スタートの合図を待って、
そしてスタート。
3つのヒルクライムTT以外はタイムは関係ないので、雲一つない秋空のサイクリングを楽しむ。
すごく走りやすくていい道である。
最初は集団も形成されていたが、次第にばらけていく。
先頭の方ではいろいろと展開があったようだが、ヒルクライムTT以外は順位対象ではないので自分はリラックスモード。
まあサイクリングだしいっかーと思っていると、かめらいだーさんがトルクをかけて加速するので食らいついていく。
「いきなりどうしたんですか?」と聞くと、ハアハア息をきらしながり、「いや、ブリッジしようと思って…」とのこと(笑)。このときはタイム測定以外は足を使わないという、良く言えばクレバー、悪く言えばいやらしい走り方をしていたので、このレース思考なチャレンジ精神は見習わねばならんなぁと思うのであった
そんなこんなで他の選手とはばらけてしまい、結局チームの三人で走る形になる。
そして第一休憩所を素通りすると最初のヒルクライムTTへ。
一気に加速して計測ゲートをくぐる。
勾配が10%を越えることも多く、一方で緩い区間は長くないため、大半をOsymetricのインナーで捌く。
山頂でゲートをくぐって計測終了。
ダウンヒルで寒い中、麓の町のEllensvilleまで駆け降りると第二休憩所。
適当に補給して出発。
空が高い中、ススキの道を通って気持ちの良い秋のサイクリングである。
その後ちょこちょこと坂があった後で第二ヒルクライムTTへ。
勾配的には最初のヒルクライムTTと同じような感じだが、途中で下りや緩い区間もあり、そこで休まずにしっかり加速するよう意識してアウターのQ-Ringsで回すペダリングで走る。
今思えばこの第二ヒルクライムTTの下りでアウタートップまで踏んで加速したのが最終的なタイムに貢献したのだと思う。
山を下ると第三休憩所。
道は悪いが木洩れ日の中を気持ちよく走って第四休憩所。
さらに北上すると橋の上で綺麗な景色が。
何気ない橋の上にもこんな場所があるとは。
その後、トレーニング中の女性トライアスリートと一緒になったりしながら走る。
そして第五休憩所に到着。
第五休憩所を過ぎると保留池に出る。
湖沿いに走る道はこれまた路面は悪いが景色は最高であった。
先程の橋の上と同じく、ニューヨークの近くにまだこんな場所があったとは、嬉しい発見である。
湖の真ん中に架かる橋を渡って北側に。
そして最後のヒルクライムTTに突入。
それまでの2つのヒルクライムTTと違い、他の選手とは完全にばらけてしまって目標になるような前を走る選手も全然いない状態。
独りきりのヒルクライムTTの中、2桁台の勾配が続き、下りはおろか、緩くなる区間もまったくない。
唯一の救いは、この直前に導入した新兵器(後日エントリ予定)であった。
が、心拍も180bpmから下がることなく、視界の先に見える坂を上りきったと思うとさらに新たな坂が見える…。
期待が絶望に変わり、息は切れ心臓は張り裂けそう。
苦痛、動悸、疲労、絶望…、いろんな言葉が浮かんでくる…
いや、むしろこれは幸福と呼ぶべきものであろう。
頭を上げて峠の上を睨んでペダルを踏み続ける。
そして汗だくになりながら最後のヒルクライムTTを走り切る。
その後峠を下ってエイドステーションへ。
チョコレートチップクッキーの甘さが腹に染みる。
エイドステーションはWoodstockの街のサイクルショップに設置されている。
店内のトイレを借りる。
と、サイクルショップらしく濃ゆいトイレ内。
なぜかトイレの中にローラー台が…。
スタッフの声援を受けながらエイドステーションを出発。今回のグランフォンドの最北端を経て南下ルートへ入る。
エイドステーションなりでゆっくりしていたせいで時間も押しているので、ひたすら南へ向かって黙々と走り続ける。
ちょっと前に南を回った貯水池の東側に辿り着く。
東側からの眺めも良い。
そして北上ルートで通ったコースを南下。
