプロスペクトパークは大切な練習場だったわけである。
といことでこれまで、少なくとも去年までは、もちろん公園利用のルール、マナーとして、道を横切る歩行者がいれば譲り合うのは当然だったが、歩行者が誰もいないような状況では自転車は自由に走れるサーキットだった。
■ニューヨーク市警が自転車をターゲットに一斉検挙
この様子はネットでも記事になっており、今や自転車の信号無視は、NYPDにおいて自動車の信号無視よりも優先して取り締まるようトッププライオリティーに挙げられているとのことである。
NYPD Rejects Central Park Cycling Crackdown Compromise
そして2週間で1000件のチケット($250の罰金など)が発行されたとのことである。
さらにザ・ブロンクスでは、デリ(コンビニのようなところ)でサンドイッチを買うため歩道に乗り上げた少年が、警察から殴る蹴るの暴行を受けて連行されたというものまである。
Cops beat me up for riding on the sidewalk: cyclist
ちなみにこれまでは気が付かなかったが、セントラルパークには46個もの信号があるとのことである。
信号を守って走った二週目では、半周で5回近く停まる羽目になり、もうフラストレーションが溜まってやってられないということで、Henry HudsonのPalisades Interstate Parkまで行って走ったのであった。
そこらかしこで止まる人々。(もちろん信号無視しているランナーはお咎め無し)
ウェストサイドでも道のあちこちに「Cyclists must dismount」(チャリは降りろ)の文字が。
標識がすごく綺麗。汚れどころか風雨にすら晒されてない様子から作りたてであることがわかる。
やはり今回のNYPDの方針変更によって作られたものなのだろう。
既にネット上ではサイクリストによる運動も広がっているようで、市議への抗議の仕方。陳情メールのテンプレートなども共有されている。
さらに自転車だけ狙い撃ちにされているのも不満が広がる原因となっている。自動車よりも自転車の違反が取り締まりで優先されているのは述べた通りだが、実際の話しによると、歩行者、ランナーはもちろん、ローラーブレードが赤信号で渡っていても無罪放免で自転車だけ槍玉に上がるらしい。
ある人は自身のサイトでこう述べている。
シクロクロスの考えを持ち込んで、赤信号になったら自転車を降りて、横断したあとでまた乗ればいいのでは?!
もっと建設的なところではこんな意見もある。
黄色点滅のボタン式信号にして、横断する人がいるときだけ赤になるようにすればいい。
そうすれば、朝6時に、誰もいないのに赤信号で独りで止まっているという意味のない状況を回避できる
ちなみにプロスペクトパークは信号が少なかったかなぁと思って以前撮っておいたビデオを見ながら数えてみたらそれでも19個もあった。まあどちらにしろセントラルパークの信号の多さは特筆ものである。
となると最後の救世主はFloyd Bennett Fieldであろうか。Floyd Bennett Fieldは元滑走路だけあって「そもそも信号が存在しない」ので走り放題である。実際にUCIのロードレースも行われる場所なのでコースとしても申し分ない。
どちらにしろ、ゲンナリする一件である。と同時に、Tacx買っておいてよかったとしみじみ思った。
詳細は第四部のパワートレーニングの成果のエントリで書きたいが、今回走ってみてわかったのは、実走より毎日のローラー台トレーニングの方がよっぽどきついということである。結局、力を伸ばすための普段のトレーニングはローラー台ですることになるのでトレーニング的には大きな影響を受けないのが救いである。
ユーザをTACXに登録しておけば同じコースで競争出来るみたいですね。
返信削除ユーザ名とパスワードでインポート。
負荷をいつも115~120%にすると速度が実走に近くなるような感じがするので
それにして走ってますが、しばらくぶりに外を走ったらなんだか軽くなったようなきがしました。
早く使っておけば・・・と思いました。
はい。私もChallengeシリーズなど公式ページのコースをダウンロード、他のユーザのログをインポートして仮想競争をしたりしています。
返信削除負荷はすごく重くかけてMuscle Tension Intervalに利用したり、軽くしてFast Pedalingの練習をしたりと、いろいろ応用が利くので役立ちますね。私も(次々回のエントリで書こうと思いますが)先週末のライドでその効果に驚いてます。と同時に、同じくもっと前から導入しておくんだったと痛感しました。
いつも拝見しています。
返信削除最近セントラルパークを走っているとやたら信号で止まるジェントルなライダーが多いと感心していました。
が、自分は速度は落とす物のその横をスルリと通り過ぎてました。
先日Manhattanで車をレッカーされNYPDに世話になったばかりです。その上自転車でもチケットを切られるなんて事になったら…。これ以上ヘコみたくありません。
捕まる前にこのページを見られて良かったです。ありがとうございました。
ご参考になったようでよかったです。
返信削除道で歩道を走ったりしている自転車を見る度に「NYPDに気をつけて」と伝えてあげたくなっている今日この頃です。
というか住みにくい(走りにくい)世の中になってきましたね。。。