が、今回はやってみるまでわからない状態で不安が先行していた。
五里霧中という不安
ホワイトフェイスは今年で6回目。
コースにも慣れたもので、例年の場合、前年と比べて出力が微増していたり、体重が少し軽くなっていたりすれば、「あと1分くらい縮めれそうだな」という予想が立てられて、それを目標にすることもできた。
ところが、今年は前年以前と大きく変わりすぎてしまったせいで、これまでのタイムやパフォーマンスが全く参考にならず、五里霧中状態での本番となった。
ちなみに去年以前と変わったのは以下の部分で、メリットもデメリットも混在している。
- 体重が圧倒的に減った(約10kg)
- 出力が圧倒的に下がった(約40W@ローラー台 vs 2015年)
- 持久力が圧倒的に下がった(同上のセッションにて、5分 vs 30分)
- クランク長を圧倒的に長くした(170mmから180mm)
- 直前にサドル角度を圧倒的に下げた(レース直前のウォームアップ中)
- エンジンを圧倒的に変えた(腰方形筋の導入)
- ペダリングを圧倒的に変えた
- 上記クランク長とサドル角度のロードバイクで実走するのはこの日が始めて(ぶっつけ本番)
- 長い上りは去年のレース以来一度もしていない
何もかもが圧倒的に変わってしまい、メリット・デメリットごちゃ混ぜ、もはや何がプラス効果で何がマイナス効果なのか、そしてその結果、総合的にどうなるのか全く読めない・・・。
最後に挙げた「長い上り」というのも、去年はホワイトフェイスの前にベアーマウンテンで20分くらいの上りを何本か上ったりと準備もできたのだが、今年は一度も出来ていないのでほぼ普段の自転車通勤のみ。
圧倒的に長い距離を乗れていない中で、これらそれぞれの変更が総合的に吉と出るのか、凶と出るのか、ある意味博奕のような状態で本番に臨むこととなった。
前日までの用意:アクションカメラHDR-AS50の防滴対応
それでも前日までは出来ることをやっておこうとカーボローディングに精を出す。
ちょうどミツワという日系スーパーで大阪フェアをやっていたのでお好み焼きをゲット。
そして前日はシンガポールラクサとチキンカレー、ナシゴレンで勢いをつける。
出発前夜、天気予報を確認するとサンダーストーム。
そういえば新調したソニーのアクションカメラHDR-AS50は防水機能はあるのかと確認する。
たしか去年ぶっ壊したHDR-AS100は、本体単体でも防水機能が少しはあったはず。
ところがやはりそこは廉価モデルの宿命か、付属の耐水ケースに入れれば水中内でも大丈夫なのだが、HDR-AS50単体では防水機能なしとのこと。
一方で耐水ケースに入れるとハンドル周りのスペースがきつくなる(サイコンと干渉する)のと、重量増もあるのでできれば使いたくない。
ということで苦肉の策、雨ならとりあえずテープで防護しておけば(防水まではいかなくても)防滴くらいできるのではないかと思ってテープで塞ぐ。
底の面はマウントとの接続に使うので覆わないが、レンズ部分以外はテープで保護。
放熱が心配だが、前面と後面はあけているのでなんとかなるだろう。
アクションカメラはもとより、そもそも雨の中のレースはパンクのリスクも上がるし嫌だなぁと一抹の不安を残しながらも当日を迎える。
当日レース前
当日朝、今回はいまっちさんとKさんと一緒に出発。まーちんさんは別働隊でレース会場で会うことになる。
まずはパン屋でがっつりカーボローディング用のパンを購入。
ここぞとばかりに甘い系でいく。とくにお気に入りはヌテラパン。
そしてハイウェイをひたすら北へ。
天気予報とは裏腹に良い天気で車内が暑くなるほど。
ところが現地に近づくと雲が広がる。
レイクプラシッドに到着し、ホテルのチェックイン後、レース会場へ。
真ん前に見えるあの山の頂上まで上る。
受付でゼッケンと計測タグをもらう。
マネキンとはいえもうちょっとちゃんと着せてあげればいいのに・・・。
自動車へ戻ってロードバイクをローラー台にセットアップし、ウォームアップ開始・・・と思ったら雨脚がどんどん強くなる。
ザーザー降る雨の中でしばらく待ちぼうけ。
幸いレース前には雨が小降りになったが、結局アップは10分もやらず、直前に最初の坂の上りだけ試走してギアの感触を確かめるのみとなってしまった・・・。
まあ最初の平坦区間がウォームアップ代わりになるからいいかと思い、さっさとスタートラインに並ぶ。
いまっちさんの後ろ、まーちんさんの隣に並び、国歌斉唱を終えてスタート。