最後のエイドステーションはすっ飛ばして走り続けていくと、川沿いに出たところで高いところに鉄橋が走っている。
いい景色だなーと思っていると、川を渡ってから一気に鉄橋の高さまでヒルクライム。
サイクルショップのエイドステーション以降、孤独な一人旅が続いていたが、この坂で前を走っている他のライダーに追いついて追い越し始める。
そこから前に見えるライダーを目標にしながら走り続けていく。
スタート地点に行く時に車で通った場所に着き、
やっと176kmを走りきってゴールゲートをくぐる。
とりあえず疲れた体に飲み物と食べ物を補給。
コタパさんもゴール。
Sun Chips(というスナック菓子)を食べていると、そばにいたおっちゃんがピザも食うか?といってピザをくれる。
止まっていると肌寒く、車の中で暖まっているとかめらいだーさんもゴールして3人揃う。
腹も満たしたところで話を聞くと、タイム計測の集計に時間がかかっていて、結果は後日発表するとのこと。
ということでその日は帰途につく。
■リザルト
次の週に発表された結果を見ると…、
ファーストクライム、2位。
セカンドクライム、1位。
サードクライム、5位。
総合、1位!
2位に1分差、3位に2分19秒差をつけての、堂々の総合優勝であった。
今シーズン、クラッシュで傷が残ってしまいマスドスタートのレースを控えざるを得なかったが、シーズン最後になってなんとか結果を出すことができてよかった。
後日、優勝者だけに送られる手紙を受け取れば実感もひとしおなのであった。
おおお!
返信削除とうとう優勝の栄冠に輝きましたね! おめでとうございます!
天候も良くトラブルらしいトラブルも無く、最高の結果を得る事が出来たようで、我が事のように嬉しいです。
いやホントに素晴らしい(*´∀`*)
新兵器についても楽しみです。
うおお!おめでとうございます!!
返信削除総合一位って、そのレースで誰よりも速かったってことですよ!(当たり前)
冷静なペース配分や苦痛を楽しむ精神力など、今までのロードレースの経験も十二分に生かされたのではないでしょうか。本当にすごいと思います。
いやあ、楽しいイベントでしたね。来年もぜひ行きましょう。GFNYよりしんどかった。最初にペース上げすぎた?せいです。坂が前半にあったので、後半はもう体力が残ってなかった。それにしても総合1位はすごいですよ。おめでとうございます。
返信削除ありがとうございます!やっとのことで優勝にまで辿りつけました。去年に比べて今年は事故も多く、辛いシーズンだったのでその分喜びも大きいです。新兵器については先程エントリさせていただきましたがヒルクライムでは今後も使っていこうと思ってます。
返信削除ありがとうございます!これまでレースで入賞することはありましたが、1人でも自分より速い人がいれば1位にはなれないので、入賞とは違ってやはり特別なものですね。
返信削除まさにこれまでのレース経験の集大成的な走りができたと思います。
ありがとうございます、一緒にチームジャージで走ってくれたかめさんあればこそです。スタッフも親切で、路面もよくて、季節的にも(ちょっと肌寒かったものの)気持ち良くて、きついコースも挑戦のしがいがあって、橋の上で長いこと待たされるGFNYより楽しかったですね。かめさんの腹事件同様、私も風邪の中のライドだったので今年のGFNYは良い思い出がありませんでした(笑)
返信削除おおーうらやましいです。いつも一見さらっと練習してるようなblog内容にみえてやっぱりがっつりやってらっしゃるんですね。
返信削除いい刺激になりました!
みかんさん、ありがとうございます。そういえば練習は全然ブログにあげてませんが、都合がどうしてもつかないとき以外は基本的に毎日回してます。といってもTacxがぶっ壊れてしまってからは追い込んだトレーニングができていないので、オフシーズンとはいえそろそろ気合いを入れないといけないですが。
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