前回は資産推移グラフにおける3つのパターンをご紹介しましたが、今回はその明暗を分ける分水嶺、特異点について見ていきたいと思います。
6%で変わる「世界」
逃げ恥計算機でスライダーをクリクリして利率のパーセントをクリクリ変えてみるとあることに気付くと思います。
こちらのグラフは退職年齢50歳、他の条件はデフォルトの初期設定のままにして運用利率を4%にした状態・・・
5%はこちら・・・。
上下の変化はあれど、上がって下がる山なり型でいつかは赤字に変わるというストーリーに変化はありません。
が・・・、6%に上げると景色が一変します。
これまでの山なり型がウソのように、一気に右肩上がり型になって将来の赤字パターンが消えます。
そして7%にしてもその傾向に変化はありません。
つまり、5%か6%かで生きる世界が一変し、逆に言えば5%までは多少の増減はあれど人生のストーリーとしては同じということがわかります。
ではなぜこのような激的な変化が5%~6%の間という特異点で起こるのでしょうか。
境界線上のシンギュラリティ利率
5%と6%の境界をわけるもの・・・。
それは純利益(収入マイナス支出)の損益分岐点です。
まさに前回ご紹介した3つのパターンの条件と同じで、収入マイナス支出が常に益(プラス)となる状態にすることで、右肩上がりの世界へ突入することができます。
それを達成するのに必要な資産運用利率が、デフォルトケース※ではたまたま6%からだったということです(※現在年齢30歳、貯蓄額1000万円といった初期設定の場合)。
つまり、現在年齢や年収や支出、今現在の貯蓄額、何歳で退職するかといった人それぞれの条件の違いによって「特異点」は変わり、それが人によっては1%だったり、10%だったりするわけです。
使い方
ということで、逃げ恥計算機で右肩上がり型になるための特異点(資産運用利率)をチェックする手順としては、
- 現時点の固定情報を入れる(現在の年齢、年収、金融資産)
- その他基本情報を入れる(退職時年齢、支出)
- 運用利率をスライドさせて「特異点」を探す
- 通常の運用利率で不可能な場合、退職時年齢や支出を変えて特異点を出現させる
という形になると思います。
その結果によって、「もっと貯めなくちゃだめだ」とか、「こりゃあ70歳まで働かないと厳しいな」とか、逆に「ここまで支出を減らせば余裕が出るぞ」とかの人生戦略を立てることができます。
願わくば逃げ恥計算機がみなさんの未来予想図を作る一助になれれば幸いです。
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