レース
まずは最初の坂をぐいっとあがる。
そして平坦区間に突入。
集団内はぐいぐい加速していくので離されないように後ろにつく。
ところどころで集団内にブレーキが発生するので追いついたりまた離されたり。
雨は止んでいるが、路面はビシャビシャで水しぶきがひどい。
まーちんさんにも抜かれていくが、自分はとりあえず周囲との距離を保ちつつ、かつ離されすぎないようにスペースを確保する。
ヒヤヒヤの平坦区間が終わって上りに突入。
ここからはペース配分との戦いなので、意識はケイデンスと出力に集中。
右側にいるまーちんさんをパスし、
しばらくしていまっちさんが見えてくる。
例年は最初にペースを上げすぎていまっちさんを抜き、後で力尽きて抜かれるというパターンばかりなので、これはオーバーペースなのではと不安になる。
が、もともと目標にしていた出力を保っており、体感的にも辛くないので、冒頭で列挙したメリット・デメリットのメリットが上回っているのかもしれない。
ということでやはり当初決めた通りの目標ケイデンスと出力維持に集中して坦々とサイコンの表示を見ながらペース維持に努める。
おそらく上り区間から先にスタートしたであろう一輪車を抜き、
馴染みのマイクもパスするが惑わされずにサイコンの数値に集中。
一応ペース管理のチェックポイントとしていた二股路を通過。このポイントは登坂区間開始から17分半以内で通過すれば十分と思っていたが予定通りのペース配分ができているので一安心。
そしてゲートを通過。
前方に2人組の選手が見え、それぞれ協調しつつも戦い合ってる感じ。
そのうち1人が離され落ちてくるが自分はやはりペース維持。
2人組の選手を抜いたあと、後ろで息遣いが聞こえてきて、誰かにつかれてるなぁと感じつつ、後ろを振り向く余裕もないし、つかれるならつかれるで構わないので自分のペースに集中。
さらに遠くに1人見えるが※、後半に入ってくると周囲の選手とのペースも拮抗してくるのかなかなか縮まらない(※下写真の奥の白い標識の右側にちっちゃく見える白い点)。なお、写真中央の遠くに見える山の頂上がゴール地点なのでまだ遥か先・・・。
それでもじわりじわりと差が詰まってきて抜く・・・、が、まだ後ろに憑かれている背後霊の存在を感じる・・・。
と、ついにゴール地点の山頂の城が近づいてくる。
このあたりから九十九折に入り、背後霊を振り切るべく緩斜面でスピードに乗る。
右端を見ていただくとわかる通り、すでに厚い雲の上にあり、下界の様子がまた幻想的。
が、その後の急勾配で背後霊が実体化し、一気にダンシングして襲いかかられ抜かれてしまう。
2人組の選手を抜いたあとから憑かれていたと思ったので、てっきりその2人組のどちらかが息を吹き返したと思ったのだが、サードパーソンだったとは・・・。
結局追いつけず最後のストレートに。
石の上に立って応援してる人が気になりながらラストスパート。ってあなたの後ろ崖ですよ・・・。
が、ここでコース側にいる犬が・・・
飛び掛かってくるではありませんか!?
幸いリードでつながれていたので接触はしなかったが、咄嗟に左に回避しつつ再加速。
前後の選手とは距離が離れていたので余裕を持ってゴール。
去年よりタイムが5分近くも早かったおかげか、苦しむ時間が短くて済んだので体感的にはそれほどきつくないのが嬉しいところ。
大幅なタイム短縮に苦しかった日々が報われた感じで、火琉苦楽威夢とはよく言ったものである。
いつもは走り終えた選手で混雑しているが、この時間だとまだ数えるほどしかいないので新鮮。
レースを終えて
まだ山の上は雲に覆われている。
水分補給しながらゴール地点に戻って後続の選手を応援。
いまっちさんはフィニッシュラインの段差をぴょんぴょんと2回ジャンプして余裕のゴール。
頂上の天気は段々と悪くなり肌寒くなってきたので、まーちんさんとも合流して預けていたレインジャケットを着る。
Kさんとも合流してみんなで記念撮影したら下山。
雨がポツポツ降り出したので本降りになる前に下山せねばと走り出す・・・
と、まだ頂上から1分も経たず、最初の九十九折に行く手前で大降り・・・。
まさに豪雨、バケツをひっくり返したような雨に襲われる。
この段階でまだ上っている選手は辛いなぁと思いつつ、もしスタート時間が30分遅かったら自分たちもこうなっていたと思うと間一髪。
ん・・・。
なんか忘れているような・・・。
あ”っ!!!
防滴対策としてテープしか貼ってないアクションカメラ!!!
