というかその効果に面を喰らっているといってもよい。
こんなことなら昨年初頭からパワーメーターを使ってトレーニングしておくべきだったと激しく後悔している。
時は金なりと言うが、人生は時間の集合体でできているのだから、1年という時間は金なんかよりよっぽど大事である。年老いて体が動かなくなる前に、1年という時間を金で買えるとしたら、、、もちろん人によって金銭感覚に違いはあると思うが、少なくとも大金をはたいても買いたいはずである。
ぶっちゃけ自分のトレーニング記録(というより失敗談)は以下の段階を経てきている。
面白いのは、自分にとってトレーニングの質・量の転換点となっているのは、サイクロコンピュータの買い替えに伴っているということである。これまで散々、「エンジンは一番大事なパーツだ」「サイクロコンピュータがなければここまで続かなかったほどエンジンのモチベーションアップに効果がある」と書いてきたが、こうしてみると改めて自覚するのであった。
■2004年4月~2006年3月 フィットネス期間
一応フィットネスジムに通っていた時代。毎週2回ほど、会社提携のジムでランニングしたりエアロビをしたりして汗を流していた。シャワーしかないアメリカ生活では、当時運動後に浸かったジャグジー付きの風呂はなんて贅沢だったんだろうと感慨深い。
■2006年4月~2007年12月 低運動期間
フィットネス感覚にも届かない状態。トレーニングではなく、単に毎週1回くらい自転車(ママチャリ)で遠出をしたり荒川を走った程度。もちろんサイクロコンピュータもなし。それにしてもバブル期に作られた会社の寮の大浴場は豪勢で、ジャグジーと下から湧き上がるバブル(泡)を見ながら「バブルがはじけてもバブル期の恩恵にあずかれるのはたまらんなぁ」と思うとともに、湧き上がっては消えていくバブルを見ながら「奢れる者も久しからず、たた春の夜の夢の如し。猛き者も遂には滅びぬ。偏に風の前の塵に同じ」と平家物語の一節を頭に浮かべたものだった。
■2008年1月~2009年8月 暗黒期間
ニューヨークに来てから自転車を始めるまでの暮らし。
週一回、2時間程度のウォーキングをしたくらいで他に特に運動もせず。ファストフード、ポテチ、アイス、コーラ、ドーナツというアメリカンな食生活の影響をもろに受けて一気に体重は増加の一途をたどる。
みなさんご存知かもしれないが、日本にスーパーカップというアイスクリームがある。自分はそれが好きで、日本にいたときは仕事帰りにコンビニで買って、夜テレビを見ながら食べたりしていた。ちょうど1個200mlくらいなので、テレビを見ながら食べてるうちにいつの間にか食べ終わっていた。
ところがアメリカに来てからそれが変わった。こちらでは700mlだったり、1L(1000ml)だったりのアイスが普通に売っている(というか200mlのカップアイスのほうが少数派である)。それを以前と同じようにテレビを見ながら食べてるとどうなるか。テレビを見ているうちに、だんだん「なんか腹が苦しくなってきたなぁ」となってきて、気付くと既にスーパーカップ3個分くらい食べてしまっているのである。
そしてポテチも100円で日本の2倍くらい入っているし、コーラも100円で2リットルのペットボトルが買えたりする。
アメリカに来る前は「水の代わりにコーラを飲むなんてそんなバカな。水がなければコーラを飲めばいいじゃないってマリー・アントワネットかよ」と一笑に付していたが、ニューヨークの木製の貯水タンク※によって水道水はそのままでは飲む気にならず、実際に水よりコーラの方が安いので、水の代わりにコーラを飲んでいる自分がいたわけである。
※ニューヨークのビルの屋上に乱立する貯水タンク。円柱+円錐系のものがそう。冬になると凍るので木製になっているらしいが、その中の汚さは想像に難くない。おそらく掃除もろくにされない木製の裏側はヌルヌルになっているのだろう。実際、アップステートのクロトンダムからひかれてくるニューヨークの水はアメリカ国内でも綺麗な部類に入るのだそうだが、この木製の貯水タンクのせいで、我々の手に届く頃には汚くなっている。
