黃金寶
日本語では、ワン・カンポ、ワン・カンポーと表記される(日本の漢字にすると黄金宝)、英語ではWong Kampoと綴られる。広東語ではWong Gambou(ウォン・ガムボウ)、中国語ではHuang Jinbao(ファン・ジンバオ)。
海外では黃金寶を評して曰く、「Asian Finest Cyclist」(最も素晴らしいアジア人自転車選手)。
中国共産党の当時の総書記からは、黃金寶の名前とかけて、「貴方は我が国にとって黄金よりも価値がある」と評されていた。
日本では「アジアの虎」と呼ばれることがある黃金寶だが、中国では、「香港之寶」(香港の宝)、「亞洲車神」(アジアの輪神)、「單車王子」(自転車王子)などのニックネームを持つ。
■黃金寶の戦歴
ここで彼が活躍したレースをご紹介してみたい。
真っ先に挙がるのは2007年UCI世界選手権のスクラッチ。
残り9周で抜け出し、そのまま独走して優勝。欧米の強豪を力でねじ伏せての文句なしの金メダル。
この点、同種目でメダルを獲得した日本人は2010年の盛一大選手の銅メダルのみ。同じく香港出身の郭灝霆(クウォク・ホ・ティン)が2011年に金メダルを獲るまでは、同種目で唯一のアジア人金メダリストであった。
次に最近のレースでいえば2012年のツール・ド・台湾。
台北市で開催された第二ステージの残り25kmで黃金寶を含む7選手がアタック。最後のスプリントで黃金寶が飛び出してそのままゴール。
遡ること2009年のツアー・オブ・ジャパンでも、奈良で行われた第二ステージで黃金寶が逃げ切ってステージ優勝を飾った。
そして、2010年、中国・広州で行われたアジア競技大会でのロードレースで優勝。
ゴール直前で韓国の選手が斜行して失格。1位黃金寶、2位宮澤選手であった。
さらに黃金寶はツール・ド・おきなわのチャンピオンクラスでも1995年、1998年、2000年、2004年と4度も優勝している。
ツール・ド・おきなわで4勝を達成しているのは黃金寶ただ一人である。
2004年のツール・ド・北海道でも個人総合優勝を果たしており、日本人にも馴染みが深い。
畑中選手のブログでも、黃金寶との交流(?)が綴られている。
これらの戦績だけでもとてつもないのだが、それに輪をかけてすごいのは、黃金寶は1973年生まれで現在40歳という点である。上記の戦績も30代半ば以降のものも多く、若くないロードレーサーにとっての希望の星にもなっている。
往年の中野浩一氏を彷彿とさせるが、自転車業界に止まらず、テレビCMやUNICEFなど自転車以外のメディアにも積極的に登場し、まさしく香港を背負って立つ自転車選手なのであった。
最後の動画、ちょこっと金城武みたいでかっこいいですねえ…なんのCMか全く分かりませんが。
返信削除そういえば我々にも、世界選手権10連覇のスーパーマンがいますよね。「單車東方不敗」とも呼ぶべき人が。
しかし世間のイメージは…やはり出演するCMは選ばないとw
最後の動画は生命保険会社のCMですがむしろ内容は香港精神(香港人のアイデンティティーを啓蒙するもの)になっています。イギリスの植民地から中国大陸への返還がされたものの大陸の人間とは違う(実際に言葉も文字も法律も報道の自由も違う)香港なので。
返信削除あのスーパーマンが「單車東方不敗」ならさしずめ黃金寶はドモンといったところでしょうかw。
そういえば金城武は日本では姓が金城ですが、中国語名は金が姓で城武が名前になってます。