こりゃあ防滴どころじゃないと思って壊れる前に取り外してレインジャケットのチャックがあるポケットの中へ。幸い後から確認したら壊れずに生きてくれていた。
川のように斜面を流れていく大雨の中、とても乗って下る気になれないので歩きメインで下る。
ところどころ乗ったり、リムが熱くなったらまた止まって歩いてを繰り返す(雨の中でもちゃんと?焦げた臭いがリムから出てくるから相当なもの)。
と、中腹手前まで来たところで雨が小ぶりになってきたのでアクションカメラを取り出す。
綺麗な雨上がりの景色を撮影。
そこからは乗って下る。
ゲートを過ぎると西日がターマックに反射して良い感じに。
ほぼストレートの区間を気持ちよく下る。
平坦区間まで戻ると右手に虹が出ている。
無事、駐車場があるスキーセンターに戻る。
用意されていたバーベキューをいただく。
といってもプルドポークにチキンだが食欲もそそらずに消化不良。
と、リザルトが発表されていて、確認したらなんと年代別優勝。
表彰を受けて、その後はレイクプラシッドに戻ってご褒美にチョコレートケーキ。
あま~いものを期待していたのにビターチョコレートっぽい感じでちょっと残念だったが、生クリームがオフセットしてくれたのでよしとする。
まとめ~プチ考察 1
ということで久しぶりの大金星となったホワイトフェイス。
ここで冒頭で挙げた圧倒的に変わった点を再掲したい。
- 体重が圧倒的に減った(約10kg)
- 出力が圧倒的に下がった(約40W@ローラー台 vs 2015年)
- 持久力が圧倒的に下がった(同上のセッションにて、5分 vs 30分)
- クランク長を圧倒的に長くした(170mmから180mm)
- 直前にサドル角度を圧倒的に下げた(レース直前のウォームアップ中)
- エンジンを圧倒的に変えた(腰方形筋の導入)
- ペダリングを圧倒的に変えた
- 上記クランク長とサドル角度のロードバイクで実走するのはこの日が始めて(ぶっつけ本番)
- 長い上りは去年のレース以来一度もしていない
やはり一番タイムに貢献したのは体重だろう。
ホワイトフェイスの登坂区間(距離13km弱、8.3%の上り勾配)の場合、体重が1kg減ると約40秒のタイム短縮になるので、10kg = 400秒 = 6分40秒短縮される計算になる。
ただ10kgも減れば脂肪だけでなく筋肉量も多少なりとも減少するし、そもそも体重の重力を活用したペダリングの場合は掛かる重力自体が減るので、それらによる出力低下によってある程度オフセットされて5分短縮という結果になったのだろう。
そういう意味では、やはり全ては1の体重減少から始まり、上記2と3は体重減少の結果。
4~7はその中で如何に出力を下げないようにしようかと下支えに試行錯誤した結果。
8と9は単に怠けてただけwということになる。
筋肉メモ~プチ考察 2
今回主動筋に据えたのは腰方形筋。
ある意味去年との一番の違いは腰方形筋をメインに持ってきたこと。
腰方形筋の持久力が出力維持に直結するが、やはり今回も後半に腰方形筋の疲労が顕在化してきて出力が落ちてしまった。
レース後も腰方形筋に疲れが出たので裏を返せばちゃんと稼動できていた証拠だろう。
一方で、意識していなかったのに筋肉痛が出たのが前脛骨筋。
これまでは腓腹筋が攣ったり筋肉痛になることはあっても、前脛骨筋に疲れが出たことはなかったので目から鱗。
おそらく180mmのクランクに変えた影響で足関節の背屈で疲労が出たのだと思われる。
あとは内側広筋と内転筋に疲れ。臀筋、大腿二頭筋も同じく。レース後ゆっくりとマッサージとストレッチでケアしてあげた。
逆に外側広筋や大腿直筋、腹斜筋は不完全燃焼。
もっとこれらのエンジンを使ってやれば出力の下支えが出来たかと思うと、これらの筋肉をペダリングにいかに動員して余すところなく使うかが今後の課題といえる。
それ以外はそれなりに疲れは出たものの、そこまでの影響は出ず。
後半意識が他に行ってしまい、腕の筋肉が使えてなかったのも反省点。
次のレースターゲットは8月後半のKearsargeか9月初旬のGreylockヒルクライム。
体重減少により筋肉量が減っているのは明白で、筋肉面からいかにビルドアップしていくかを秋までの課題としたい。
目標はあくまで「猛龍過江(邦題:ドラゴンへの道)」のブルース・リーであることは言うまでもない・・・。
うーん、とてもじゃないがこの広背筋は真似できそうにない・・・。
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