というわけで、日本にいたころに60kg強だった体重は70kgまで跳ね上がり、体脂肪率は23.4%、あわや体の4分の1が脂肪という状態になっていた。(まあこんだけハーゲンダッツ食べてれば当然か…)
■2009年8月~2010年1月頃 ファンライド期間
ロードバイクに乗り始める。非レースのイベントに出るのが主で、ニューヨークの主要なイベントには参加していた。
サイクロコンピュータでいえばCat Eye。スピード、ケイデンスが取れてワイヤレスだが、ハートレートモニターもGPSもなかった。
9月、10月の2ヶ月の間で、センチュリーライド2本、50マイル1本を走った。
普段の練習としては、平日は一日くらい夜にローラー、週末はセントラルパーク等をライドといった感じでしか走っていなかった。
■2010年1月頃~2010年4月中旬 長距離ライド期間
サイクロコンピュータはGarmin Edge 705を使用。
GPSログやルートガイドができるようになり、1月のロングアイランド一周480kmをはじめ、スタテンアイランド一周、マンハッタン一周などこれまで行っていなかった場所にいきまくる。
4月のニュージャージー州プリンストンでのブルベ200kmでGarmin Edge 705の活用はピークを迎えるが、欄干への激突でアバラにヒビを入れ全身打撲の目に合い、家族からブルベ禁止を言い渡されて、PBP1200kmへの夢は一旦お預けとなった。
■2010年4月中旬~2010年10月 トレーニング開始期間
ブルベ禁止命令を受けて、それならばということでレースを目指した体作りを始める。ルートも近場のサイクリングコースや(実際にレースも行われる)プロスペクトパークが中心となり、GPS表示もほとんど使う必要がなくなったため、温度も取れるGarmin Edge 500にサイクロコンピュータも変更。
ただ、今思えば非常にもったいなかったのだが、トレーニングの負荷が弱く、自分の筋肉痛を筋疲労や超回復の目安としていたためにかなり非効率なトレーニング期間であったと思う。
さらにCompexを使ったりレンタル自転車で走っていたとはいえ、フロリダや日本への旅行によりトレーニングに穴が開いてしまいアスリート失格と烙印を押してもいいくらいダメダメであった。
■2010年10月~2011年1月中旬 カーマイケルトレーニング期間
同じくGarmin Edge 500であったが、「The Lance Armstrong Performance Program: Seven Weeks to the Perfect Ride」のトレーニングメニューに従ってトレーニングを始める。この頃からペダルを回さない日はなくなった。
体重が急激に落ち始めたのもこの頃からで、10月11日に68.85kgだった体重は1月18日には62.35kgにまで減り、体脂肪も23.4%だったあの頃から15%を切るまでになった。体組成計が示す体内年齢も実年齢より12歳も若く、超健康優良児状態である。有酸素系によるトリグリセライドの消費に基づくATP生産が順調に行われている証拠である。
以前は健康診断で毎回のように医者から運動を勧められ、毎回再検査になっていたのが嘘のようで、ダイエットに悩むうら若き乙女どもに、「四の五の言わず自転車に乗ってみろ」と指導したくなるものである。
■2011年1月中旬~ パワートレーニング期間
正確にはサイクロコンピュータではなく、PC連動型固定ローラー台なのだが、PolarのHRM形式でトレーニングログが取れるTacx Fortius Multiplayerを導入。パワーが取れるのが強力で、自分のパフォーマンスが直接的な数値で表示されるためトレーニングの質・量ともに一気に高くなる。
そして三種の神器すべてが揃うことによってさらに自分のトレーニングメソッドを次のステージへ進化させてくれている。
というわけで次回以降、三種の神器について紹介していきたいと思う。
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