ロシアのウクライナ侵攻を世界はどう伝えたのか

一気に情勢が緊迫化したウクライナ情勢。

うちでは日頃からアメリカ、香港、日本のニュースを見ているが報道に違いがあり、気になって台湾や中東のニュースもチェックしたら興味深かったので書き留めておきたい。

アメリカ・日本

まずアメリカだがもちろん東側諸国の視点からの報道。

バイデンの発表やEU、カナダ、国連の動向、現地からの報道など全般的に網羅されている。

現地からの報道では首都キエフや西部ポーランドとの国境からレポーターが報告しており、ATMやガソリンスタンドで長蛇の列が出来ていたりと現地の人々の状況がよくわかる。

日本は基本的にアメリカと同じスタンス。

報道でもCNNの映像を引っ張ってきたりして、ソースが同じなので報道も似るのは納得。

違いといえば日本の首相の発表や、日本国内でのデモなどが報道されているところだが、まあ自国の状況を報道するのは当然なので、アメリカの報道の概要に日本の状況を被せたのが日本での報道といえる。

香港

一方で香港はもはや自由な報道ができなくなってしまっているので報道も控え目。

まあ香港では今コロナ感染爆発真っ直中で、一日の感染者数が過去最多を更新している最中なのでコロナのニュースがトップに来るのはわかる。

が、それにしてもアメリカや日本と比べて報道が少ないのを感じる。

その中で気になった内容は、「現地にいる中国人が移動する際は中国国旗をよく見えるように車に貼りましょう」というお達し

中国の立場と中露の関係がよくわかる言い回しだが、五星紅旗を掲げてればロシア軍の攻撃対象にはなりませんってことなんだろう。

中国

では大本の中国はというとやはり報道の絶対数自体が少ない

もちろん全く報道されてないわけではないが、普京(プーチンのこと)出兵といった形で、「侵略」でも「侵攻」でもなく、出兵や派兵、軍事行動といった単語が使われているのが中国の立場をよく表している

台湾

一方で台湾は真逆で、めちゃくちゃ報道されている。

今回のロシアのウクライナ侵攻に対する言い分の「同胞民族を護るため」は、中国が台湾に侵攻する際に使われるであろう理論と共通するところがあり、台湾は明日のウクライナになりかねないのでその関心度の高さも当然。

中国が便乗侵攻してくる場合に備えてだろうが、台湾の国防部も中国との海域の警戒強化を発表。

各番組で特集が組まれ、2014年のウクライナ東部紛争まで遡って事細かに報道されている。

デモに対する報道でも、ロシアでの戦争反対デモやアメリカでのデモはわかるが、イタリアのコロシアムがウクライナ国旗でライトアップされていたりとか、一見関係なさそうな国のデモまで報道してるのは興味深い。

中東

そして一番気になったのは中東のCNNとも呼ばれるアルジャジーラ。

まず中国と違ってきちんと「侵攻(Invasion)」という言葉をニュースキャスターが使って報道していること。

反米の国も多いからロシア側に配慮した言い方をするのかと思ったらちゃんと客観的な報道で見直した。

そしてCNNと同じく国際的なケーブルニュース局なので各地に現地レポーターを派遣してるのだが、CNNがキエフやポーランド国境といった場所なのに対し、アルジャジーラはルガンスク州やドネツク州といった係争地域内にまで派遣してるということ。

日本や台湾も現地レポーターは首都のキエフからだが、アルジャジーラでは今回プーチンが独立を宣言した「ドネツク共和国」があるドネツク州から。

レポーターによると戦闘が起こっている前線から90kmしか離れていないとのこと。

こちらの現地レポートはもっと近い場所のマリウポリから。

他のニュースでも空港や軍施設が攻撃されたという報道はされているが、このレポーターはその破壊された軍施設から250メートルしか離れていないとのこと。

各国現地レポーターの中で一番踏み込んでいて、アルジャジーラの株が上がった報道だった。

ちなみにテレビ局のリポーターに限らなければもっと踏み込んでる現地レポートもあり、イギリスのThe Sunは戦闘中のハリコフの前線内からレポートしてる様子を公開している

ここまでくるとテレビ局のレポーターではなく、従軍記者や戦場カメラマンの分類になってくるが、前線の兵士たちと一緒に報道しているので命の危険と隣り合わせなのがよくわかる



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